【カレーおじさん\(^o^)/の今月のカレーとスパイス】2026年3月を振り返る

3月のまとめです。4月から年度が変わるということもあり、春は出会いと別れの季節だなと感じます。長年ご愛顧いただいた本連載も今月を一旦区切りとし、来月4月の新年度からリニューアル予定となります。

相変わらずカレーやスパイス料理に関する連載となる予定ですが、新連載もどうぞよろしくお願いします。というわけで最後の今月のカレーとスパイス。

1. 大阪カレーの大人気店跡地でスタートした姉妹店は立ち飲み屋

2. スパイス料理の人気店で修業したシェフが南インド料理店をスタート

3. カレー激戦区神保町で長年愛されたお店がドラマチックに再開

4. スパイス二郎系ラーメンと絶品インドカレーの見事な二刀流

以上4トピックス。

どれもこれもおすすめのお店です。そもそもおすすめじゃないお店は本連載ではご紹介していないのですが、今回は最後ということもあり特におすすめのお店を、気合いを入れて厳選しました。カレー好きならすべてブックマーク推奨ですよ。

【第1週のカレーとスパイス】「虹の仏」直伝のカレーが食べられる! 人気カレー店の跡地にスパイス飲みに最適な立ち飲み屋がオープン「立呑 ぶつぶつ」

2026年1月30日にオープンした「立呑 ぶつぶつ」

僕が大阪で一番好きなお店だった「モダンスパイス虹の仏」が東京移転の準備に入るということで一時閉店。その跡地に2026年1月30日から新たに入ったのが「立呑 ぶつぶつ」。

店内の黒板メニュー

文字通り立ち飲みのお店なのですが、お店のロゴやグッズなどを見ると「ぶつぶつ」というのは「仏仏」にかけてある様子。ということは虹の仏と関係あるのかと聞いてみると、メニューの多くを虹の仏のオーナーシェフが手がけて伝授したそうで、姉妹店的な立ち位置のお店とのこと。

カウンターに並ぶスパイス酒
「スパイス焼酎」

スパイス酒も各種そろっており、まずは「スパイス焼酎」650円で乾杯。爽やかな飲み口でほのかな甘みがさまざまなアテと相性良好。

「イカのネパールマリネ」

「イカのネパールマリネ」580円はチャットマサラを使用したエスニックテイスト。柔らかいイカと香味野菜の組み合わせ。サラダ感覚で味わえます。

「毛沢東えだまめ」

「毛沢東えだまめ」380円は毛沢東スパイスとも呼ばれるザクザクした食感の旨辛スパイスで枝豆を調理したもの。癖になる味わいで箸が止まりません。

おでんは「王道大根」「牛すじ」「じゃがバター」「菜の花」をチョイス

また、おでんもおすすめ。「王道大根」200円、「牛すじ」200円、「じゃがバター」200円、「菜の花」200円という組み合わせでいただきましたが、実に濃厚で煮込みにも近いテイストなのがとても良いです。

「豚ホルモンカレー」

〆はもちろんカレー。この日のカレーは「豚ホルモンカレー」480円でした。アテとしてそのまま食べるも良し。「ご飯」300円と合わせてカレーライスにするも良し。ホルモンのうまみを引き立てる程よいスパイス感でご飯とも合います。

「虹の仏」直伝のカレー

専門店レベルという以上に人気店レベルのおいしさなのは、大阪カレー界を代表する人気店「虹の仏」直伝だからこそ。

オープン早々、お店は既に満員の人気店に!

立ち飲みというスタイルなので、サクッと1軒目で使うのも良いですし軽い夕食の場として使うのも良いでしょう。

オープンしたばかりですが、店内は満員の人気でした。カウンターに立つスタッフさんが愛想よくてフレンドリーなこともあり、老若男女に愛されるお店になっています。

良いお店の後にまた良いお店が入ってくれて安心しました。

【第2週のカレーとスパイス】実力派シェフが独立! カレーの名店が点在する経堂に注目の新店が誕生「楽園」

2026年2月27日、経堂にオープン

カレーの名店が点在する経堂に、2026年2月27日、期待の新店舗が開店しました。その名は「楽園」。

取材日のメニュー表

こちらのシェフは「旧ヤム邸」をはじめ、いくつかの人気店で勤務した後に各地で間借り営業をしていた方。人気店での間借り経験もあり、つまりは人気店のシェフにも認められた腕の持ち主だということ。そんな方が独立して出したご自身のお店ということで期待も高まります。

