近年ますます人気の都市、福岡。定番からイノベーティブなものまで、食のシーンも話題満載のこの街で、何を食べればいいのか。今回、福岡を代表するシェフの一人、「ラ・メゾン・ドゥ・ラ・ナチュール・ゴウ」の福山剛さんにそのナビゲーター役を買って出ていただいた。この街を愛し、その魅力を知り尽くしたシェフが、自身も仕事の後、夜な夜な通うというディープな店が勢揃い。これを知れば、福岡がもっと楽しくなる〈After Gohの福岡〉、短期集中連載でご紹介します!
第1回 福岡にこのシェフあり。「ラ・メゾン・ドゥ・ラ・ナチュール・ゴウ」
第2回 〈After Gohの福岡〉世界一の唐揚げがある店
第4回 〈After Gohの福岡〉豆腐がこんなに楽しいなんて!
第5回 〈After Gohの福岡〉シェフもやっぱりラーメン
〈After Gohの福岡:第1弾〉美味しいものならなんでも来い!「飯家くーた」
「ラ・メゾン・ドゥ・ラ・ナチュール・ゴウ」から徒歩2分の至近距離にある「飯家くーた」。小ぢんまりとしたカウンターの前のショーケースには、玄界灘からの鮮度抜群の魚はもちろん、全国から選りすぐりの旬の魚介がぎっしりと並べられている。ほかにも地の野菜から地鶏や熟成牛まで極上の食材を使った料理が大充実。
「寿司も天ぷらあるし、博多の郷土料理もある。はっきり言ってなんでもあり(笑)。でも、どれを食べても美味しいんですよ。東京からきたシェフたちを連れていっても、わがまま聞いてもらえるのがいい。うちのお客様を紹介すると、お腹一杯のはずなのに、ついつい頼んでしまう方も多いんだそうです」と笑う剛さん。
くーたの店長・手嶋一富さんも、「博多は飲食店の横のつながりが強い。オーナー同士、皆、仲がいいんですよ」と返す。
さて、厳寒の時期のおすすめはなんといっても“あら”だ。玄海の漁師さんから直接電話が入り、買い付けるという希少な品だ。福岡でも、あらを食べるなら「くーた」と決めている人も多いという。席に着いたらまず、「今日はあらありますか?」と、聞いてみるといい。
もう一つ、初めてなら食べるべきは、名物の鶏もものから揚げ。なにしろあのガガンが、「世界で一番美味しい鶏のから揚げ」と評したというのだから、食べてみずにはいられない。はたして、揚げたてにかじりつけば、肉汁が口いっぱいにあふれ、思わずうなってしまう。
また、締めには九州ならではのごまさば丼、塩くじら茶漬け、特製ちゃんぽんなど魅力的な品がたくさん。蔵出しの焼酎や季節の日本酒を楽しみなが、幸せな博多の夜は更けていく。