〈食べログ3.5以下のうまい店〉

グルメなあの人にお願いして、本当は教えたくない、とっておきの「3.5以下のうまい店」を紹介する本企画。今回はトルティーヤ研究家の吉川さんが教えてくれた、ベッドタウン、武蔵小金井で沖縄の風を感じられる沖縄タコス&タコライスの店を紹介。

本格沖縄フードを気軽に楽しめる地元の人気店

本場沖縄では見かけない具材もあって新たなおいしさに出会える

巷では「おいしい店は食べログ3.5以上」なんて噂がまことしやかに流れているようだが、ちょっと待ったー!
食べログ3.5以上の店は全体の3%。つまり97%は3.5以下だ。

食べログでは口コミを独自の方法で集計して採点されるため、口コミ数が少なかったり、新しくオープンしたお店だったりすると「本当はおいしいのに点数は3.5に満たない」ことが十分あり得るのだ。
点数が上がってしまうと予約が取りにくくなることもあるので、むしろ食通こそ「3.5以下のうまい店」に注目し、今のうちにと楽しんでいるらしい。

JR武蔵小金井駅から徒歩約2分、農工大通り沿いのビル1階。「タコをのせたライスではありません」のメッセージを込めたロゴマークが目印

JR中央線が乗り入れ、新宿や東京駅周辺など都心の主要エリアへのアクセスがいい、東京都小金井市・武蔵小金井。駅前は商業施設や飲食店が多く賑わいがあり、少し離れると閑静な住宅地が広がっている。

この街に店を構える「ムサコ たこぼう’s」は、本格タコライスや自家製トルティーヤの沖縄タコスを、イートインとテイクアウトで気軽に楽しめる店。店主とその母を中心とした家族で店を切り盛りしており、6月でオープン3年目を迎える。現在の食べログの点数は2026年6月時点で3.29。

 

吉川さん

近所でタコス店を調べていて知りました。沖縄タコスはスナック的な感じだと思っていましたが、タコスの種類もカスタマイズも豊富で、ボリューム感もありすごく満足しました。

テーブル12席、カウンター2席の全14席。貸切での利用も多いそう

ビルのやや奥まった場所にあるため、初めて訪れる人は恐る恐る店内を覗き込む……ということもしばしば。しかし、ガラス戸を開けてみれば、店内はこぢんまりとしてアットホームな雰囲気。ふらっと一人で平日ランチ、家族で週末ランチ、夜は居酒屋感覚でビールを片手に、など幅広いシーンで利用でき、地元の常連客から外国人観光客まで、幅広い層から支持されている。

 

吉川さん

こぢんまりしていて入りやすく、店主と調理のお母さんの人柄もとてもよく、料理の話や沖縄の話をするのも楽しいです。テイクアウトがしやすいのも魅力。

外はパリッ、中はモチモチの自家製トルティーヤ

代表の富崎真吾さんと調理担当の母・昌子さん。忙しくなる週末には父や兄、妻が手伝いに来ることも

「うちは料理のこだわりよりも親しみやすい雰囲気や家庭的なサービスが強み。料理はむしろ、いかに手をかけずに付加価値をつけて提供できるかを意識しています」と語るのは、代表の富崎真吾さん。

都心の5つ星ホテルでの修業経験や恵比寿での焼鳥店経営を経て、本場沖縄で魅了されたタコライスをもっと広めたい!との思いで、2024年にこの店をオープン。
「手をかけずに」と言ってもホテル出身シェフだけに、もちろん味は本格派。研究を重ねて現地の味にオリジナリティを加え、老若男女が楽しめるよう考えられたメニューが評判だ。

混ぜて1日寝かした生地をクレープ状に焼いておき、注文が入ってからさっと揚げて提供する

自家製トルティーヤは、直径13cmの小ぶりサイズ。小麦粉と卵、マサ(トウモロコシ粉)のほか、米粉とポテトパウダーを加えることでもちもちとしたコシを出すことに成功。
「自分のイメージするやわらかな食感にするために配合の調整を繰り返し、バランスよくまとまるまでだいぶ時間がかかりました」と富崎さん。

トルティーヤは表裏30秒ずつ、約1分揚げて表面をパリッと仕上げる。やわらかめが好きな人には揚げ時間を半分にする対応も

表面はパリッとしつつ、中はモチモチ。油っぽさを感じさせない自家製トルティーヤが、さまざまな具材の味わいを引き立てている。

 

吉川さん

沖縄のタコスを食べ尽くした店主が作る「進化系沖縄タコス」ですね。

異端ながら味はテッパン!「ガーリックシュリンプのタコス

「自家製トルティーヤの沖縄タコス ガーリックシュリンプ」1ピース480円(タコスのみのオーダーは2ピース〜)、ポテトセット290円

オーソドックスな沖縄タコスの具材といえば、タコミートとチーズ、レタスとトマト。もちろん同店でも「ミートチーズ」は定番人気だが、ほかにもバリエーション豊かな具材を取りそろえ、選ぶ楽しさがあるのも大きな魅力。

中でも人気が高いのが、「ガーリックシュリンプ」。
ニンニクをしっかり利かせた有頭エビをカラッと揚げてあり、甘辛い自家製サルサソースとの相性も抜群。お酒のおともにも最適だ。より刺激を求める人には、辛みを足した「ガーリックシュリンプハラペーニョ」520円も用意されている。

有頭エビを使うことでしっかりした食べ応えに
 

吉川さん

沖縄タコスといえば「タコミートのタコス」が定番ですが、沖縄系トルティーヤのタコスでガーリックシュリンプを具材にしているのは珍しいです。また、ハラペーニョなどトッピングできるのもうれしいポイント。同店のトルティーヤは独自配合で練った後に生地を寝かせたり、焼いてから油で揚げるまでの時間を調整したり、かなりのこだわりがうかがえます。