昼から“おいしい”はしご酒 vol.2 根津(谷根千)編

酒場にも精通し、音楽界の“グルメ番長”小宮山雄飛が教える、昼からお酒を楽しめる店を紹介。明るい時間から飲みはじめ、おいしいアテを食するのは至福のひととき。一軒もう一軒と、ついはしご酒をしたくなる名店を3軒教えます。連載2回目は、散歩でも人気の谷根千エリアのそば屋です。

教えてくれる人

小宮山雄飛

1973年原宿生まれ原宿育ち。ホフディランのVo&Key。音楽界のグルメ番長の異名を持つ。特にカレー好きとして知られ、著書に「カレー粉・スパイスではじめる 旨い! 家カレー」(朝日新聞出版)、「簡単!ヘルシー!まいにちカレー」(主婦と生活社)などがある。2018年に日本初のレモンライス専門店「Lemon Rice TOKYO」を渋谷にオープン(現在はEC、イベント出店限定)。渋谷区初のCEO(chief eat officer)を務める。

【小宮山さんおすすめの店】蕎麦 松風

今回、小宮山さんが案内する「蕎麦 松風」は、2018年12月根津に開業した店。店主の山田一良さんは、埼玉県の実家で小学生時代から手伝っており、その後社会人経験を経て品川御殿山の本家にあたる「松風」本店にてそば修業を始め、経験値を高めてから独立オープン。手打ち、機械式、無化調など、さまざまなそばの表現を経て見えてきた、独自のスタイルを打ち出す。

根津駅と千駄木駅のちょうど中間に位置する、根津神社の参道と参道の間の気がいい場所にある店は、モダンな暖簾が掲げられ、明るくきれいで入りやすい雰囲気。根津は「よし房 凛」「根津 鷹匠」「蕎心」など、週末は行列必至の知る人ぞ知るそば激戦区だ。根津神社参拝のあとに、ちょっとおいしいそばを食べるルートとして覚えておきたい。

気軽な昼飲みに合う、出汁やかえしを使った本格的な料理が豊富

小宮山さんが2年ほど前に墓参りを兼ねて、谷根千エリアをぶらぶらお散歩していた時に見つけたのが、こちらのお店との出会い。老舗すぎずオシャレすぎずのほどよさが、昼飲みに最適で、カウンターで杯を交わすおじさんたちが楽しそうだったのが印象的で、すぐに気に入ったそう。

エントランスを入るとすぐに、60席規模の店で取り扱うくらいの大きな石臼に目が留まり、そばへの本気度と期待値が高まるはず。本格的な石臼挽十割そばをはじめ、約10種の日本酒や、焼酎などが揃い、酒が進みそうな洒落たセンスのよい料理がラインアップする。

和食屋よりコスパよし! そば屋でチビチビ日本酒を飲むよさとは?

昼飲みラバーの小宮山さんがそば飲みを推すのは、「そば屋って昼に開いていて寄りやすく、いい日本酒もあるし、和食店より絶対にコスパもよくて最高ですよね。レベルの高いお出汁やかえしを使っている料理は、間違いがなくおいしい」との理由から。

幼少期に食通の父親にそば屋へ連れられ、旨いそばでお酒を飲むという酒場文化を間近で見ていた影響で、そば屋+酒の方程式が身についていて好きなスタイル。アテにぴったりな小料理をつまみつつ、そばで〆ることができるのが、そば屋ならではの魅力と語る。

「大粒なめこおろし」650円

「大きいっ!」と思わず声が漏れるほどの、長野県産大粒なめこの存在感に圧倒され、鶴齢(1,200円)を片手に昼飲みがスタート。

さっぱりとした大根と和えた、出汁に浸ったとろんとしたなめこが、ヒンヤリのどごしよく楽しめる。

「酒盗マスカルポーネ 庄内麩添え」880円

スイーツのような見た目の可愛い前菜は、小宮山さんが感動した一品。一度濡らしてから包丁で切って揚げ直して成形する、一手間が加えられたサクサク食感の山形の庄内麩に、酒盗の塩味となめらかなマスカルポーネをのせて。酒と相性抜群の甘じょっぱい絶妙なハーモニーを奏でる。