EXPO 2025 大阪・関西万博
「EXPO 2025 大阪・関西万博」が盛り上がりを見せている。今回、食べログマガジンが注目するのは、“おいしい万博”。会場を歩き回って見つけた、レストラン情報を公開。パビリオンの驚きと、旅する気分で味わう食の感動が待っている!
教えてくれる人

船井香緒里
福井県小浜市出身、大阪在住。塗箸製造メーカー2代目の父と、老舗鯖専門店が実家の母を両親に持つ、酒と酒場をこよなく愛するヘベレケ・ライター。「あまから手帖」「dancyu」「BRUTUS」などでの食にまつわる執筆をはじめ、「dancyu.jp」で連載「大阪呑める食堂」を担当。飲食店などのキュレーションもおこなう。「Kaorin@フードライターのヘベレケ日記」で日々の食ネタ発信中。
「北欧パビリオン」で過ごすFika(フィーカ)の時間
北欧好きにぜひ足を運んでもらいたいのが、北欧5カ国からなるパビリオン「ノルディック・サークル」。デンマーク、フィンランド、アイスランド、ノルウェー、スウェーデン。この5つの国を一度に旅する気分に浸れるのが大きな魅力。

展示ホールでは、360度の巨大スクリーンが出迎えてくれる。実はこれ、食べられなくなったお米から作られたライスペーパーのスクリーン。北欧の日々の暮らしや、四季折々の動画が映し出されている。

北欧の食文化も体感したい!ということで3階にあるルーフトップテラスへ!

スウェーデン出身の有名シェフのフリーダ・ロンゲさんが率いるレストラン&カフェが「The Nordic Food Bar」。ロンゲさんは北欧と日本のガストロノミーを融合させた独創的な料理に定評がある。例えば北欧の伝統的なサーモンマリネ「グラブラックス」には、味噌のコクをプラス。優しい旨みを放つサーモンに、和の旨みが重なり合い、日本と北欧それぞれの発酵文化が響き合う。

さらには、同ルーフトップテラスでのカフェタイムも見逃せない。スウェーデンの「Fika(フィーカ)」をご存じだろうか。スウェーデン語で「おやつの時間」を意味し、コーヒーを飲みながら甘いものを味わい、友人や家族でのんびりと休憩する時間のこと。

ロンゲさんと一緒にカフェメニューを監修するのは、スウェーデン在住の日本人パティシエ、ヴェントゥラ愛さん。スウェーデンの春の風物詩のお菓子「セムラ」や、ノルウェーのブラウンチーズと一緒に食べる甘じょっぱいワッフルなどを用意。万博を歩き回って疲れたなら、「Fika」らしいゆったりとした時間を過ごしたい。
ちなみに「The Nordic Food Bar」は、予約不要というのもうれしい。
エキゾティックな食体験を。「サウジアラビア王国館」

会場内で屈指の巨大パビリオン「サウジアラビア王国館」には驚いた。外観は一見シンプルなのだが、外壁の石は現地から運んできたという気合いの入りよう!

「サウジアラビア王国館」に入ると、そこはまるでサウジにいるような気分であらゆるコンテンツを体感できる。そのテーマは「新しい発見の壮大な旅」。サウジアラビアの歴史や、急速に進む変革、さらには持続可能な未来へのビジョンに触れる、壮大なスケールは圧倒的。
そんなパビリオンの出口近くにあるレストランが「Irth(イアス)」。サウジアラビアの13の地域から集められた本場の料理を味わうことができる。

サウジアラビア料理とは、米や小麦、羊肉や鶏肉、乳製品を用い、多彩なスパイス使いも魅力。中でもパンは、ゴマをトッピングした、ひよこ豆粉のパン「シュリーク・パン」など、日本では見慣れない食事パンが多いこと。


他にも、サウジ北西部・タブーク地方の沿岸地域で金曜日に食される魚料理「サイヤディーヤ」といった地方の味や、ラマダン期間を中心に食べる「メディニアン・サモサ」(1,000円)など伝統料理も揃う。まだ出会ったことのないメニューにチャレンジしてみては?
2030年にはサウジの首都で「リヤド万博」が開催される。大阪・関西万博からリヤド万博への、わくわくするような旅をリアルに体験してほしい。