新しいビール文化を発信していく。人が集い、繋がる店

ふらりと、クラフト生ビールと料理を楽しんでほしい

店長の藤田圭太さん(左)と、シェフの田中美有紀さん(右) 

「自分たちのクラフトビールを醸造し、楽しんでもらう店を立ち上げよう」。そのためには醸造用タンクを設置できる広さのある店舗が必要。選ばれた場所が東日暮里だった。その店を引っ張るスタッフに選ばれたのは、藤田さんと田中さんだ。大学を卒業後、大阪の立ち飲み屋からスタート。以後、チェーン店やビアバーで経験を積んだのち、同店の店長になった藤田さん。数軒のフレンチレストランで腕を磨きつつ、もっと気軽に楽しめるお店でも腕を振るいたいと同店のシェフになった田中さん。共通しているのは「お酒が好き!」なこと。それぞれのアイデアを生かしたクラフトビールを醸造でき、かつ楽しんでもらえる店はまさに理想の城と言える。オープンして2年、「おらが街のビールが楽しめる店」として地元の住人はもちろん、遠来するビールファンも増えている。

醸造は面白い。経験を生かし、シェフが作る “料理に合うビール”を造る

クラフトビール醸造士の松山陽介さん

クラフトビールや食事を楽しむスペースの奥に設けられた醸造スペースには、500リットルのスチールタンクが8本並ぶ。2本は仕込み用で残りは貯蔵用だ。小ロットでの醸造、仕込みから熟成・発酵まで1カ月しかかからないことから、開店以来50種近い美味を生み出してきた。ここを任されているのが、クラフトビール醸造士でもある松山さん。料理人の経験が長い松山さんが造るビールは料理にとても合う。どんな食事とも合わせやすい味を目指しながら、さまざまなスタイルにも挑戦していると言う。
「オケイブルワリー」では、醸造スペースをガラス越しに見学することができるほか、樽でのみ販売も行っている。

山手線で行ける「おらが街のクラフトビール」が楽しめる店。流行や人気の味わいを追ったもの、スタッフらの食の経験を生かしたアイデアあるもの、他のブルワリーとコラボしたもの……どれも味わい深く、香り高く、それだけで十分に旨い! さらに田中シェフの手がける料理との相性も抜群で、そして明るく親切なスタッフが生み出す陽気な雰囲気……足を運ばないわけにはいかないだろう。

クラフトビールの持つ魅力を存分に楽しんでいただきたい!

【本日のお会計】
■食事
・絶対食べて!鶏レバーの生姜煮 610円
・3種チーズと黒胡椒のパスタ 1,110円
・牛ザブトンのロースト(150g) 2,550円
■ドリンク
・MASTERPIECE(M) 850円
・東日暮里Kölsch(M) 800円
・卍卍 IPA(M) 910円
合計 6,830円

※価格はすべて税込。

取材・文:武智新平
撮影:長尾真志