〈今夜の自腹飯〉
予算内でおいしいものが食べたい!
食材の高騰などで、外食の価格は年々あがっている。一人30,000円以上の寿司やフレンチもどんどん増えているが、毎月行くのは厳しい。デートや仲間の集まりで「おいしいものを食べたいとき」に使える、ハイコスパなお店とは?
豚肉のスペシャリストが開いたとんかつ店
大阪メトロ心斎橋駅や長堀橋駅から徒歩5分。角地に印象的なグレーの2階建ての建物がある。ここは、今、関西に巻き起こっているとんかつブームの一役を担う「とんかつ康四郎」だ。1階は厨房&ラボ、2階がカウンターのみの店である。



門上さん
店は2階にあり、1階がラボのような光景なので、それを見ながら2階に上がる高揚感があります。油を使う厨房なのに、その美しさに驚かされます。
店主の川端友二さんは「焼きとんyaたゆたゆ」「大阪焼売珍」など現在11店舗の豚肉料理店を展開する豚肉のスペシャリスト。「高校生のとき、地元のとんかつ屋でアルバイトをしていました。いつかとんかつ屋をやりたい!と思っていて、今になりました」と川端さんは笑う。「揚げるという行為は、四方から同じ温度帯で火が入る、世界でも珍しい調理方法なんです。だからこそ、面白いですよ!」

豚肉は “品種”に注目している。「三元豚やバークシャー(黒豚)など6品種を揃えています」とのこと。品種で50%味わいが決まると考え、銘柄よりも品種ありきで豚肉の特徴をとらえ、もっと豚肉を知ってもらうために“食べ比べ”で提供しようと考えたという。ちなみに、銘柄豚は、ある品種の豚に餌や環境で特色を持たせたもので、現在400種以上ほどあるとのこと。
理想のとんかつを問えば「肉は味が濃く。衣はガリッではなく、サクッ、フワッと、ソフトに立っているくらい」と話す。その理想を実現するため、細部にまで研究を重ねて注力している。まずは揚げ方。基本は、低温で揚げる→中温で揚げる→ヒートランプを当てながら寝かす、の3段階の火入れ。揚げ油はラード100%を選択している。パン粉は品種や部位によって5種類!を使い分けている。「パン粉は糖分が多いほうが色濃く揚がります。例えば、バークシャー(黒豚)は程よく水分が抜けていてしまりがいい。赤身の味が濃いので、糖度の高いパン粉を使って色濃く揚げても、香りが負けずに、双方が引き立ちます」





門上さん
川端さんは関西に豚料理を根付かせた人物。その川端さんが自ら厨房に立ち、念願のとんかつ屋を始めたと聞き、興味を強く抱きました。
