〈サク呑み酒場〉

今夜どう? 軽〜く、一杯。もう一杯。

イマドキの酒場事情がオモシロイ。居酒屋を現代解釈したネオ居酒屋にはじまり、進化系カフェに日本酒バー。どこも気の利いたツマミに、こだわりのドリンクがそろうのが共通点だ。ふらっと寄れるアフター5のパラダイスを、食べログマガジン編集部が厳選してお届け!

「虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」にオープンしたジャンルレス酒場「Uké(ウケ)」

記事終盤に登場する〆の一皿にも注目

「虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」といい「麻布台ヒルズ」といい、森ビルが手がける商業施設には、ただ単に「おいしい」だけではなく、時代の最先端を行くような食体験を提供するお店が多い。「虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」のB2F、T-MARKET内に2024年1月16日(火)にオープンした「Uké(ウケ)」もその一つだろう。

店名は「幸運にめぐり合い、良いことが続く」という縁起の良い意味を持つ古い日本語「有掛(うけ)」に由来

料理を手がけるのは、日本橋兜町のイノベーティブレストラン「Neki」や世田谷代田の薪火料理「songbook」、代官山のカフェ「Mary Jane」を手がける西恭平シェフによるチーム。メインで腕を振るうのは、「Neki」の立ち上げから携わっている平井賢孝シェフだ。20歳から兵庫県但馬地方の居酒屋「TANIGAKI」、姉妹店のビストロ「OFF」にて料理人の道を歩みはじめ、上京後「Neki」で西シェフのもとで料理を学び、今回新店を任された。

写真左から、平井賢孝シェフ、西恭平シェフ

同店のドリンクを手がけるのは、蔵前の立ち飲みリカーショップ「NOMURA SHOTEN」と世田谷代田のカクテルバー&スタジオ「Quarter Room」のオーナー兼トップバーテンダーの野村空人氏。両者のタッグによりレストランのエッセンスと和食・居酒屋カルチャーを融合させ、これまでにない「ジャンルレス」で「居心地のいい」新しい居酒屋を体現する。

店内の照明・家具・装飾品・アート、器は「料理と同じく、作り手の手仕事を感じるものを使いたい」という西シェフによるセレクト。内装はデザイン事務所「CLOCK」が担当し、和と洋を感じるヴィンテージのインテリアに囲まれた、ゆったりとした大人な空間になっている。

バーカウンター、ロングテーブル、半個室ソファ席、テーブル席がありシーンに合わせて選べる

奥のカウンター席の前には、食材とともに、数種類のおばんざいが並ぶ。メニュー表にもお刺身、前菜、温菜、主菜などの文字が並び、和食料理店のような趣でもあるが、仕立ては和洋中さまざまだ。京都出身の西シェフが東京におばんざいを食べながらクラフト酒を味わえるお店が少なかったことに目をつけ、おばんざいをはじめとした和のもの、洋のもの、アジアンテイストのものを組み合わせたジャンルレスな居酒屋というコンセプトに至ったという。

鴨ハムきんぴらや山菜の天ぷらをつまみに、新感覚のタップカクテルで乾杯!

タップカクテル「緑茶割り」1,200円と「鴨ハム/牛蒡バルサミコきんぴら」1,400円

例えば日本の家庭料理としても定番のきんぴらは、たっぷりと鴨ハムがのったビストロ仕立てで供される。

鴨ハムの下にはたっぷりのきんぴらが潜んでいる

鴨ハムは山椒などのスパイスやハーブ、塩でマリネして一晩寝かせた鴨を、皮目の脂を落とすように焼き、その後低温でじっくり1時間ほど火入れして作り上げた。牛蒡のきんぴらにはバルサミコのフルーティーな酸を利かせており、洋のエッセンスも感じられる。

「山菜の天ぷら/木の芽マヨ」1,400円

ふきのとうやこごみ、タラの芽など、この時期ならではの山菜を使った天ぷらには、自家製の木の芽マヨネーズを添えている。味噌と卵黄を混ぜ合わせ、酒とみりんを少量加えた玉味噌に山椒の若葉である木の芽を加え、自家製のマヨネーズと合わせたソースだ。衣がふっくらと揚がったほろ苦い春の味覚に、クリーミーな木の芽マヨの香り高さが混ざり合う。

バーカウンターに座ればタップする様子を楽しむこともできる

これらの料理に合わせたいのが、ビアタップを使い注ぐお店オリジナルのタップカクテルだ。「緑茶割り」は「ヘンドリックス」というジン、粕取り焼酎、「櫻井焙茶研究所」の緑茶を合わせたタップカクテルで、ジンのハーバルな香りと、華やかな渋みの緑茶がベストマッチ。新しい切り口でお酒の価値を引き出す、野村空人氏の手腕が光る。