【カレーおじさん\(^o^)/の今月のカレーとスパイス】2023年8月を振り返る

残暑厳しい季節。スパイスで体調を整えたいところです。そんな今月のカレーとスパイスは、カレー激戦区とも言えるエリアの新店舗を取り上げました。

  1. ビリヤニとクラフトビールを楽しめるお店が秋葉原に

2. 隠れ激戦区西早稲田エリアにできたリーズナブルな南北インド料理店

3. 老舗が進化を遂げて復活! 温故知新的美味カレーは一食の価値大いにあり

4. 香りをテーマにしたフレンチとカレーのお店が赤羽に

ここ10年ほどでカレーやスパイス料理のお店は文字通り倍増しています。激戦区と言える場所も増えてきましたが、それだけカレーやスパイスに対する世間のニーズが増えているのでしょう。実際僕の周りにも毎日カレーを食べるという人が増えています。そしてそんな人たちは飽きることもなく、ずっとカレーを食べ続けているのです。

思えば僕がカレーにハマったのも古くから続く激戦区、神保町の大学に通っていたからこそ。当時さまざまなお店で食べ歩きをしたことが今につながっています。

激戦区に在住、在勤の方は是非色々なお店を食べ比べてみてください。カレーやスパイス料理の理解度が深まりますし、また、そうなるとよりおいしさの意味も深くわかるようになり、楽しさも増えていきますから。

【第1週のカレーとスパイス】昼はビリヤニ、夜はクラフトビールも! 秋葉原にスパイス料理の秘密基地が誕生「BEER OTAKU SPICE」

秋葉原駅の昭和通り口方面に「BEER OTAKU SPICE」という面白い名前のお店ができました。店名はすなわちビール、オタク、スパイスということです。個人的な話ですが僕はオタクでありスパイス好き。正直言うとビールは苦手ですが、2/3が大好きなら大丈夫だろうと行ってみると、やはり面白いお店でした。

マスターはアイリッシュ音楽や同人音楽をやっていた方でコミケなどにも出展していたという紛れもないオタク。高円寺のビアバーで店長をしながらビール造りをはじめ、高井戸で「キーウィー」というクラフトビールとパブフードのお店を6年営業、その後秋葉原に移って店名も新たにこちらのお店をスタートさせたという経歴です。

昼はビリヤニ、夜はビリヤニのみならずスパイス料理やパブフードでクラフトビールなどのお酒を楽しむお店となっています。

ある日のランチのビリヤニはメジマグロとチキン。それぞれ1,000円、あい盛りにしても同価格というお手頃さ。せっかくなのであい盛りにして、キーマカレーのトッピング(150円)もつけていただきました。

「ビリヤニ」

メジマグロは素材自体の味が強い魚ですが、それを活かした仕上がり。ふわっとエアリーでぱらぱらふわふわなビリヤニは香りも良く、付け合わせのライタをかけたり、トッピングしたキーマをかけたりして味変しながら最後まで飽きずに楽しめます。

チキンは王道のテイスト。それぞれ味付けも違い、米自体に魚は魚、鶏は鶏のうま味も加わっておいしく、量は多いのですがペロッと食べられる仕上がりでした。

「カイパロー」

ある日の夜には「カイパロー」750円というタイ料理とクラフトビールを楽しみました。

ビールに関しては全くもって無知な僕でもわかりやすく、その日のビールと説明が大きく出ているので助かります。

「ガハハビール」

「ガハハビール」680円(200ml)はビール慣れしていない僕にもすっきりと飲みやすく、八角やシナモンが利いたしっかり味のカイパローとの相性も良いです。

「ビリヤニ」(ハーフ)

また、夜はビリヤニを「ハーフサイズ」650円でも楽しめます。ビリヤニとビールの相性も驚くほど良く、マスターによると「フレーバーが強いビールとビリヤニの相性が特に良く、ビリヤニは辛さが出過ぎないのでビールの香りも消えないんです。この組み合わせをもっと多くの方に知ってほしいなと思ってこのお店をはじめました」とのことで、まさにおっしゃる通り。

お店は2階にあるのですが1階はビールの醸造所として準備中とのことで、今後オリジナルのビールも楽しめそう。

ビール好き、スパイス好き、何かしらのオタク、いずれか1つでも当てはまれば確実に楽しめるお店であり、2つ当てはまればさらに良く、何か苦手なものがあってもここをきっかけに好きになれるかもしれない、そんなお店だと思います。

ビールのおいしい季節、スパイス料理とビールで夏を楽しみましょう!