店内の様子

カウンターメイン、小さなテーブルが1つのミニマルながら至る所にインドをおしゃれに感じさせる店内。キッチンが近いこともあり、席に着けばスパイスの良い香りが鼻腔をくすぐり、食欲に火がつきます。

お肉カレー2種+野菜カレーのプレート

メニューは時期によって変わる模様。この日はチェティナードチキン、フィッシュコランブ、キーライクートゥの3種でした。全部一緒に味わえるお肉カレー2種+野菜カレーのプレート(1500円)を注文。

キーライクートゥ

まずキーライクートゥから味わってみるとこれが絶品! 豆とほうれん草のシンプルなココナッツカレーなのですが、良い意味で上手に日本ローカライズされたテイストでしっかりと印象に残る味。野菜カレーが上手なシェフはだいたいどのカレーもおいしく作れるというのは僕の経験から来る持論ですが、このキーライクートゥはまさにそれを想起させるもの。

チェティナードチキン

多層的なスパイス感が程よく刺激的なチェティナードチキン、タマリンドを前面に押し出した鯵のコランブ、どちらも予想通りのおいしさなのですが、両者に言えるのはスパイス感も塩加減もこれ以上攻めたらやりすぎになるギリギリ一歩手前で止めているというバランス感。

鯵のコランブ

それに対して優しいクートゥ。クートゥと他のカレーを混ぜて食べると新たなおいしさが生まれます。セットはノンベジ1種+野菜カレーもしくはノンベジ2種+野菜カレーのいずれかなのですが、それもこのバランスを考えての設計でしょう。

カレーを混ぜて味変も楽しめます

食後に「マサラチャイ」300円も。これがまた実においしい。しっかりと甘さがあるのですが、スパイス感しっかりなカレーの後によく合います。

「マサラチャイ」

期待して行ったのですが、その期待以上でした。付近の人気店に負けないレベルの名店候補と言えます。近隣の方にとってはうれしい選択肢の増加。いや、近隣じゃなくともわざわざ行く価値のあるお店なので、カレー好きにとってうれしい選択肢の増加だと言えるでしょう。

【第3週のカレーとスパイス】神保町で36年愛された名店が「欧風カレー ペルソナ」として西台で大復活!

神保町で36年という長い期間愛され、2019年に移転を目指すということで一時閉店した欧風カレーの名店「ペルソナ」。その後しばらく続報もなかったのですが2026年1月14日に西台で「欧風カレー ペルソナ」として復活しました。その休業期間もさることながら、復活した場所が西台で長年愛された欧風カレーのお店「ラ・ファミーユ」があった場所と聞き、驚きが重なりました。

2026年1月14日、西台にオープン

というのも、このラ・ファミーユは神保町ペルソナで働いていた方が独立して出したお店。つまり両者は姉妹店的な関係性で、ドラマチックな出来事だと言えるでしょう。

神保町の欧風カレーの店が西台の欧風カレー店跡地で復活というドラマチックなストーリーがさらにカレーをおいしく感じさせます

これだけ期間が空いたのは、移転先を探していた中でコロナ禍に突入しその予定が見送りとなったものの、数年の時を経てラ・ファミーユの閉店が決まり、それを受け継ぐ形でペルソナが復活したとのこと。

店内の装飾がクラシックな雰囲気を演出

店内はラ・ファミーユ時代の面影を感じさせつつ、ペルソナらしく仮面も装飾されていて良い雰囲気。

メニュー表

選べる具材の「ダブルミックス カレー」1,600円に「チーズ」200円をトッピング。具材はビーフとチキン、辛さは中辛で注文。

ポテトのサービス付き

まず正統派欧風カレーのお店らしくポテトがサーブされます。1人1つの提供ですが、1つまでおかわりができるとのこと。量が調整できるのはうれしいです。

「ダブルミックス カレー」に「チーズ」をトッピング

続いてカレー。一口食べて「これこれ!」と郷愁を感じるおいしさ。濃厚で豊潤でありつつ程よくスパイシー。具材もゴロゴロと入っていて食べ応え十分。

ゴロゴロ入った具材が満足感をアップしてくれます

チーズは、重すぎずライトな仕上がり。カレーのフルーティーさをしっかりと感じさせつつ、全体として軽やかでソリッドな印象が際立ちます。お手頃な価格設定も魅力で、その洗練された味わいを気軽に楽しめるのがこの店の良さでしょう。

卓上のらっきょうと福神漬けは箸休めにぴったり

途中、卓上の福神漬けやらっきょうといった箸休めを加えつつ最後までおいしくいただきました。元々ラ・ファミーユはペルソナから派生したお店ということで味が近かったのですが、つまりはペルソナの味もラ・ファミーユの味も守られたということになります。

