フードライターの森脇慶子さんが、オープン間もない新店から「いま訪れるべき良店」を厳選。トレンドに流されない確かな審美眼で、グルメならチェックしておくべき注目店をまとめて紹介します。

森脇慶子が注目する新店

1. TORCH(東京・六本木)

外観
外観   写真:お店から

薪焼きも最近ちょっと一段落と思っていたら、また一軒、気になるビストロがオープンしました。六本木・飯倉の人気薪焼きフレンチ「Metis」の姉妹店「TORCH」がそれ。この4月20日、東京ミッドタウン近くでスタート。予算にして3〜5万円はかかる本店に対し、こちらは飲んで食べても1万円前後と、予算もグッとお手頃になっています。しかも、コースは設けず、アラカルトオンリーという自由度の高さ! 使い勝手も良さそうです。

スペシャリテの「黒毛和牛A5クリミ『スティックアッシェ』&漬け真っ赤卵」4,950円
スペシャリテの「黒毛和牛A5クリミ『スティックアッシェ』&漬け真っ赤卵」4,950円   写真:お店から

料理監修は、本店「Metis」の鈴木昌嗣シェフ。曰く「“スティックアッシェ”のような『Metis』では出したくても出せなかった料理を提供できる店が欲しかったんです。日常使いに便利な店作りが目標です」とのこと。とはいえ、薪焼きが看板なのは本店と同じ。“黒毛和牛クリミA5“や“鰹の薪焼き“、“アオリイカの薪焼きとドライトマトのリゾット“等々、さまざまな料理に薪焼きがさりげなく大活躍。TPOに合わせて使いこなせそうです。

2. Arcadia(東京・赤坂)

内観 写真:お店から

使い勝手の多彩さなら、赤坂にオープンした「Arcadia」も然り。4月10日にオープンした大人のワインバーです。当初は紹介制としてスタートしましたが、現在は一般にも開放。とはいえ、照明を落とした重厚感のある内装は、いかにも隠れ家。お忍び感も満点です。ワインはクラシックワインが中心だそうで「古酒をグラスでリーズナブルに楽しめること。これが同店の特徴でしょうか。お客様の生まれ年のワインやヴィンテージワインももちろん揃えております」と語るのは、オーナーソムリエの進藤幸紘さん。

希少なワインが楽しめる 写真:お店から

例えば、希少なメルキュレの「クロ・デュ・ロワ 1984」といった1980年代のワインが3,000〜4,000円台で味わえるなど相場より2〜3割安く飲めるとあれば、ワイン通には見逃せないところでは? また、ワインバーとはいえ料理も本格派。腕を振るうは、弱冠22歳の山田優馬さん。“キャロットラペ”や“ラタトゥイユ”のような軽いつまみから、ハンバーグやステーキといった空腹を満たすものまで抜かりはない。おすすめは“ナポリタン”。ケチャップを控え、自家製トマトソースを多用したモダンで懐かしいおいしさです。

「ナポリタン」 写真:お店から

3. 元麻布 ささ野(東京・麻布十番)

ディナーの「鮨割烹コース」「天ぷらコース」ともに19,712円(税・サービス料12%込)
ディナーの「鮨割烹コース」「天ぷらコース」ともに19,712円(税・サービス料12%込)   写真:お店から

美食エリアとしてすっかり定着した麻布十番界隈。その外れにひっそりと暖簾を掲げたのが、ここ「元麻布 ささ野」。寿司割烹と天ぷら、江戸前を代表する2つの料理を1つの空間で堪能できる独特なスタイルの和食店です。それぞれ別室にカウンター席が設けられており、寿司は白木を基調とした静謐なしつらえが印象的な反面、天ぷらの方は、銅鍋の存在感が臨場感を誘うダイナミックな趣。前者は6席、後者は7席とコンパクトな室内は、気のおけない人との食事にもピッタリでしょう。

寿司職人・渡邉ひかるさん
寿司職人・渡邉ひかるさん   写真:お店から

どちらも“気を衒わず素材感を生かした王道の味“がコンセプト。寿司を担当するのは数々の有名寿司店や日本料理店で研鑽を積んだ気鋭の女性寿司職人・渡邉ひかるさん。繊細な包丁さばきから生まれるたおやかな握りが魅力です。また、天ぷらを担うのはシンガポールなど海外経験豊かな橋本竜児総料理長。軽やかでモダンな味わいの天ぷらが好評です。

4. CRAFT NOODLES はしづめ(東京・広尾)

「しっとり鴨ローストの醤油スープ麺」2,200円
「しっとり鴨ローストの醤油スープ麺」2,200円   写真:お店から

4月6日、麺専門店「CRAFT NOODLES はしづめ」としてリニューアルオープンしたのは、広尾の中華「はしづめ」。“最高の麺を”というコンセプトのもと、用意された麺は8種類。季節のさくら麺をはじめ、山椒麺やごぼう麺、生姜麺などなど個性的な麺の数々から、ゲストが好みの麺を選ぶシステムです。

「海老とキノコの辣油クリーム和え麺」1,800円
「海老とキノコの辣油クリーム和え麺」1,800円   写真:お店から

メニューは8種類を用意。スタンダードな“蒸し鶏とねぎのやさしい塩スープ麺”1,800円から“真鯛昆布締めと抹茶の和え麺”2,000円まで、王道あり、アレンジありとバラエティ豊かに揃っています。更には、組み合わせる麺の種類によって味わいはより多彩に。担々麺には山椒麺、“海老とキノコの辣油クリーム和え麺”には刀削麺を選ぶ等々、カスタマイズしてオリジナルの一品を作るのも一興。自分好みの一杯をぜひ。

5. 焼肉ホルモン金樹 別館(東京・赤坂)

「特選生タン塩」3,278円
「特選生タン塩」3,278円   写真:お店から

料理人のファンも多い赤坂の名店「焼肉ホルモン 金樹」が「はなれ」に続いて「別館」をオープン。4月25日、本店の2階に誕生した新店は、シックで落ち着いた空間も魅力の一つです。もちろん、芝浦や秋田(店主・高山さんの秋田の実家も焼肉店)など厳選したルートから仕入れる肉のクオリティはそのまま。ゆったりと落ち着いた雰囲気の中、希少部位を楽しめます。

「和牛ユッケ」1,980円
「和牛ユッケ」1,980円   写真:お店から

しなやかな歯応えと旨み溢れる“特選生タン塩”3,278円、新鮮このうえない“上レバー”1,320円に“スペシャルハラミ” 4,290円、そして名物“コサリスープ”1,045円と定番の味は健在。加えて「ここでは、生肉のメニューも打ち出していきたい」と語る店主の高山樹延さん。その言葉通り、“塩ユッケ”といったニューフェイスも本日のおすすめメニューに登場。新たな美味にも出会えそうだ。

教えてくれた人

森脇 慶子

「dancyu」や女性誌、グルメサイトなどで広く活躍するフードライター。感動の一皿との出合いを求めて、取材はもちろんプライベートでも食べ歩きを欠かさない。特に食指が動く料理はスープ。著書に「東京最高のレストラン(共著)」(ぴあ)、「行列レストランのまかないレシピ」(ぴあ)ほか。

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※「食べログ」に掲載されている情報をもとに、料理名・金額等を掲載しております。 営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、最新の情報はお店のSNSやホームページ等で事前にご確認をお願いします。 

文:森脇慶子、食べログマガジン編集部