【第2週のカレーとスパイス】カレーマニア注目の激戦区にまたもや新店誕生。昼はミールス、夜はインド流おつまみがうまい!「Al Habeebi KITCHEN(アル ハビービ キッチン)」

高田馬場と早稲田の中間地点に、知る人ぞ知るカレー激戦区があります。古くからココナッツカレーの「ヤミツキカリー」があり、スリランカ料理の「アプサラ」、南インド料理とイタリアンの「四次元食堂」ができ、カレーをメインにしたお店だけでも100m以内にひしめきあい、カレーメインではなくカレーも出すお店を加えるとその数倍がこのエリアに立ち並んでいます。さらには少し歩けば「エチオピア」の高田馬場店もあり、ただでさえどこでカレーを食べようかと悩ましい場所なのですが、さらに新しいお店が一つ加わりました。「Al Habeebi KITCHEN」です。

こちらは南インド料理も北インド料理もどちらも楽しめるというお店。小さなお店ですが、早稲田通り沿いにあり、場所がわかりやすいこともあって連日賑わっています。

ランチは南インド料理の定番、ミールスがメニューの一番上にあります。ということはやはり北インド料理より南インド料理に力を入れているというわけです。

「マトンカレーミールス」

「マトンカレーミールス」1,100円を注文すると、ドーサかチャパティがつくとのことでドーサをお願いしました。

ドーサというよりウタパムのような厚みと食感ですが、オーセンティックなテイストです。ちなみにドーサとは米粉や豆粉で作る南インドのクレープのような軽食。ウタパムは材料は同じですが、厚みがあるのでお好み焼きと称されることも多いです。

シンプルな味わいのサンバルとラッサムにトーレンとマトンカレーが加わり、サラダやパヤサムもつき、先述したドーサにドリンクも加わってこの価格はかなりリーズナブル。

それぞれのカレーを混ぜながらご飯と合わせていくと味が深まっていき、おいしさが蓄積します。時折ドーサをつけて食べると同じカレーでも味わいに変化を感じるのが楽しいですね。

「アイスチャイ」

食後はアイスチャイを選びました。やはりインド料理の締めくくりにはチャイが合います。

「ウラドワダ」

ミールスはランチのみですが、夜には夜の魅力もあります。南インドの軽食がメニューに加わるのです。「ウラドワダ」600円は豆粉の甘くないドーナツ。

揚げたてで外はサクサク、中はホクホクと食感も良く、ココナッツチャトニをつけて食べたり、サンバルに浸して食べたり、その両方を加えて食べたり。

「ゴビ65」

「ゴビ65」700円はカリフラワーのスパイシー唐揚げ的な料理。こちらのゴビは細かくカットしたもので、その分衣の味と食感が楽しめるタイプ。

ワダにしろゴビ65にしろ、野菜料理なのですが、肉料理を食べたような満足感を得られるのが南インド料理の良いところ。

その他北インド料理メニューやビリヤニもあり、小さいながらもさまざまな楽しみ方ができるお店です。ミールスと言えば近くの四次元食堂にもあるのですが、四次元食堂のものは日本人シェフによる工夫があるもので、アルハビービのミールスはよりオーセンティックな、現地の街場の食堂で食べるようなテイスト。食べ比べるのも面白いですよ。

いずれにせよカレー激戦区に誕生した新たなお店。こちらを含めた近隣のすべてのお店が流行って、神保町や下北沢のような新たなカレー激戦区として全国に認知されるようになれば良いなと思います。