この一年余り、かつてない苦境に立たされた外食産業ですが、そんななかでも良いレストランは生まれ、育ち続けています。
食のプロたちが厳選・評価し、語り尽くす食のガイドブック『東京最高のレストラン』の編集長である大木淳夫さんに、「東京の今がわかる店5選」をピックアップしていただきました。フランス料理、寿司、イタリア料理、スペイン料理、インド料理と多彩なジャンルで、ハレの日にぴったりな一軒から気軽に訪れることができるカジュアル店まで、幅広いラインアップです。大木さんのコメントと共に、東京の今を象徴するお店をご紹介します。
1. 伝統と革新がせめぎ合う銀座の新生フレンチ「ル・シーニュ」(銀座)
名店が集う銀座に誕生した、カウンター9席のフランス料理店。パリの「レ・ザンバサドール」のほか、アラン・デュカスシェフのもとで働き、帰国後は、銀座の「ベージュ アラン・デュカス 東京」、旧軽井沢ホテル内の「ル・シーニュ」でシェフを務めた上野宗士さんが腕を振るいます。
盛り付けはモダンですが、皿そのものはベーシックでボリュームも充分。秀逸なワインは、フランス産を中心に約250種類、2,000本以上のストックを抱えます。個性豊かなソムリエの有馬純平さんによるフレンドリーな接客もこちらならでは。
大木「やっぱりフランス料理ってすごい! と感じられるカウンターのモダンフレンチです。上野シェフは想像を超える量のキャビアなどで驚きを与える一方、見目美しく滋味あふれる料理でうっとりもさせてくれます。ソムリエの有馬さんが繰り出すワインも、特筆すべきラインアップで楽しませてくれます」