〈広島の新店〉

広島市の中心部、中区紙屋町にあるカレーパンの専門店。パン粉、生地、具材、スパイス、カレールーの“五味一体”をテーマに、今までにない斬新なカレーパンを次々と打ち出している、「廣島咖喱麵麭研究所(ひろしまカレーパンけんきゅうじょ)」に、いざ潜入!

街のど真ん中に誕生したカレーパン専門店

ショッピングセンター「サンモール」の西側出入り口からすぐの場所

広島市中区紙屋町に、カレーパンの専門店が誕生した。その名も「廣島咖喱麵麭研究所(ひろしまカレーパンけんきゅうじょ)」。旧字が並ぶ店名は“研究所”という言葉を冠していることもあり、なかなかのパンチ力だ。店内には、店名に負けない個性的なカレーパンが20種前後並ぶ。

「五味一体は造語なんですよ」と笑う松島さん

専務取締役の松島孝亮(まつしま こうすけ)さんに開店の経緯について聞いてみると「カレーパンって普通のパン屋さんでも売り上げの上位に入る人気商品。だったらもっと、生地やルーの組み合わせを色々検討して、違った可能性を追求できるんじゃないかと考えました」。

テーマにしているのは、“五味一体”。パン粉、生地、具材、スパイス、カレールーがそれぞれの個性を放ちながらも、すべてがハーモニーを奏でるような一体感のある味を目指している。

こんがり揚がるカレーパン。スパイシーな香りが漂う

生地と具は味にブレが出ないよう、セントラルキッチンで仕込み、発酵から揚げるまでを店内に併設された厨房で毎日開店前に行っている。パンとパンがくっつかないように間隔を空けてフライヤーへと落とし、175℃前後に熱した油で片面約2分ずつ、キツネ色になるまで揚げていく。カレーパンの種類によって衣が変わるので、引き上げのタイミングは経験によるところも大きいそう。

こんなカレーパン見たことない! 個性的な商品がずらり

定番かつ、人気のカレーパン3種

定番と季節商品で、日によって15~25種とバラつきはあるが、月に1回程度のペースで新作が登場するのも同店の魅力。現在、県内では紙屋町店、幟町店、宮島本店、高陽店の4店舗で展開しており、その店でしか扱っていないカレーパンも存在する。思わず目移りしてしまう品揃えだが、中でも定番の人気商品3つを教えてもらった。

とろ~り半熟卵

「とろ~り半熟卵」240円

人気ナンバーワンは、トマトベースのカレーに半熟卵を丸々1個仕込んだ「とろ~り半熟卵」。甘めのルーは食べやすく、女性や子どもに圧倒的に支持されている。衣にはクルトンをまぶし、ゴツゴツとした特徴的な見た目に。カリカリとした食感が楽しめるのも面白い。割ると中から黄身がとろっと溢れ出し、まろやかなソースのように絡んでくる。見た目も味も満点の人気商品だ。

のび~るモッツァレラチーズ

「のび~るモッツァレラチーズ」280円

2番目の人気商品は、同じくトマトカレーがベースの「のび~るモッツァレラチーズ」。ピザをイメージした味付けは、ほんのりとバジルを利かせているのがポイント。チーズはモッツァレラとミックスチーズの2種をブレンドし、冷めても伸びるよう工夫している。自宅で食べるならトースターで焼き直し、温めて食べるのがおすすめ。

広島黒毛和牛

「広島黒毛和牛」360円

人気商品の3番目にランクインしたのは「広島黒毛和牛」。広島県産黒毛和牛を35g使用した、300円超えも納得の贅沢な味わい。ルーはやや甘口のビーフカレーで、中に入れる黒毛和牛はカレーとは別に味付けをほどこしているのがおいしさの決め手。醤油やみりんで柔らかく炊き上げた後、ルーとドッキング。濃厚な黒毛和牛の旨味がカレーと合わさり、両者が喧嘩することなく、お互いを引き立てている。