春の美しさが詰め込まれた繊細で鮮やかな魚料理に、メスカルが利いたほうじ茶割りを

「かます大葉巻き焼き/焦がし昆布オイル」(2,400円)

主菜で人気なのが、美しい春を詰め合わせたかのような一皿「かます大葉巻き焼き/焦がし昆布オイル」だ。この日は高知県産のかますを使用。かますは3枚におろして塩水で洗い、冷蔵庫で寝かしてから大葉で巻き込み、塩で味を調え、サラマンダー(高温の調理器具)で焼き上げている。

添えてあるのは静岡県の北山農園をはじめ、農家から直送してもらっている無農薬野菜だ。この日はゆでて塩で味を調えたスナップエンドウ、プチヴェール、黒キャベツの新芽、カブ、紅芯大根がお皿を彩る。そして最後に鰹だしとみりん、醤油を合わせた八方だしを使った焦がし昆布オイルをたらし、アリッサムという辛さのあるエディブルフラワーで春らしさを添えた。

温かい主菜と冷えたアルコールの組み合わせもまた一興

焦がし昆布オイルを回しかけることにより、焼き浸しや煮浸しよりも食材がベタッとせず、かますの香ばしい皮目の食感が味わえるのもうれしい。とはいえ仕立ては割烹料理のような繊細さで、力強い野菜の味わいも生かした味付けだ。

タップカクテル「ほうじ茶割り」1,300円

魚料理に合わせたいのが、同じくタップカクテルの「ほうじ茶割り」。スモーキーなメスカルとほうじ茶、麦焼酎の山猿、隠し味にアマレットを加えたカクテルで、黒糖やキャラメル、ラム酒のようなほろ苦く香ばしい甘さが印象的だ。

「ノッピー」をグビッと飲みつつ、パンチのある海鮮焼きそばで〆

「アメリケーヌ焼きそば」1,700円

「Uké」のすごさは、繊細な和食から、お酒がグイグイ進むパンチの利いた酒場メニューまで、バランスよくそろうところにある。「アメリケーヌ焼きそば」は、お酒を飲ませに来る食べ応えのある〆料理として完成度が高い。

都内の製麺所から仕入れた生の中華麺を茹でて、水で洗ってから、中華鍋に入れて強火でしっかり麺の周りを香ばしくコーティングする。その後中火に戻し、ネギとエビやイカ、貝などのシーフードを加え、アメリケーヌソースを合わせて炒める。仕上げに小口ネギ、青のりの代わりに乾燥したケールと海苔とゴマの粉末をふりかけて完成だ。

アメリケーヌソースの濃厚な味わいがクセになる、最高の〆麺

アメリケーヌソースとは、エビの殻を炒めて、香味野菜などと煮て作るフランス料理のソースのこと。同店のアメリケーヌソースは、エビのだしと香味野菜に加え、ウスターソースや八角をアクセントに入れて煮詰めたオリジナルだ。平打ちのような太麺の焼きそばはアルデンテで、噛みごたえがあり、麺によく絡んだオリエンタルな趣のアメリケーヌソースの味わいが咀嚼するたびに口の中に広がる。パンチのある居酒屋メシを求める人も、味わい深いビストロメシを求める人も満足できる一品だ。

「ノッピー」1,100円

「アメリケーヌ焼きそば」に合わせたいのが、鳥取発、ノンアル・ローアルコールクラフトビール専門ブランド「CIRAFFITI」と「NOMURA SHOTEN」が共同開発したビアテイスト飲料の「ノッピー」だ。ホッピーのように焼酎やジンなどリキュールの割材として楽しめるオリジナルローアルコールクラフトビールで、低アルコールながらアンバーエールのような苦みがあり、料理にしっかりと寄り添う。ノッピーをグビグビ飲みながら、ガツンとうまい焼きそばで〆てほしい。

思いもよらない組み合わせのメニューから定番のメニューまでがそろい、今までにない居酒屋体験が叶う「Uké」。和食好きもビストロ好きも、居酒屋好きも満足できる全方位ウケなお店だ。

【本日のお会計】
■食事
・鴨ハム/牛蒡バルサミコきんぴら 1,400円
・山菜の天ぷら/木の芽マヨ 1,400円
・かます大葉巻き焼き/焦がし昆布オイル 2,400円
・アメリケーヌ焼きそば 1,700円
■ドリンク
・タップカクテル 緑茶割り 1,200円
・タップカクテル ほうじ茶割り 1,300円
・ノッピー 1,100円
合計 10,500円

※価格はすべて税込

撮影:外山温子

文:中森りほ、食べログマガジン編集部