「皿の上でウソをつかない。そこに、一点の曇りもない」

オーナーシェフの池尻綾介さん。金時豚をはじめ徳島県産の食材を多く用いており、新たな食材を求めて現地にも足を運ぶ。

池尻さんは、フランスの郷土料理や大衆料理は素朴だからこそ奥が深いと語る。

「フランス料理の原点のような存在で、つくり込んでいくほどに微妙な違いがわかるようになり、どこまでも掘り下げていける」そうだ。実際に同店で供される料理は、ガストロノミーとしても十分に評価される品になる。

今回紹介した5品はすべて豚肉が使われているが、実は豚肉とフランス料理との結びつきは強い。古くからフランスの村では豚を飼って1年かけて肥やしてさばき、それを塩漬けや燻製にして保存したり、血をソーセージにしたりしてきた。この、豚肉をあますところなく食べる文化こそが、フランス料理の本質だと池尻さんは考えている。

料理人としてのモットーは「皿の上でウソをつかないこと」。西麻布という立地にありながら、その言葉通りの逸品を手頃な価格で提供してくれる稀有な良店だ。

カウンター席、スツール席、テーブル席の全18席。天井が高く、大人で都会的な雰囲気。

【本日のお会計】(2人)
■食事
・パン・バター・アミューズ代  1,000円×2
・フロマージュ ド テット グリビッシュソース 990円
・鳴門レンコンと自家製ベーコンのロースト 1,200円
・ブーダンノワール 1,200円
・バラ肉のプティ サレ レンズ豆の煮込み 2,400円
・青とうがらしのオムレツ 990円
■ドリンク
・シャンパーニュ(ローラン ペリエ ラ キュベ ブリュット) 1,300円×2
・白ワイン (スクレ ド リュネス シャルドネ 2018) 900円×2
・赤ワイン(スクレ ド リュネス シラー 2018) 900円×2
■サービス料 10%
合計 16,478円(1人 8,239円)

※価格はすべて税抜

※時節柄、営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、お店のSNSやホームページ等で事前にご確認をお願いします。

※新型コロナウイルス感染拡大を受けて、一部地域で飲食店に営業自粛・時間短縮要請がでています。各自治体の情報をご参照の上、充分な感染症対策を実施し、適切なご利用をお願いします。

※本記事は取材日(2021年2月9日)時点の情報をもとに作成しています。

取材・文:梶野佐智子(grooo)
撮影:松村宇洋