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今回ご紹介するのは、食べログユーザーからの高い評価で「中国料理 EAST 百名店2023」に選出された『獅門酒楼(シモンシュロウ)』。伝統的な広東料理や旬の味覚を楽しむ季節限定メニューなど、多彩な中国料理に定評があり、2024年にはキリンビールが定める厳しい提供品質基準をクリアした「キリン一番搾り 極上生認定店」にも認定。うまい中華とおいしいビールを心行くまで楽しませてくれる。
横浜中華街の隠れ家的名店、『獅門酒楼』の味を長年守り続ける料理長に「これだけは食べてほしい逸品」をうかがった。
料理長に聞く、これだけは食べてほしい逸品とは
「うちの料理でぜひ味わってほしいのは、『海老とマンゴーのサクサク変わり揚げ』と『ソフトシェクラブの香港風漁師炒め』の2品ですね。どちらも当店を代表する看板メニューで、多くのお客様にリピートいただいています」
こう話してくれた原田啓介さんが料理長を務める『獅門酒楼』は、創業から41年を数える中華の名店だ。商売の神様をまつる「関帝廟」至近に位置し、その門番をする獅子にあやかり、“中華の味を守るレストラン”との意味を込め『獅門酒楼』と命名された。
店が建つ中山路は目抜き通りではないものの、知る人ぞ知る名店が軒を連ねる通りとして知られ、もちろん『獅門酒楼』もその一軒。食べログユーザーにも「横浜に来たら必ず行く」「シンプルなのにオリジナリティがあっておいしい」「どの料理を食べてもクオリティが高い」といった根強いファンが多く、地元民からの支持も厚い。多くのメニューでハーフサイズを選べるのが特色で、一度にいろいろな料理を楽しめるのも魅力だ。
両脇に獅子が鎮座する店のドアを開けると広がるのは全52席を備えるテーブル席。ウッディで落ち着いたインテリアの店内は、グループはもちろんおひとりさまも入りやすい雰囲気。2階には、ホール席に加え会食や宴会に最適な和洋の個室を備え、全てが円卓・椅子席なので足が痛くならないと好評だ。
料理長を務める原田さんは奈良県の出身。料理学校の助手を務めていた母を見て育ち、自ずと料理の道を志すようになり調理師学校へ。横浜中華街を代表する四川料理の老舗「重慶飯店」で8年修業し、東京、九州で経験を重ね、再び横浜へ戻り、2010年に「獅門酒楼」の料理長に就任。現在は7人の中国人シェフを束ね、料理長として存分にその腕前と才能を発揮している。
グランドメニューのほか、季節ごとの素材を取り入れたおすすめ料理も評判で、出勤前に毎朝、青果店や市場に立ち寄り、自分の目で見て確かな食材を仕入れるのも原田さんの日課だ。
シェフおすすめの逸品メニューはこれだ
「今でこそ『カダイフ』を中華で使う店も増えてきましたが、17年ほど前からうちで提供するこのメニューは、ある意味先駆けといってもよいのでは」。原田さんがこう話す看板料理が、フレンチの要素を取り入れたオリジナル点心「海老とマンゴーのサクサク変わり揚げ」だ。
「カダイフ」とは中東をルーツにする小麦粉原料の極細麺で、パリパリとした軽い食感が特徴。エビとマンゴー、白身魚のすり身を大葉とカダイフで巻いて揚げてあり、ザクッとしたカダイフの中から現れるプリプリのエビ、さわやかな香りが鼻腔をくすぐる大葉、それらをマンゴーソースが一つにまとめ上げ、食材の組み合わせが織りなす絶妙なハーモニーを堪能させてくれる。
「なんといってもビールとの相性が抜群です」と原田さんが太鼓判を押すのがこちら、「ソフトシェクラブの香港風漁師炒め」。
メニュー名を漢字で表すと「避風塘軟蟹」。「避風塘」は「ビーフンタン」と読み、海に囲まれた香港で嵐を避けるために船ごと逃げ込む港のことを指し、そこに集まる漁師たちに古くから愛されてきた海鮮料理を「避風塘」と呼ぶのだとか。
鷹の爪やニンニク、豆鼓などをブレンドした秘伝のスパイスが香るドライパン粉に埋もれるように盛りつけられているのは、脱皮したてのソフトシェルクラブ。読んで字のごとく、殻が軟らかで、ジューシーなカニのうまみを丸ごと味わえるのが醍醐味。このパン粉がまた絶品で、これだけでもビールが飲めるといっても大げさではない。
料理のクオリティに負けないビール選び
食事に欠かせないドリンクの中でも、『獅門酒楼』の逸品料理に負けないビール選びにはこだわった。「当店の大事にする素材へのこだわりと”キリン一番搾り”の素材と品質をこだわり抜く姿勢が合っていると思い創業以来提供しています」と原田さん。
キリンビールは明治時代(1885年)に横浜山手で設立されたジャパン・ブルワリー・カンパニーを源流とし、1907年の創業以来横浜の地でビールを造り続けてきた、横浜との縁深きビールなのだ。
「”キリン一番搾り”の素材と品質にこだわり抜く姿勢が当店の姿勢と共通していると思っています」原田さんがこう話すように、誰もが納得できるこだわりの料理が楽しめる『獅門酒楼』で味わう”キリン一番搾り”は、揚げ物やスパイシーな一皿との相性は言わずもがな。熱々の料理を頬張りつつグビッ!とジョッキを傾ける多幸感は何物にも代えがたいものだ。
実はこれも食べてほしい、コク旨の麻婆豆腐(赤)(白)
海鮮を使用した広東料理が有名な『獅門酒楼』だが、四川料理の名店「重慶飯店」で修業した原田さんならではの「麻婆豆腐」も、実は外せない逸品だ。
“赤麻婆”こと「四川風 麻婆豆腐」はピリッとした粉山椒が味の決め手。4種の豆板醤をブレンドして使うのが原田さんのこだわりで、辛さの奥にしっかりとしたうまみと甘みが感じられ、実にバランスのよい味わいだ。
“白麻婆”こと「鱈の白子入り“白”麻婆豆腐」は冬限定メニューながら、夏でも問い合わせがあるほどの人気の一品。暑い夏にこそ熱々の「麻婆豆腐」と冷えたビールはピッタリの組み合わせ。中国東北部の白菜漬け「酸菜(サンツァイ)」や干しエビなどで味付けした青唐辛子ベースの創作麻婆で、白子のプリっとした食感とクリーミーな味わいもビールとの相性が抜群。