〈食べログ3.5以下のうまい店〉

おいしいもの好きのあの人に「食べログ3.5以下のうまい店」を教えてもらう本企画。今回はフードコラムニストとして活躍する門上武司さんに、魚の鮮度が身上の日本料理店を教えてもらった。
朝揚がったばかりの魚料理が主軸
大阪メトロ四つ橋線肥後橋駅から徒歩すぐ。ビジネスマンで賑わう高層ビルが立ち並ぶエリアに、モミジの木が印象的な日本料理店がある。表札と青色の暖簾には「肥後橋 いな田」の文字が見える。

扉を開け、エントランスを抜けると、6席のカウンター席が。2階席には8席の個室が2室あり、シーンによって使い分けができそうだ。どの席もゆったりと作られている。



門上さん
食いしん坊のアパレル会社の社長と一緒に行きました。1階のカウンターは大将との会話が楽しめるのがうれしいです。仲間であれば2階のテーブルもいいですよ。
店主は宮崎県出身の稲田真太郎さん。料理人になるなどまったく考えていなかったが、縁あって、19歳で横浜にある宮崎の郷土料理を出す店で働くことに。当時魚を食べることができなかったが、その店の大将に憧れ、次第に魚が食べられるようになり、魚への興味が深まったという。その後、関西で魚料理の専門店「魚匠 銀平」に入社。11年勤め、うち7年間は心斎橋店で料理長を務めた。2023年、満を持して独立。肩肘張らない雰囲気づくりに努め、「秘密基地のような、“ほかの人には教えたくないな”とお客様に言われる店を目指しました」と稲田さんは話す。

料理は魚料理が主軸。産地から直送のものが多く、例えば和歌山県から朝揚がったものが13時には届くそう。「せっかく新鮮なものが届くので、熟成よりも鮮度を意識して調理しています」と稲田さん。夜のコースは8品で8,800円~。アラカルト希望の方には、とりあえず3品4,000円というメニューもあり、3品以降はアラカルトで好きなものをオーダー可能。カウンターに貼られた手書きのアラカルトメニューはバリエーション豊富で、目移りしてしまうこと必至だ。



門上さん
魚の質の良さには驚きました。コースもあれば、最初の数品お任せあとはアラカルト、最初からアラカルトもあり、という選択が素晴らしい。
