〈今夜の自腹飯〉

予算内でおいしいものが食べたい!

食材の高騰などで、外食の価格は年々あがっている。一人30,000円以上の寿司やフレンチもどんどん増えているが、毎月行くのは厳しい。デートや仲間の集まりで「おいしいものを食べたいとき」に使える、ハイコスパなお店とは?

都会の大人たちを癒やす、フランスの郷土料理を提供するビストロ

自家製のシャルキュトリーなど、酒がすすむ逸品が並ぶ。

六本木駅から徒歩5分、西麻布方面に向かう六本木通り沿い地下1階にある「ビストロ マ・キュイジーヌ (BISTRO Ma Cuisine)」は、大人の雰囲気が漂うビストロだ。バーのような落ち着いた空間のなかで、丁寧につくられた料理をいただける。メニューはアラカルトのみで、フランスの郷土料理や大衆料理が50種ほど揃う。シンプルな品だからこそ最高の食材を取り寄せ、それを最大限にいかすための労力を惜しまない姿勢を感じる。そして何より、酒によく合うものばかりなのがうれしい。

階段を下りて扉を開けると、バーのような落ち着いた空間が広がる。ワインを片手に持った、陽気な豚のロゴマークが目印。

オーナーシェフの池尻綾介さんは、「白金 シェ トモ」、「ラ・ピッチョリー・ド・ルル」で料理長を務めた後にフランスに渡り研鑽を積み、帰国後も「メゾン ポール・ボキューズ」などで腕を振るってきた実力派である。ビストロも高級フレンチも経験した池尻さんが、自身の城として構えたのは、働きざかりの大人たちが夜遅くまでおいしい料理と酒を手軽に楽しめる“深夜食堂”だった。2019年11月にオープンして以来、舌の肥えた都会の大人たちを満足させ続けている。