【噂の新店】「山本料理店」

8席は予約必須のニューカマー

京都市営地下鉄五条駅より徒歩5分のところに、大正2年に建築されたクラシカルな町家「湯浅会館」がある。立ち飲みやビストロなど名店がひしめくその2階に、今年3月、焼鳥店がオープン。早くも予約が取れないと評判の人気店だ。

「湯浅会館」は2024年に飲食店の集まるニュースポットとして誕生
6軒のブースに分かれ、名店が揃う
カウンター8席のみの小ぢんまりとした空間

店主は、京都で人気の焼鳥店「wabiya」で20年以上腕を磨いた山本浩巳さん。「焼鳥は部位ごとに火入れ具合が異なっていて面白い。炭もなかなか言うことをきかないので、とことん可愛がるようにしています!」と笑う。独立の際、お客様との距離の近いカウンターの小さい店を探し、今の物件と出合ったとのこと。「焼鳥以外にも一品料理に力を入れたいので、店名をあえて“料理店”としました」と話す。鶏は丹波黒どりや京赤地どりを部位ごとに使い分けているそう。

店主の山本浩巳さんの気さくな雰囲気も人気の理由
20年の技術を駆使した串打ちが最も時間を割く作業とのこと。「塩加減もポイントですよ」
 

門上さん

信頼できる製麺所の社長からの推薦で訪れました。鶏や野菜の生産地を選び、それをカジュアルな価格で提供しています。

いただけるお料理はこちら!

料理はアラカルトがおすすめ。焼鳥はもも肉、砂ズリ、かわなど定番の部位から、ネクタイ、背ぎもなど数量限定の部位まで揃う。一品料理は、蒸し鶏や炸鶏(ザージー)、地鶏のタタキなど多彩な鶏料理が目白押しだ。

まずは、焼鳥から。手羽先は開いて焼くことで食べやすさを求めたそう。皮目をパリッと焼き上げ、裏返したのちは焼き過ぎないように注意しているとのこと。

「手羽先」420円
 

門上さん

開いて焼いてあるので食べやすい。しゃぶりつき豪快に!

数量限定のつなぎは、レバーと心臓を繋ぐ部位。コリコリとした食感が魅力だ。

「つなぎ」380円
 

門上さん

香りとコクが素敵です。

鴨肉と鶏肉をミックスしたつくね。大葉と白ネギも使用し、甘すぎないタレが左党にはたまらない。

「つくね」480円
 

門上さん

ボリュームありで、うれしい。

一品料理からは、炸鶏。北京ダックのように飴がけして焼き揚げた鶏肉に、八丁味噌、芝麻醤、白ネギ、ショウガ、中国酒などを使った奥行きある味わいの香味味噌をつけていただく。

キッチンでは鶏が乾燥中
「炸鶏」1,380円

〆に最適な鶏煮込みそば。鶏ガラやモミジなどを6時間煮込んだ、とろっとした白濁スープを塩のみで味付け。具は細かくした手羽先とネギとシンプルながら、滋味深い。麺は麺屋棣鄂製。

「鶏煮込みそば」900円
 

門上さん

締めには必ず頼みたい麺です!

末永く続けられる店を

酒類はビールや焼酎のほかに、ソムリエ資格を持つ山本さんがセレクトしたワインもスタンバイ。「常連さんが飲んで食べてゆっくりできるような、末永く続けられるお店にしたいです。どちらかと言えば“ぬるい”感じで」と山本さんは笑顔でこれからについて話してくれた。

狭い店ながらの、音や香りの臨場感も魅力
 

門上さん

焼きの状態が的確。小さなカウンターのみの店ですが、オーナーのホスピタリティが素晴らしいです。

教えてくれた人

門上武司
1952年大阪生まれ。関西中のフランス料理店を片っ端から食べ歩くももの足らず、毎年のようにフランスを旅する。39歳で独立し「株式会社ジオード」設立後はフードコラムニストというポジションにとどまらず、編集者、プロデューサー、コーディネーターとマルチに活躍。関西の食雑誌「あまから手帖」編集顧問であり、全日本・食学会副理事長、関西食文化研究会コアメンバー。著書には「食べる仕事 門上武司」「門上武司の僕を呼ぶ料理店」(クリエテ関西)、「京料理、おあがりやす」(廣済堂出版)、「スローフードな宿1・2」(木楽舎)、など。年間外食は1,000食に及ぶ。

※価格は税込。

文:木佐貫久代
撮影:福森公博