〈今夜の自腹飯〉

予算内でおいしいものが食べたい!
食材の高騰などで、外食の価格は年々あがっている。一人30,000円以上の寿司やフレンチもどんどん増えているが、毎月行くのは厳しい。デートや仲間の集まりで「おいしいものを食べたいとき」に使える、ハイコスパなお店とは?

教えてくれる人

高橋 綾子

フードパブリシスト。国内外ファッションブランドのプレスとして従事した中で肥えた“食”へのこだわりは、その後の素晴らしい人々との出会いと相まっていつしか人生そのものに。その間に培った食のデータと人脈を武器に“喜ばれるレストラン”の発掘に勤しむ日々。おいしいものしか喉を通らない不思議体質。

一度行くとなぜかまた行きたくなる、家という名の「HAUS」

ほんわりとした空気感につい扉を開けてしまいます

神宮前2丁目は昔からアパレル会社が多いせいか、趣のある飲食店が軒を連ねます。さらに奥へ入った住宅街を歩いていると、ポツンと点った灯りを見つけることができます。外から眺めるとほんわりとした空気を感じ、どうにも入ってみたい衝動に駆られる。それが「HAUS」です。

配色のセンスが抜群!

中へ入ると思わず「素敵!」と呟いてしまいます。まず見入ってしまうのは壁の色。剥き出しの木材に塗られたブルー、グレー、ローズ、ホワイト、レッドにピンク、一見バラバラなようでしっくりくる、その配色のセンスに心が奪われます。それらはすべて店主の小林賢三さんのDIYによるものというからびっくりですが、小林さんは元々、 家具職人見習い。20年前に ともに励みつるんでいた友人と「いつか食と住の店を一緒にやりたいね」と話したことがきっかけで、小林さんは飲食店へ転職したのです。

店主の小林賢三さん

クラフトビール店、カフェ、ビストロなどで接客術や経営術を学び、イタリア料理店で9年、マネージャーとして実績を積みます。はて?料理はいつ?と聞くと「料理の修業経験はありません。尊敬するシェフが作る料理を見て味わって家で作ってみる、そうやって何年もの間、温めていたものを提供しています」という驚愕の事実! しかし、小林さんの料理はどれも食通が唸るレベルです。