どちらのお店のファンにもうれしいことであり、新天地でまた長年愛されるお店となっていくことでしょう。

【第4週のカレーとスパイス】小田原で見つけた、二郎系スパイスラーメンとインドカレーの店「Hasuna スパイスラーメンとインドカレー 」

僕は1年365日、ほぼ全食が外食で毎日何らかのカレーをお店で食べる日々を送っています。まだあまり知られていない隠れた名店を探すのがライフワークとなっているのですが、そんな中でもおいしいお店に出会うことは少なからずあるものの「これは凄い!」と興奮するお店と出会える確率は減ってきます。

2025年6月15日、小田原にオープンした「Hasuna スパイスラーメンとインドカレー」

今回ご紹介するのは久しぶりに「これは凄い!」と興奮したお店。神奈川・早川駅近くで2025年6月15日にオープンした「Hasuna スパイスラーメンとインドカレー」です。

店舗の目の前は海

店名にある通りスパイスラーメンとインドカレーのお店。海の近くにあるのですが、店内からは海岸線も見え、店内も海をイメージさせる爽やかな空間。まさかここでインドカレーはまだしも、二郎系スパイスラーメンが味わえるとは思いもよりません。

店内はブルーを基調とした爽やかな雰囲気

と、さらっと書きましたがこちらのお店、スパイスラーメンといっても二郎系という超個性派。この組み合わせからして他に類を見ないものとなっています。

看板メニューは、インドカレー×二郎系スパイスラーメン!

せっかくなのでスパイスラーメンもインドカレーも味わえる「ミニカレーセット」1,500円を「豚まし」250円で注文。麺を選べるのですが、おすすめの極太麺にしました。

「ミニカレーセット」を「豚まし」でオーダー!

まずスパイスラーメン。自家製の極太麺は噛みごたえある食感で、噛んでいくほどにほのかに小麦の香りも立ち上がってきます。スパイスは仕込むごとにホールスパイスをローストしてミルでひいたものを使うという手の込みよう。ポピーシードやフェンネルも香り、チェティナードを感じるスパイスの香りは小麦の風味を消すのではないかと思われがちですが、それに負けない極太麺だからこそ香りの共存ができています。

ラーメンにのるのは海苔ではなく、パパド!

そして豚が良い。柔らかすぎず硬すぎない絶妙な食感で、スパイス豚骨醤油スープとよく合います。二郎で言うところのヤサイもキャベツともやしの量のバランスも火入れ具合も程よく、パパドがあしらわれているのも実に楽しいです。

麺は極太と細めの2種類から選べます

僕は今でこそ毎日カレー生活を送っているのですが、若い頃は二郎系ラーメンも好きでよく食べていました。そんな僕からしても今まで食べた二郎系の中でもトップクラスに好みだと感じるスパイスラーメンに大興奮。

しかしそこで興奮は終わりません。カレーです。この日のカレーはブナチキン。米を選べるということでバスマティライスにしたのですが、一口食べてその本格的なおいしさに驚きました。スパイス加減、塩加減、油加減、すべてが絶妙で、全国の人気カレー専門店に肩を並べるレベルのおいしさなのです。

取材日のカレーはブナチキン

途中でカレーを少しスパイスラーメンに加えて食べてみたり、豚とカレーライスを合わせて食べてみたり、セットだからこそ徹頭徹尾楽しくておいしい。これは凄い。

お会計の際に一体どこで修業されたのか聞いてみると、武蔵新城の「ラーメン ゼンゼン」で約4年、そして銀座の「グルガオン」をメインに「カイバル」(閉店)や「ダバインディア」(閉店)と、チョティワラ系列のお店で7年半働いていたと聞いて納得と共にさらなる驚愕。チョティワラ出身の名店は少なからずありますがどれもインド料理をメインとしたお店で、ラーメンと組み合わせるのは唯一無二。どちらにも深い愛があるからこそでしょうし、だからこそどちらも突出したおいしさとなっているのだなと感動しました。現在土日祝の昼のみの営業とハードルが高いのですが、6月から平日営業もスタートするそうです。

「私自身がどうしても食べてみたくてたどり着いた執念の味です。本気の低加水極太麺とインドカレーとの調和を楽しんでいただけるとうれしいです。カレーだけも大大大歓迎です」とシェフ。

東京からは少し遠いのですが、遠路はるばる行く価値のある新名店です。

食べログマガジンで紹介したお店を動画で配信中!
https://www.instagram.com/tabelog/

※価格はすべて税込

文:カレーおじさん、食べログマガジン編集部

撮影:カレーおじさん