6. ひと味もふた味も違うブイヤベース

Lethe(レーテ)

2022年3月にオープンした、南仏で修業したシェフによるビストロ「Lethe(レーテ)」。驚くほど濃厚でボリュームもたっぷりな、郷土料理のブイヤベースやカスレが人気だ。

「ブイヤベース」3,980円 写真:松村宇洋(UP SPICE)

「ブイヤベース」は、魚介類と香味野菜を煮込んだスープだが、同店のものはひと味もふた味も違う。スープは、その日に処理されたばかりのアラだけを使い、数時間かけて煮込む。最初の水分量から10分の1になるまで煮詰めることで旨味が凝縮。さらに出汁をとったロブスターなども殻ごとゴリゴリと、しかし丁寧に濾すことで“旨味のもと”すべてが詰まったスープになる。テーブルに運ばれてきた瞬間に魚介の香りが広がり、一口食せばまるで海の恵みを丸ごといただいているかのような濃厚さだ。

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7. 味噌汁でほっと息をつきたい時間に

ミソジュウ (MISOJYU)

浅草寺の門前町ならではの風情が色濃く残る食通街の一角。古民家の雰囲気を巧みに活かしたスタイリッシュな建物が、味噌汁専門店「ミソジュウ (MISOJYU)」だ。

「浅草は朝ごはんを食べる場所が少ない」との声を受け朝8時から営業開始 写真:佐藤潮

一番人気のメニューは味噌汁の一種であるとん汁に、フレンチや中華のエッセンスを加えたもの。フランス産赤ワイン、ドライフルーツ、ハーブで煮込んだ角煮に隠し味として五香粉を加えた具材が主役だ。米麹の甘みを活かした「白みそ」と定番の「中辛口みそ」をブレンドして使用することで、個性的な角煮をとん汁らしい味わいに落とし込んでいる。

「ごろごろ野菜と角煮のすんごいとん汁セット」1,518円 写真:佐藤潮

味噌を食べなれていない外国人のみならず、味噌汁ばなれが進む日本人にとっても、その魅力を再認識させてくれる、目からウロコの名店だ。

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8. やわらかで甘みのある名物ビーフ寿司

LOOP TOKYO

高田馬場で食通たちを唸らせていた「LOOP」がビルの建て替えにより閉店したのが2022年7月。その翌月には「LOOP TOKYO」として西浅草で新しい一歩を踏み出した。前店は、最初はダイニングバーとしてオープンし料理を提供していたが、コースでのリクエストに応えたところこれがすこぶる好評だった。次々とコースをオーダーする人が増え、来店する客のほとんどがコースになってしまったことからコース料理中心の店となり、その流れは新店でも受け継がれている。コースも15品ほどに増え9,900円とハイコスパは健在だ。

「ビーフ寿司」 写真:松村宇洋(UP SPICE)

コース半ばで登場する「ビーフ寿司」は一般的な酢飯を使わない。肉の脂に酢酸の酸味が合わないからだ。代わりに肉との相性が良いクエン酸を含むレモンを使って米に酸味をまとわせ、旨味と甘みのある土佐醤油を一塗り。静岡産のワサビとともにいただく。

やわらかで甘みのある肉と、さわやかなレモンの酸味がちょうどよいバランスで口の中でほぐれ、予約時にビーフ寿司のおかわりを頼んでおく人がいるのもうなずける一皿となっている。

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9. ニューヨークスタイルの本場ピザ

Maple Pizza(メイプルピザ)

写真:小田中雅子

蔵前から浅草にかけては“東京のブルックリン”と呼ばれ、クリエイターの個性的なショップや古い建物をリノベしたカフェなどセンスの良い店があちこちにあるエリア。この街の一角に、ニューヨークスタイルのピザを本場さながらに楽しめる専門店「Maple Pizza」がオープンした。

「ペパロニ」550円 写真:小田中雅子

ペパロニとはサラミに香辛料やハーブなどを加えた肉加工品で、少しスパイシーでパンチのある味わいが特徴。ピザはモッチリとしながらもふんわり軽い食べ心地。オーブンでしっかり焼き上げ、食べる直前にリベイクするため、焼きたての生地は外側がサクサクしている。小麦の香りと甘みがしっかりと感じられる生地はミミまでおいしく、最後の一口まで大満足だ。

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10. 丸2日かけて作る“二番だし”が決め手のテグタンスープ

本とさや

東京を代表するスポットが集まる国際観光都市・浅草。近代的なビルが立ち並ぶ片側3車線の大通り、国際通りを脇道にそれると、華やかな表通りとはまた違う、飾らない雰囲気が漂う路地の風景に出合える。こんなところに?と思うような静かな裏路地に佇むのが「本とさや」だ。

「テグタンスープ うどん入り」1,260円 写真:齋藤ジン

テグタンスープは韓国料理だが、日本におけるそれには2種類あり、一つは真鱈(テグ)を丸ごと使ったピリ辛の鍋料理のようなスープ、もう一つは韓国大邱(テグ)広域市発祥で、牛の塊肉と牛骨でとっただしに野菜を入れコチュジャンや粉唐辛子で味付けしたものを指す。

「本とさや」のテグタンスープは後者で、丸2日かけて作る“二番だし”が命。和牛を炊いた一番だしから肉を引き上げ、だしだけを炊いて煮詰め、それとは別にゲンコツと呼ばれる牛の大腿骨を炊き、それらを合わせてできたものを“二番だし”という。コトコトじっくり煮込んだスープは、牛のうまみと栄養分が凝縮されて白濁し、コラーゲンがたっぷり含まれているのが特徴だ。

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