〈食べログ3.5以下のうまい店〉

グルメなあの人にお願いして、本当は教えたくない、とっておきの「3.5以下のうまい店」を紹介する本企画。今回は、餃子のスペシャリスト、塚田亮一さんが教えてくれた、大人の女性たちが足繁く通う点心の店を紹介。
鶯谷では異色!? 女性が集う点心の店

巷では「おいしい店は食べログ3.5以上」なんて噂がまことしやかに流れているようだが、ちょっと待ったー!
食べログ3.5以上の店は全体の3%。つまり97%は3.5以下だ。
食べログでは口コミを独自の方法で集計して採点されるため、口コミ数が少なかったり、新しくオープンしたお店だったりすると「本当はおいしいのに点数は3.5に満たない」ことが十分あり得るのだ。
点数が上がってしまうと予約が取りにくくなることもあるので、むしろ食通こそ「3.5以下のうまい店」に注目し、今のうちにと楽しんでいるらしい。

歴史ある寺院や文化施設が点在し、落ち着いた雰囲気が漂う一方で、ホテル街など雑多なエリアもある東京・鶯谷。飲食店では居酒屋や町中華の店が多く見られるが、そんな中、明らかに趣が異なるのが、南口から徒歩1分の場所にある「点心すや」(食べログ点数は2026年4月時点で3.38)。小規模ながら大人の女性たちが足繁く通っているという、知る人ぞ知る人気店だ。

塚田さん
都内の新店情報を調査している中で、調理専門学校の先生が点心専門店を立ち上げたことを知り興味を持って訪問しました。餃子を中華鍋で焼くというのは初めて見たので驚きました。細かく刻まれた美しいひだと揚げ焼き気味にサクッと仕上げた軽い食感が印象的でした。

カウンターメインのコンパクトな店内は、バーのような雰囲気。中国料理の店は一般的に赤のイメージがあるが、こちらではカウンター下やナプキンなど随所にブルーを取り入れることで、リラックス感がありながらも洗練された印象を受ける。女性一人でも心地よく過ごせる空間造りを意識したという。


塚田さん
点心専門店としては珍しいカウンタースタイルのお店です。多彩な点心を少量ずつ出してくれるので、一人でもグループでも楽しめます。お酒も充実しているので、点心とのペアリングが楽しめるのも魅力です。
腕を振るうのは調理専門学校の元講師コンビ

店を切り盛りするのは、代表の安元晋吾さんと、店長の須田智尋さん。2人は通りを挟んですぐ目の前にある調理専門学校の卒業生であり、元職員。卒業後10年ほど職員を務め、一度はそれぞれ別の企業に勤めたものの再合流。ともに中国料理が専攻だったことから中華の店を始めることに。
「どんな店にしようかと考えた時に、このエリアに多い町中華の店と同じことをしても仕方ないよねと。じゃあ女性一人でも楽しめる点心にしようと。飲み物は点心と相性がよく、誰でも親しみやすい柑橘系のサワーをメインにしました」(安元さん)

女性一人での来店でも気兼ねなくいろいろなメニューを楽しめるよう、点心のメニューは基本的に1人前2個の少量盛り。また、点心から一品料理まで手作りにこだわり、旬の素材を取り入れた季節限定メニューも用意している。
「既存の中華料理に自分なりのアレンジを加えて、他では食べられない料理に仕上げるのを大切にしています。また食べ疲れせず、食べるほどに食欲が湧くような味が理想です」と、須田さん。
こうしたコンセプトが評判を呼び、2022年のオープン以来、女性を中心に年々リピーターも増えているという。

多彩にそろう点心の中でも「焼き餃子」は皮から手作り。練る際に熱湯を加えて糊化させることで、もちもちとした食感を出している。また、強力粉と薄力粉、さらに少量の米粉を加えることで焼き目がパリッと軽い食感に仕上がる。
メニューはアラカルト中心だが、人気メニューを組み合わせた「まんきつセット」5品3,600円や、予算に応じたコースも対応している。

塚田さん
同店でしか食べられないクリエイティビティあふれた点心が楽しめます。点心技術もしっかりしていて、見た目でも味でも客を驚かせてくれます。
