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今回は、6品種を食べ比べできるディナーコース(8,800円)からご紹介。とんかつをコースで提供する理由は「どの1切れも最高の温度帯で食べてほしいから。1枚で提供すると、5切れ目はベストでなくなってしまいますよね」とのこと。

まずはコース序盤に供される、ヒレカツサンド。ヒレカツは主に三元豚を使用。今回の銘柄はオリーブ豚。衣はあえてガリッと揚げて、焼かずに使用するやわらかいパンとの食感の対比を狙った。ソースは野菜やケチャップ、ウスターソース、練乳を煮詰めて作成。キャベツとマヨネーズも挟み込む。お土産にテイクアウト(1,800円)も可能。

「たぬき色」に揚がったヒレカツの上にマヨネーズで和えたキャベツをトッピング
ヒレカツサンド
 

門上さん

豚肉のさっぱり感を楽しめます。

ロースかつをリブロースとロースの部位で食べ比べ。今回は、珍しい原種のあわ雪ポーク(銘柄豚)を使用。色が濃いのがリブロース。

ロースかつ
 

門上さん

あわ雪ポークの脂身の優しい甘さが魅力。まずは塩でその味わいを知りたいですね。

ヒレかつ2種を食べ比べ。「うさぎ色」は、やわらかくあっさりした三元豚(銘柄は茶美豚)。「きつね色」は、濃い味わいのデュロック。

ヒレかつ2種
 

門上さん

銘柄によって香りも味わいも異なることを実感!

コース終盤で味わえる、ミニミンチかつ丼。中ヨークシャーとバークシャーを使い、脂身も入れて、粗びき&絹びきのミンチにし、カツに。紅麹の粉末を練り込んだパン粉をまぶして揚げた。ご飯に、たくあん、ネギ、炒りごま、ミンチかつをのせる。タレは特製で天つゆをイメージした。ミンチカツをつぶしながらいただく。

ミニミンチかつ丼
 

門上さん

かつ丼の概念が変わりますよ。

もっと豚肉の価値をあげたい!

「いろんな国の人にとんかつを食べてほしいですね。品種を土台にしたのは、外国の人にも共通だからなんです。以前、スペインでとんかつを揚げたこともあって、そのとき驚くほど喜んでいただきました! とんかつはわかりやすく、幸福度の高い食べ物。だからこそ、日本の文化として海外にも通用すると思います」と川端さんは話す。さらに「もっともっと、豚肉の価値が上がればうれしいですね。そうなれば生産者さんにも躊躇なく、高品質の豚を育てていただけます。そのために、今後も豚肉の価値と可能性を広げる店を展開していきたいですね!」と。次の展開も見逃せないが、まずは、このとんかつコースを、ぜひ。

「しゃぶしゃぶも面白いし、豚肉をフィーチャーしたお好み焼きもやってみたい」 と豚肉愛が尽きない川端さん
 

門上さん

まずこれだけ多彩な豚の種類があるのかということに驚き、とんかつの可能性を感じる味わい。品種、部位、温度帯で味わいの変化があります。

教えてくれた人

門上 武司

1952年大阪生まれ。関西中のフランス料理店を片っ端から食べ歩くももの足らず、毎年のようにフランスを旅する。39歳で独立し「株式会社ジオード」設立後はフードコラムニストというポジションにとどまらず、編集者、プロデューサー、コーディネーターとマルチに活躍。関西の食雑誌「あまから手帖」編集顧問であり、全日本・食学会副理事長、関西食文化研究会コアメンバー。著書には「食べる仕事 門上武司」「門上武司の僕を呼ぶ料理店」(クリエテ関西)、「京料理、おあがりやす」(廣済堂出版)、「スローフードな宿1・2」(木楽舎)、など。年間外食は1,000食に及ぶ。

食べログマガジンで紹介したお店を動画で配信中!
https://www.instagram.com/tabelog/

※価格は税込。

文:木佐貫久代
撮影:東谷幸一