2023年10月、大阪・京橋の住宅街に、料理と串揚げがコースでいただける店がオープンした。同じ道沿いにあり、隠れ家風の店で上質な寿司が味わえると評判の「すし処 広川」の新展開だという。

3人の料理人の集大成

京阪電鉄、JR、Osaka Metro「京橋駅」から飲食店が並ぶアーケード商店街をぬけて、住宅街へ。5分も歩けば、木の揺れる洋館風の一軒家に出会う。小さな看板には「Rapport」と書かれている。ここは「すし処 広川」の盛岡博嗣さんが、異ジャンルのふたりの料理人とタッグを組んで始めた、串揚げ店だ。「おじさん3人の集大成です」と盛岡さんは笑う。

「寿司屋と仕入れは同じで、ネタと同じ魚介を揚げます。同じ魚でも違った食べ方をお客様に楽しんでいただきたくて」と話すのはシェフの石原慶之さん。北新地でフランス料理店「ゴロンドリーナ」を営んでいた人物だ。「移転を考えていたときにタイミングが合って」とのこと。もう一人の料理人は北條哲也さん。イタリア料理を中心に経験し、ワインバー「Base」でシェフを任されていた。ふたりとも専門的な串揚げの経験はなく「今は試行錯誤の毎日。素材ごとに温度や衣などが変わるので、しっかり追求していきたいですね」と話す。

左は北條哲也さん、右はシェフの石川慶之さん。北條さんは還暦を過ぎてのチャレンジだ

料理はコース2種。前菜、スープ、箸休め、ご飯、デザートなどが入った串揚げのコースで、串が15本の場合は8,800円、20本で11,000円。魚介は鮮度、品質ともにいいものを使っているのでストレートで、肉類はひと工夫を施した串が多いと話す。揚げ油はオランダ産ラードと綿実油を使用。「軽く揚げたいことと、酸化せず臭いが立たないような油を選びました」と石原さん。カウンター8席のほかに、個室(~5名)もある。