【食べログマガジンこぼれ話】噛んでみると……甘い!ちょっと不思議な麦芽のハナシ

東京醸造所めぐりPart1』でご紹介した、「BREWIN’BAR 主水-monde- 銀座醸造所」。店内醸造されたビールを昼14時から味わえることから、ビールラバーの給水所的な存在としても愛されています。

 

 

そんな同店のブリューワーさんから、「一粒食べてみますか?」と手渡されたのが、ビール造りに欠かせない“モルト=麦芽”。

 

大麦を少し発芽させ、乾燥させたものを麦芽といいます。

 

 

皮のついたままの麦芽。なんだかちょっと苦そう……と思いつつ、口に含んでみると、「ほんのり甘い!」。駄菓子屋さんで売っているお米のお菓子「ポン菓子」のような、なんとも香ばしく、優しい風味が口いっぱいに広がります。

 

「麦芽に含まれる澱粉が唾液に含まれる酵素によって分解されて、甘く感じるんですよ」とブリューワーさん。

 

この現象こそ“糖化”と呼ばれるもので、粉砕した麦芽と水または湯、副原料をビールタンクの中に入れ、糖化液となったものが濾過されて“麦汁”になり、酵母を入れた後に発酵・熟成を経てビールになっていくのだそう。

麦汁を使って調理したハムも!ビール造りを知った上で飲む一杯は美味しさもひとしお

 

同店では、そんなビール造りの工程で生じる麦汁からかすを取った“モルトウォーター”でボイルする、その名も「モルトウォーターでボイルした自家製もち豚ハム」1,000円(税抜)なるメニューもあり、食事でもビールの奥深さを噛みしめることが出来ます。

 

その一杯が目の前に運ばれてくるまでの過程を知った上で味わう、格別のビール体験を、東京の真ん中で楽しんでみてはいかがでしょうか。

撮影:大谷次郎