〈食べログ3.5以下のうまい店〉

グルメなあの人にお願いして、本当は教えたくない、とっておきの「3.5以下のうまい店」を紹介する本企画。今回、餃子のスペシャリスト・塚田亮一さんが教えてくれたのは、ストイック、且つ、自由な発想で餃子のおいしさ・楽しみ方を発信するニューカマーの餃子専門店です。

うまさと驚きの連続! 餃子の新たな楽しみ方を発信する一軒

定番の焼き餃子や水餃子のほかに、旬の野菜を生かした季節の餃子が常時7、8種類楽しめる「ぎょうざ屋 たかく」。店主おすすめのワインとのペアリングも醍醐味!

巷では「おいしい店は食べログ3.5以上」なんて噂がまことしやかに流れているようだが、ちょっと待ったー!
食べログ3.5以上の店は全体の3%。つまり97%は3.5以下だ。
食べログでは口コミを独自の方法で集計して採点されるため、口コミ数が少なかったり、新しくオープンしたお店だったりすると「本当はおいしいのに点数は3.5に満たない」ことが十分あり得るのだ。
点数が上がってしまうと予約が取りにくくなることもあるので、むしろ食通こそ「3.5以下のうまい店」に注目し、今のうちにと楽しんでいるらしい。

東京メトロ、都営地下鉄各線・神保町駅から徒歩約5分の場所にある

古書店、カレー、喫茶店の街として知られる神保町だが、ここ数年はジャンルの枠を超えた小さな“実力派”の飲食店がひしめくエリアとしても再注目されている。

この地に2024年2月にオープンした「ぎょうざ屋 たかく」もその一つ。にぎやかな表通りから路地を入った場所にこぢんまりと佇む同店は、火〜金曜の平日週4日、夜営業のみでありながら、オープン当初から近隣オフィスに勤めるフーディたちから一目置かれる存在だ。ちなみに現在の食べログ点数は3.36(2026年6月時点)。

カウンター10席、2名掛けテーブルが2つの全14席

店内は、木材で統一された和モダンでカジュアルな雰囲気。餃子専門店には珍しくワインのラインアップも豊富なことから女性客も多く、仕事帰りに一人で訪れて、餃子とのペアリングをゆっくり楽しんでいく常連客も多いのだとか。

 

塚田さん

実は2023年秋のプレオープンの段階から、餃子好きの間ではひそかに話題になっていました。ゆったりとしたカウンターで、店主の高久さんと餃子談義をしながら楽しめるのが魅力。それぞれの餃子に合わせてワインなどドリンクのペアリングを提案してもらえるのも楽しみの一つです。

2000回以上の試作を重ね、理想の餃子を追求

餃子の街、宇都宮出身の店主・高久和央さん。前職で培ったマーケティング力や分析力を生かし、緻密な店舗計画を練って開店に至った

店主の高久和央さんは、もともと20年以上にわたりIT業界でエンジニアやコンサルタントとして勤めてきたが、交通事故で九死に一生を得た体験を機に「これからは本当に好きなことに挑戦しよう!」と、長年憧れていた餃子屋への転身を一念発起。

会社員として働きながら300店以上もの餃子店の食べ歩きやお取り寄せであらゆる餃子を分析・研究。比較検討を続けることおよそ8年、2000回以上の試作を繰り返し、自分が作りたい餃子に辿り着き、念願だった自身の店「ぎょうざ屋 たかく」をオープンした。

食材は地元栃木産をはじめ、作り手の顔と思いが見える新鮮でおいしいものを厳選
「スタンダード餃子」以外はすべて高久さんが手作業で包む。味ごとに餡の野菜や肉のバランスを変え、皮は焼き餃子と水餃子で食べる時の食感を鑑みて水分量や厚みに差をつけている

「私にとって餃子は、子どもの頃から家族や仲間と囲む“おいしい・楽しい時間”の象徴でした。なので、あらゆる餃子を研究した結果辿り着いたのは、やっぱり慣れ親しんだ野菜の比率が多い宇都宮餃子の優しい味わい。これをベースに、せっかく東京でやるなら餃子の新しい楽しみ方を提案してみたいと、旬の食材を使って季節感を味わえる餃子や、ワインとの相性のよさなどを発信しています」(高久さん)

同店のこだわりの一つ、餃子で旬を提案する「季節のぎょうざ」は、おおよそ3カ月に一度のペースで内容を入れ替えている

定番メニューの焼き餃子4種、水餃子5種に加え、季節ごとに内容が変わる餃子を合わせると、常時16種類以上が楽しめる同店(※時期によって異なる)。高久さんが一人で作る自家製の皮と餡は、餃子の種類ごとに少しずつ配合のバランスを変えるというのだから、仕込みに週3日かかるのも納得だ。

 

塚田さん

「こんな素材を使った餃子もあるんだ!」と、行くたびに驚くような餃子が楽しめます。高久さんの細部までこだわり抜く餃子への探究心には感心するばかり。「ぎょうざ屋 たかく」は餃子という料理のイメージや楽しみ方を一気に広げてくれる存在だと思います。