近年ますます人気の都市、福岡。定番からイノベーティブなものまで、食のシーンも話題満載のこの街で、何を食べればいいのか。今回、福岡を代表するシェフの一人、「ラ・メゾン・ドゥ・ラ・ナチュール・ゴウ」の福山剛さんにそのナビゲーター役を買って出ていただいた。この街を愛し、その魅力を知り尽くしたシェフが、自身も仕事の後、夜な夜な通うというディープな店が勢揃い。これを知れば、福岡がもっと楽しくなる〈After Gohの福岡〉、短期集中連載でご紹介します!

 

第1回 福岡にこのシェフあり。「ラ・メゾン・ドゥ・ラ・ナチュール・ゴウ」

第2回 〈After Gohの福岡〉世界一の唐揚げがある店

第3回 〈After Gohの福岡〉秘密の隠れ家ワインバー

第4回 〈After Gohの福岡〉豆腐がこんなに楽しいなんて!

第5回 〈After Gohの福岡〉シェフもやっぱりラーメン

 

〈After Gohの福岡:第3弾〉クールダウンしたいときはここへ。マンションの一室のワインバー「黄昏」

 

お店が終わったあとにちょっと落ち着いて話をしたい、というときに剛さんが足を向けるのが「黄昏」。ひっそりとしたマンションの2階へ上がり、ドアのチャイムをピンポン♪して入る、隠れ家ワインバーだ。

オランダのホテルなどで経験を積んだという、ユニークな経歴を持つ手嶋なぎささんが一人で切り盛りしているのだが、その雰囲気がなんとも和める。一見お断りかと思い気や、ウェルカムだというからうれしい。ワインはオーストリアや、フランスのロワールバニュルス、ジュラ地方の自然派ワインを多く揃える。

オーストリアのソーヴィニヨンブラン、ロワールの旗手、セバスチャン・リフォーのサンセール、ジュラのフィリップ・ボールナールなどセンスを感じるラインアップ。

「彼女のワインのセレクトがとてもよくて、おまかせで頼むと、必ず満足のいくものを見繕ってくれるんです。低めのソファに座ると、ついつい落ち着いて長居してしまうという難点はあるのですが」と剛さんも絶賛する。実は、剛さんとの出会いは、ポップアップレストラン「ゴーガン」のサービスのお手伝いをしたご縁から。以来、剛さんは友人たちを連れて、また一人でふらりと訪れるようになったのだそう。

ビーツ、ベーコン入りのケークサレ 400円
チーズの盛り合わせ 1,500円〜

料理はチーズの盛り合わせや自家製のケークサレなどもなかなかのセンスだが、実は同マンション1階にある、福岡で最も予約のとれない和食居酒屋「こみかん」の天丼が18時半〜23時、近隣の「クボカリー」のカレーが15時〜20時の間に出前で頼めるという裏技がある。締めの1品として、これはぜひトライしたい。2軒めのお店としておすすめなのはもちろん、実は、午後3時から開いているという嬉しい情報も。黄昏れる前から、まったり飲み過ぎてしまいそうだけれど。

 

撮影:戸高慶一郎