ファッション誌『mina』や『SPRiNG』などで活躍するモデルでありながら、豪快な飲み方がなんとも男らしい! お酒好きを公言するモデル・村田倫子が、気になる飲み屋をパトロールする連載。「同世代の人にもっと外食、外飲みを楽しんで欲しい!」と願いを込めてお送りする連載29回目は、東京にいながら沖縄旅行気分を味わえる琉球ビストロ「はいさいキッチン」をパトロール。
呑み屋パトロール vol.29「代官山へめんそーれ! 味覚の旅で沖縄気分を満喫したい」の巻
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今年の夏は例年よりセミが張り切って鳴いていた気がする。暑さとコロナを避けて、大抵をお家時間と「スプラトゥーン」に注いだ2020夏。あぁ、このままでは夏が終わってしまう。海が見たい……、日常を隔ててどこかへふらりと旅に出たい……。だけど今はまだ遠出は叶わない。だけど、私たちには喜びをもたらす素晴らしい感覚がある。味覚だ。さぁ、こうしてはいられない。お口をにんまりさせる旅に出よう。
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旅のカケラを求めてたどり着いたのは、代官山「はいさいキッチン」。沖縄では定番の挨拶“はいさい”。そう、ここでは沖縄料理とお酒をたんまりと堪能できる。
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沖縄の温度を感じる可愛らしい店内。外には広々としたテラス席もあり、換気面でも安心して味覚の旅を楽しめる。
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実は、はいさいキッチンのおもてなしは“めんそーれ”だけに留まらない。沖縄料理をベースに「フレンチ」、「イタリアン」の要素を組み込んだ創作料理が楽しめる。“Bonjour!”に“Ciao!”も、こんな欲張りなコラボは珍しい。一度に三カ国の味覚を楽しめるなんて、最高ね。
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まずは「オリオンビール 樽生」700円で乾杯。昼間の熱気の余韻が漂う夕暮れ。キリリと冷えたビールは今日の私にとって贅沢なご褒美。
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乾杯のお供は、「海ブドウと生ハムのサラダ」1,080円。沖縄といえば、海ぶどう。現地でも何度か食べたことはあるが、三杯酢が入った小皿と海ぶどうのシンプルペアが王道。
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だけどここでは、生ハム、メロン、チーズ、オリーブオイルのドレスを着飾った海ぶどうちゃん。こんな洋風におめかしするあなたは初めて。ぷちんぷちんと弾ける食感と、絡まるチーズのコク。リズムよく旨味が弾けてたまらない。まるで、すっぴんだったあの子の不意なメイクアップ姿にどきっとする瞬間のよう。
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「ゴーヤーちゃんぷるー」980円。ごろりと横たわる大ぶりの島豆腐、ビターな味わいを演出するゴーヤ。絡みつく半熟仕立ての卵はそれらに旨味の膜を張り、ちゃんぷるーをワンステージ上へと誘う。
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この色気たっぷりのトロトロちゃんぷるーはかなりクセになる予感……。要素を変えるだけでも、こんな違う一面を見せてくれるのね。実に魅惑的である。
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もちろん、泡盛の種類も充実している「はいさいキッチン」。泡盛を使ったオリジナルカクテルも楽しめる。
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「美ら海」600円。太陽に反射してキラキラと波立つグラスの中の海。澄み切った青と、ほんのりと押し寄せるライチとソーダの甘味にうっとり。自然と沖縄に思いを馳せる。
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こんな夏だって、「なんくるないさ〜」。と、ここで今晩の主役がお出まし。
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以前はイタリア料理店で腕を振るっていたというオーナーイチ押しのメニュー「ゴルゴンゾーラのクリームピザ〜はちみつ添え〜」1,700円。生地は自家製。確かな技術で仕込まれた生地には、沖縄名産「紅いも」が練り込まれている。
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もちもちとした弾力、噛み締める度にじゅわんと染みる紅いもの甘味。完璧なベースの上に君臨するチーズの破壊力、さらなる強化装備の役割を担う蜂蜜……。
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“おいしい”が一丸となってお口が幸せ大渋滞。こりゃ、たまりませんのぉ。もはや夏バテは何処へ……。完全に胃袋エンジンのスイッチが入った。
というわけで、もう一品メインをいただこう。
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「THE ラフテー 〜代官山スタイル〜」1,500円。妖艶に照り輝く大ぶりのラフテー。ほらまたお洒落な着こなしをしちゃって……、いつもよりぐっと紳士的ね。(盛り付けって本当に大事ですね)
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力強い見た目とは裏腹に、さくりほろりと解ける柔らかな肉。赤ワインやバターがほんのりと香り、舌先で肉の旨味が優しく溶ける。
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シークワーサーと泡盛のすっきりとしたカクテル「にーにーさわー」650円によく合う。
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味覚の異文化交流、ドレスアップされた美しい料理、寄り添うお酒。一晩で様々な刺激を演出してくれる、はいさいキッチン。私の胃袋は素敵な旅を終えて大満足。都内に素敵な避暑地を見つけてしまった。また今度、新たな出会いを求めて訪れよう。
※価格はすべて税抜