復活した東京イタリアンの良心と、西麻布にオープンした意欲的なイタリアン

心身を元気にしてくれる店

2月12日、神谷町の人気イタリアン「ダ オルモ」が、旧店舗の手前のビル2階というという驚きの近さで移転オープンしました。昨年12月、建物の老朽化で惜しまれつつ閉店しましたが、サービスの達人・原品真一オーナーソムリエを中心に再始動です。

新店舗はゆとりある造りで、心地よい空気が流れ、オープンキッチンのカウンターも健在。湯河原で新店「Pappa Verde」を2月21日にオープンした北村征博シェフに代わり、新シェフには35歳の奥野木隆介さんが就任。表参道「フェリチタ」などを経て、中目黒「リストランテ シンティッラ」で副料理長を務めた実力派です。出身である埼玉の食材を積極的に使い、香りを重視した料理が印象的。中でも蛸のラグーと木の芽のタリオリーニは香りも食感も秀逸で、新生ダ オルモへの期待が大いに高まる一皿でした。「レストラン」の語源どおり、心身を元気にしてくれる店が復活したのはうれしい限りです。

蛸のラグーと木の芽のタリオリーニ

小さな驚きが詰まったイタリアン

2月11日、西麻布にオープンしたのはイタリアン「CAiTO」です。8席のカウンターのみで、シェフは「ポンテ・ベッキオ」「nomad」「TACUBO」などで研鑽を積んだ内田恒太さん。支配人は元「PRIMO PASSO」の小口豪さんです。

シェフは竹島英俊氏のモッツァレラや「苗目」のハーブ、宮城のブランド米「かぐや姫」など名だたる食材を使いながら、独自の技術と解釈で印象深い一皿へ昇華させています。カウンターからキッチンを見上げる珍しい構造、お代わりOKの生ハム、青菜とハーブのサラダをグラニテで出すアクセントなど、仕掛けも多彩。次はどんな驚きが待つのか、楽しみな新店です。

牡蛎のリゾット

日本初?フランス地方料理店と旧ソ連の家庭料理店

ロワール地方の伝統パンが名物

12月15日、恵比寿にフレンチ「Le Foyer Ebisu」がオープンしました。看板はロワール地方の伝統パン「フエ」。小さな生地を高温で一気に焼き上げて膨らませ、側面を切って好きな具を挟む、ピタパンのようなスタイルです。

スタッフ4名は全員フランス人で、34歳のオーナーは16歳で交換留学で福島に。それをきっかけに日本を愛するようになり、飲食初挑戦となりました。フエは母の地元の味で、日本に“なぜないのか”と思ったことが原点だとか。シェフは宇田川町「ル・コントワール」出身。ワインは手頃な値段で、「チーズとシャルキュトリー盛り」や「コック・オ・ヴァン」をフエに挟んで楽しめます。親しみやすい雰囲気も心地よく、思わず応援したくなる一軒です。 

フエ

珍しい、旧ソ連の家庭料理

1月21日、住吉エリアにオープンしたのはウズベキスタンやロシア、旧ソ連諸国の家庭料理を味わえるビストロ・バー「ドムドヴァ」です。オーナーシェフはウズベキスタン出身で、日本在住歴は約15年。服部栄養専門学校卒業後にさまざまな店で経験を積み、この元バル物件で念願の独立を果たしました。

メニューには料理の説明だけでなく国名も記されており、アゼルバイジャン、タタールスタン、ウクライナ、ジョージアなど、多彩な地域から選ぶ楽しさがあります。牛豚肉をクレープで包んだ「ブリンチキ」、スパイス香るウズベキスタンの「おつまみピラフ」、ウクライナの豚の香草塩漬け「サロ」など、好奇心をくすぐるおいしい料理が勢ぞろい。価格も雰囲気もカジュアルで、気軽に楽しめる一軒です。

ブリンチキ

素晴らしい寿司&おばんざい店と移転オープンした広尾の老舗町寿司

居心地抜群、幸福感が満ちる町寿司

1月23日、代々木上原に「すしとおばんざい酒場ゑんがわ」が誕生しました。「すし宗達」出身で、オープン当初から「すし光琳」を支えたご主人と、「酒場まるしゑ」出身の奥様が営む店で、寿司と居酒屋メニューをカジュアルに楽しめる一軒です。

先月紹介した“最高の町寿司”「すし春」とはまた違い、こちらは寿司に加えて、センスよく仕上げた酒場メニューが並び、ご夫妻のフランクな人柄もあって居心地が抜群。宗達グループの新田親方直伝・柚子が香る塩辛、さわらのポテトサラダ、長いもとえんがわの和え物など、味もポーションも申し分ありません。熱燗に合わせて巻物を頼むと、ハーフにしてくれる心配りもうれしい。16時開店で“早い時間から健全に楽しんでほしい”との思いがあり、「トビッコンブ」「燻製ブリマヨ」といったお子さんが喜びそうなお寿司も用意。カウンター5席とテーブル2卓のコンパクトな店内には、温かな幸福感が満ちていました。

蒸しエビ

昔ながらの町寿司も

こちらは昔ながらの町寿司です。1月23日、広尾商店街で昭和31年から暖簾を守ってきた町寿司「福寿司」が、同じ商店街のスタバ隣へ移転し、ビルの3階でグランドオープンを迎えました。店主は3代目・下田敏弘さん。

握りはもちろんお好みOKで1貫250円から。注文後に揚げる自家製さつまあげ、海鮮納豆、ステーキソースで仕上げるまぐろホホ肉焼きなど酒肴も豊富なので、好きなお酒と共に楽しむのがいいでしょう。実は下町情緒もまだ残る、商店街の空気もいいつまみです。ご主人は大の日本酒好きのようで、メニューに掲載されていない珍しい銘柄も多くあります。遠慮なく尋ねて味わってください。

おこのみ握り