食通が見いだした、今月の新店

新しいお店がどんどん出店し、ますますの盛り上がりを見せる飲食業界。「気になる店が多すぎてどこの店に行ったらいいかわからない!」という人も多いのではないでしょうか。

そこで、グルメ情報に精通している方々に、最近訪れた新店に関するアンケートを実施。特に注目している「今月の新店」について教えていただきました。

今回は、フードパブリシストの高橋綾子さんにお答えいただきます。

教えてくれる人

高橋 綾子
フードパブリシスト。国内外ファッションブランドのプレスとして従事した中で肥えた“食”へのこだわりは、その後の素晴らしい人々との出会いと相まっていつしか人生そのものに。その間に培った食のデータと人脈を武器に“喜ばれるレストラン”の発掘に勤しむ日々。おいしいものしか喉を通らない不思議体質。

今月のベストワン

Q. 直近で行った新店の中で、特におすすめしたいお店を教えてください

A. 「徒然」です

「西麻布にオープンした囲炉裏レストランがおもしろい」とのお誘いで伺ったのが「徒然」。西麻布の交差点から徒歩3分ほど、1階に「ISSEI YUASA」のあるビルの2階にあります。入口から隠れ家の雰囲気満々、ウエイティングスペースの先に見える囲炉裏が気分を高揚させます。

さらにアガるのが7名までの広い個室と4名までのテーブル個室があり、それぞれ1組の予約ということ。つまり多くても1日2組なのです。しかも2人からOKなのでめちゃめちゃVIP気分が味わえます。

テーブルの真ん中に見えるのは炭の炎

さらにさらにアガるのが、シェフがつきっきりで料理してくれること。厨房での作業は食材をカットするくらいで、あとはすべてこの囲炉裏で作るので食事時間は3時間半ほど。煮る、蒸す、焼く……、目の前でシェフの調理工程を一から眺めることができる、この“専属感”がたまりません。

美しい食材の数々

はじめに本日使用する食材がお目見えします。すべてシェフ自ら生産地を訪ねて、納得のいくものだけを厳選。料理しながら食材の背景を話してくれるので食べた時の味わい深さが断然違います。

魚は串で焼き上げます

そして驚いたのは囲炉裏のポテンシャルの高さ。使うのは炭火だけなのに蒸籠、串焼き、灰焼き、塊焼き、鍋といった調理法で食材をおいしくしてくれます。それにしても囲炉裏って不思議な魅力があります。眺めていると気分がほっこりするし、気の合う仲間との会話も弾みます。   

目鯛

富山県魚津漁港から届いた「目鯛」は串焼きに。皮は香ばしくカリッと、身はふっくらと仕上がっており、炭焼きの素晴らしさを改めて実感します。

但馬玄

肉は塊で焼いてくれます。やはり炭火で焼いた塊肉は格別においしい! 本日は兵庫県上田畜産の「但馬玄」。肉質の良さは言わずもがなですが、内側に肉汁をしっかりと閉じ込め、うまみたっぷりに仕上げることができるのは炭火の力、そしてドリップを出さずに焼きあげるのはシェフの力だと実感します。

Q. 「徒然」でおすすめしたいメニューを教えてください

A. 「御飯」(コース30,000円に含まれる)です

にこまる

ここまで一品料理も串焼きも塊焼きも供されるたびに「おぉ〜!」と唸るおいしさなのでしたが、すべてはこの最後の「御飯」のためだったのではないかと思わされます。長崎県諫早の「にこまる」はツヤッツヤで粘りがあり、もちもちの食感。どうにも箸が止まらず1杯目は白飯だけで終わってしまうので、2杯目はお供をのせて。

味噌汁

そしてこの味噌汁がとんでもない絶品なのです。鶏肉、ごぼう、葱、こんにゃく、椎茸……、食材から出たおいしいエキスが味噌汁に溶け込んでいるのでおいしいに違いないとわかってはいたのですが想像を遥かに超えてきました。これにうどんや素麺を入れて最後の最後に〆で食べたいとシェフにお願いしたので、それは次回の楽しみに。

食べログマガジン読者は特別に予約OK

そして大切なことをお伝えします。実はこちらのお店、通常は「紹介制」のクローズドなお店なのです。今回、特別に予約の際「食べログマガジンを見た」と伝えると、一般の方でも予約が取れるようになりました。この機会にぜひ訪れてみてくださいね。

食べログマガジンで紹介したお店を動画で配信中!
https://www.instagram.com/tabelog/

※価格は税込。

写真:高橋綾子
文:高橋綾子、食べログマガジン編集部

※アンケート内容をもとに、料理名を掲載しています。最新の情報はお店にご確認ください。