メインの肉料理は牛ではなく……
肉料理は、武雄の猪で、肉もさることながら、ラルドのスパイス焼きがおいしい。
そして締めは、卵白の麺を使った、夏野菜のラグーだった。力強い夏野菜の凝縮した味わいと、淡い麺との出会いが、たまらない。
その他、コハダのカラスミと合わせた馬渡島の甘鯛は、メロンのような香りがする蓮芋と炒めたツルナと合わせる。
すももとホエーのムース、グレープフルーツジュースを合わせたデザートも素晴らしい。
食いしん坊は、貪欲である。
ただおいしい料理ではなく、いろいろな食材の未知なる魅力を、いつも追い求めている節がある。
美食知的好奇心とでも言おうか。
その好奇心を満たして、幸せを運ぶ料理が、ここにはある。