【噂の新店】ALLIÉ
麻布十番で人気を博した「ALLIÉ」が都立大学駅の住宅街へ移転しました。ゲストと話をしながら料理がしたいと一軒家を改装し、大きなオープンキッチンカウンターで迎えます。看板メニューの「フグのフリット」や「白子のポワレ」など、和と融合したフランス料理に早くも近所のリピーターが続出!
麻布十番から都立大学へ! 「ALLIÉ」が選んだのは“融合する空間”

都立大学駅から徒歩7分、大きな公園やパーシモンホール、図書館などからなる「めぐろ区民キャンパス」の向かいに移転オープンした「ALLIÉ」。街並みに調和したナチュラルカラーの一軒家レストランが、原島忠士オーナーシェフの次なる舞台となりました。

麻布十番のシックな雰囲気とはうってかわり、木材をふんだんに使い温かみにあふれた内装にチェンジ。広々としたオープンキッチンから運ばれるおいしい音と香りを楽しみながら奥行き90cmもある大きなカウンターでゆったりと料理を待ちます。「たまたま同じ日時に予約したという偶然の出会いが、僕や僕の料理を介して一つになってくれたらいいなと思ってオープンキッチンにしました」と原島さん。

原島さんは高校卒業後「ホテルニューオータニ」で料理人としてのキャリアを積みます。「オーバカナル赤坂」で本格的にフランス料理と対峙すると、もっと深く学びたいと渡仏、星付きの店で修業しました。帰国後は「L’EMBELLIR」でシェフを務めます。当時、日本一厳しいと言われていた東京都のふぐ調理師免許を取得したのを機に、和と融合したフランス料理を究め、2016年に独立し「ALLIÉ」をオープン。「フグのフリット」は看板メニューとなりました。

食材はできるだけ旬なものをと考え、日本で手に入る食材を正しいフランス料理の技術で融合させた料理を提供してきた原島さん。すべての料理に素材感と季節感があふれています。本日はシグネチャーディッシュである「フグのフリット」を含む7〜8皿からなるおまかせコース(16,500円)の中から抜粋してご紹介します。
変わらずに続く「ALLIÉ」の料理哲学

ふぐ調理師免許を取得している原島さんだから魚料理はお手のもの。コースの中でメイン以外は魚介を使っています。こちらは舞鶴であがった真鯵が主役。ぷくっとした真鯵はカラマンシービネガーでマリネして穏やかな酸味を纏わせています。

薄くスライスした蕪と柿のシャキシャキとした食感を楽しんでいると、中から現れたのはクリーミーでねっとりとしたテクスチャーの蕪のムース。野菜ならではの軽やかさとビネガーの酸味が絶妙です。

続いて「カマチ陶舗」の美しい色合いの器にそぐうスペシャリテ「フグのフリット」の登場です。馴染みのあるフグの唐揚げと一線を画すために、タイ料理などで使う海老せんべいを粉砕して衣にしています。口にするとカリッと感が断然違い、さらに喉を通った後からふんわりと海老の香りが余韻となって訪れます。厚切りにしたフグは弾力がたまらない!

付け合わせにしたのは極薄切りのフレッシュカリフラワーとカレー風味のスパイスを混ぜたカリフラワーペースト。「フリットってマヨネーズをつけたくなるんじゃないかと思って考案しました。まずはそのままで。2口目はペーストをつけて召し上がってください」と原島さん。これはシャンパーニュと合わせたい味わい!

キッチンからはピチピチという音と共にバターのいい香りが漂ってきました。白子は10秒ほど牛乳で茹で、冷蔵庫の風で乾燥させてから焼いているそう。水分が程よく抜けた白子はいい焼き色がつきます。

葱と分葱に赤ワインビネガーを加えてエチュベにしたものを下に敷き、その上に白子をのせています。生海苔ソースは提供する直前に泡状に。クタクタの葱と分葱、カリ&トロの白子、そしてフワッフワの生海苔ソースと食感のコントラストもお見事!

クリーミーな白子とたっぷり使ったバターでもったりするかと思いきや、赤ワインビネガーの酸味でキリリと締めています。食感の感動を超える味わいの共演に舌がとろけそう! 景色は変わっても変わらない原島さんの料理哲学が一皿一皿に表れます。
メインに向かってクレッシェンドする“原島ワールド”

「ハタは皮目のゼラチン質がおいしいので、鱗は包丁を寝かせて皮に沿って薄くそぎ切る『すき引き』にして、香ばしくいい色になるまでじっくりと炭で焼きます」と原島さん。鱗はパリパリに素揚げにして食感の演出に使います。

グリーンが美しい春菊のソースは、春菊とほうれん草を大アサリで取った熱々の出汁と一緒にミキサーにかけ、丁寧に裏漉ししてなめらかな舌触りに。上質な食材から出るうまみで、味付けはほんの少しの塩だけで十分。仕上げに落としたリーキオイルの香り、アサリのうまみ、春菊のほろ苦さ、キジハタの弾力と、素材の力を感じる一皿です。

本日のメインは北海道産の蝦夷鹿です。ハンターが処理場を持っていることで仕留めてから30分以内に解体ができるそうで、クリアでありながら鹿のうまみが十分に感じられます。

付け合わせにはバーベナペッパーを振りかけたバターナッツソース、根セロリのコンフィとブロッコリー。ソースは王道のソース・ヴァン・ルージュに柚子胡椒を加えたオリジナル。バーベナペッパーと柚子胡椒が鹿肉に爽やかな刺激をもたらし、至福の味わいに仕上げています。

日本に住む日本人シェフが作るフランス料理、これこそが原島さんの料理哲学です。日本人だからフグがおいしい魚であることを知っていて、日本に住んでいるから新鮮なフグが扱え、フランス料理を突き詰めたからフグをフランス料理に昇華できる、そんな原島さんの作り出す和と融合したフランス料理に魅了されるのです。いつまでも愛されるように良い変化をし続けたいと語る原島さんの「ALLIÉ」は、きっと都立大のランドマークになることでしょう。


