〈食べログ3.5以下のうまい店〉

グルメなあの人にお願いして、本当は教えたくない、とっておきの「3.5以下のうまい店」を紹介する本企画。今回は、トルティーヤ研究家の吉川さんが教えてくれた、竹芝にあるスタイリッシュな本格メキシコ料理の店を紹介。

ウォーターフロントに佇むホテルラウンジ風の洗練空間

伝統的かつ最新のメキシコ料理がそろう

巷では「おいしい店は食べログ3.5以上」なんて噂がまことしやかに流れているようだが、ちょっと待ったー!
食べログ3.5以上の店は全体の3%。つまり97%は3.5以下だ。

食べログでは口コミを独自の方法で集計して採点されるため、口コミ数が少なかったり、新しくオープンしたお店だったりすると「本当はおいしいのに点数は3.5に満たない」ことが十分あり得るのだ。
点数が上がってしまうと予約が取りにくくなることもあるので、むしろ食通こそ「3.5以下のうまい店」に注目し、今のうちにと楽しんでいるらしい。

オフィスエリアと商業エリアからなる大型複合施設「東京ポートシティ⽵芝 オフィスタワー」の3階。ビルのテラスに面したガラス張りのエントランス

東京・新交通ゆりかもめ「竹芝」駅から徒歩1分。ラグジュアリーホテルや劇場などが集結するウォーターフロントの大型複合施設ビル内にあるのが、ゆったりとしたホテルラウンジのような空間で本格メキシコ料理を楽しめる「CIELITO LINDO BAR AND GRILL」。カジュアルなアメリカ風タコスとは一味違う、本場メキシコの先進的なメニューを提供。食べログの点数は2026年2月時点で3.46だが、同業者の間でも注目度の高い一軒だ。

天井が高く広々とした店内。席はすべてテーブル席の全70席

ビルのテラスに面した場所にあり、明るい日差しが降り注ぐ店内は、ホテルラウンジのようなラグジュアリーな雰囲気。壁や照明にグリーンが配されたアーバンボタニカルな空間で、ゆったりと食事を楽しめる。

通路の奥には多彩なドリンクが並ぶバーやボックスシートも
 

吉川さん

メキシコ関係のイベントに参加して知りました。開放的でおしゃれな雰囲気で本場のメキシコ料理店のような体験ができ、タコスをはじめ料理もドリンクもメニュー数豊富。元メキシコ大使館シェフのビクトルさんが仕立てた料理が楽しめます。

本場のスタイルにこだわり元大使館シェフが腕をふるう

取締役の近藤誠司さん

「ソンブレロやガイコツが飾られたカラフルな店内で、ひき肉を包んだパリパリのタコスにかぶりつく……という、日本人がイメージするメキシコ料理店ではなく、素敵な空間でグリルを中心としたおいしい料理を楽しめる店。それがメキシコ料理店だった。そうありたいと思っています」と話すのは、取締役の近藤誠司さん。

母体となっているのはメキシコから食品を輸入し、レストランなどに卸す会社「カサナチュラル」。当時はまだ、日本でメキシコ料理が普及していなかった2018年に、輸入した食品を本場のスタイルで食べてもらうべく、おいしいメキシコ料理を提供する場所を作りたいとの思いでプロジェクトがスタート。

そのなかで出会ったのが、日本のメキシコ大使館でシェフを務めていたビクトル・バスケス氏。帰任するタイミングで迎え入れることができ、2020年に店がオープンした。

シェフをはじめスタッフは9割がメキシコ人。スペイン語の会話が飛び交う厨房内はメキシコのレストランさながらの雰囲気

ビクトル・バスケス氏は、メキシコシティの有名店「Maximo Bistrot」勤務を経て在日メキシコ大使館のシェフに。
「CIELITO LINDO BAR AND GRILL」では、フランス料理や日本料理とともにユネスコの無形文化遺産に登録されているメキシコ料理の伝統を尊重しつつ、現代的なエッセンスも加えた多彩な料理を提供している。

また、写真に映るサムエル氏も、メキシコの星付きレストラン「Pujol」でスーシェフ(副料理長)を務めた経歴を持つ。ビクトル氏を中心に、複数の実力派メキシコ人シェフたちが腕をふるい、ルックス、味ともに常に質の高い料理を追求している。

カラフルなメキシコタイルに塩とライムを添えたテキーラのショットなど、ドリンク類も本場のスタイルで提供
 

吉川さん

メキシコ料理の伝統的な部分と新しさのある味が楽しめます。メキシコ料理の全般的なメニューがあるのでさまざまな料理を体験できます。

コレが一押し! エビ×チーズのバランスが絶妙な「タコス カマロン」

トルティーヤのタコス 「カマロン(スパイシーシュリンプ)」605円

溶かしたチーズを焼き付けたトルティーヤを使用している、他にないスタイルのタコス。具材にはメキシコの唐辛子入りソースで焼いたエビと野菜をオン。さらにテーブルに備え付けの2種類のサルサやライムを搾ることでよりメリハリのある味わいに。

サルサの組み合わせや量を調整しつつ、自分好みに仕上げるのがメキシコ料理の基本スタイル。ここはぜひ覚えておきたい。

サルサは、食用ほおずきや青唐辛子を使用した「サルサ・ヴェルデ」、トマトを使用した「サルサ・ロハ」など常時2種類を提供
 

吉川さん

トルティーヤに溶かされたチーズのコクとエビのチリ感がタコスとしていいバランスで成立しています。付け合わせで出てくるサルサとライムで辛みと酸味を足してもおいしいです。