年末には飛んだ番狂わせも?!2018年に生まれたスイーツトレンドをおさらい

当マガジンの人気連載「猫井登のスイーツ探訪」でお馴染み、お菓子の歴史研究家・猫井登が、自身の記事をもとに2018年のスイーツの動向を振り返るこの企画。専門家が注目した今年のスイーツトレンドとは? さらに2019年のトレンド予測も必見です!

【1・2・3月】のトレンドは「ショコラ」

 

年が明け、まずは例年通りバレンタインデー前後はチョコレートが盛り上がりを見せた。サロン・デュ・ショコラのテーマ「アバンチュール」。これは冒険とチャレンジと解釈され、セレクションボックスには、カレー、スモーキーなお茶、パチパチはじけるシュガーなど、従来にない素材を使ったボンボンショコラが多く見られた。

 

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昔は飲み物だった!バレンタイン前に知りたいチョコレートの美味しい秘密

 

3月下旬には、フランス料理界を代表する料理人アラン・デュカスが「ル・ショコラ・アラン・デュカス 東京工房」を、4月には六本木ヒルズに「ル・ショコラ・アラン・デュカス 六本木」をオープン。料理人の視点からショコラの更なる可能性が示され、話題となった。

 

 

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【4・5・6月】のトレンドは「パフェ」

 

4月以降気温がどんどん上がり、東京では4月だけで7日も夏日を記録。アイスクリームなど、冷菓への需要が高まる。これにヘルシーなイメージがあり、色合いも鮮やかなフルーツを合わせたパフェは、インスタ映えすることもあって、昨年に続き大人気に! パティスリー・アサコ・イワヤナギには長蛇の行列ができ、本連載でもパフェを大きく特集した。

 

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6/28パフェの日緊急企画!完全なるスイーツ“パフェ”徹底解剖〈序〉篇
6/28パフェの日緊急企画2!私たちがパフェに魅了される理由〈破〉篇
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【7・8・9月】のトレンドは「チーズケーキ」「かき氷」

 

7月初旬は、ひんやりした口当たりのレアチーズケーキも人気に。しかし、中旬以降東京は猛烈な暑さとなり、かき氷の人気が急上昇! 人気の天然氷を使った「ふわふわ食感」「果実感溢れる手作りシロップ」のかき氷に加え、台湾の果肉入りかき氷、韓国の粉ゆきかき氷、グラニテのようなオシャレ系かき氷なども登場。海外勢、パティスリー、ホテルなども「かき氷市場」に本格参戦してきた。

 

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超濃厚から超高級まで。紀元前から親しまれてきた「チーズケーキ」の今を知る
《かき氷に関する記事はこちら》
かき氷ブームも第三次に突入!今年食べたいのは“オシャレ系かき氷”

【10・11月】のトレンドは「モンブラン」

 

10月に入っても暑い日々が続き、アサコ・イワヤナギは10月11日より新店舗で「アンポルテ・パフェ」というテイクアウト可能なパフェの発売を開始! 「パフェは店で食べるもの」という固定概念を覆した。

 

一方で秋スイーツの定番、モンブランも人気に! 栗の産地のみならず「栗の品種」や、「出来立て」に強いこだわりを見せ、モンブランのみに特化した和栗や、モンブランスタイルといった専門店が話題となった。

 

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もはや栗そのもの!2018年もモンブランの進化が止まらない

【12月】のトレンドは「クリスマスケーキ」と見せかけて「タピオカドリンク」!?

 

12月は例年クリスマスケーキが盛り上がりを見せ、高額なケーキなどが話題となるが、今年はやや沈静化。一方、街で行列が出来て急増しているのは「タピオカドリンク」の専門店! こちらは来年以降も引き続き、女性を中心に人気が上昇すること予想されている。

 

 

《クリスマスケーキに関する記事はこちら》
美しく、おいしい。なのにリーズナブルなとっておきのクリスマスケーキ

専門店がますます元気になる?2019年スイーツトレンド予想!

日本の四季は「二季」化し、近年春秋が極端に短く、暑い時期の長期化が進んでいる。亜熱帯化が進む中、2019年のスイーツのトレンドは、さらにアイスクリーム、パフェ、かき氷、ドリンクといった「ひんやり系」にシフトするとともに、特定の商品に特化し、強いポリシーをもった「専門店」が人気を集めていくと予想する。

 

文:猫井登