いただけるお料理はこちら!

今回はコースからの料理を中心に、門上さんおすすめのメニューをご紹介。主軸の魚の旨さはもちろんだが、四季を感じられる日本料理でありながら、他では味わえない、ひと工夫あるメニューも多いとのこと。

まずはさっぱりと酢の物から。昆布〆したキスと加賀太胡瓜の酢の物。秋田県山本郡のじゅんさいは標準のものより3倍の大きさで、最近のお気に入りの食材とのこと。

コースから、キスと加賀太胡瓜 酢の物。アラカルトでは700円
 

門上さん

さっぱり感と昆布〆したキスの味わいがいい。

造り盛り合わせ。山形の本マグロ、和歌山のタチウオ、タコ、高知のシマアジ、千葉の金目鯛、クジラのさえずり、福岡のキスの昆布〆と盛りだくさん。「造りの種類も量も調整可能なので、お伝えください!」と稲田さん。

コースからの造り盛り合わせ。アラカルトでは2人前、5種で3,500円
 

門上さん

やはり造りがいちばんのおすすめ。大将選りすぐりの魚は間違いなしです。

トマトすき焼き。宮崎牛を使用。トマトを入れることでコクが増し、酸味が甘みをひきたてる。黄身と泡立てた卵白をつけていただくスタイル。

トマトすき焼き 2,000円
あっさり甘辛な牛肉に、ふわふわの卵白をたっぷりつけて味わいたい
 

門上さん

トマトの酸味と牛肉の脂分とのマリアージュが楽しめます。

あじフライ。長崎や和歌山などその日によってあじの仕入れは変わる。みりん、ごま、マスタードが加わった赤味噌のソースとタルタルで。

あじフライ 1,000円
 

門上さん

あじの鮮度の良さを生かしています。

冷汁。甘めの信州白味噌と、粉砕したのち乾煎りしたいりこ、ピーナッツの粉を混ぜ、250℃のオーブンで40分程焼いて味噌種を作る。それをベースに、具材は、自家製豆腐、キュウリ、大葉、ミョウガなど。暑い夏に塩分が補強できるメニューだ。羽釜で炊いたご飯と一緒に。昼は定食で、夜は〆におすすめ。

冷汁 1,100円

料理を受け止める日本酒は、すっきりした辛口がメイン。ワインや芋焼酎やウイスキーなども。

日本酒は20種以上がスタンバイ。グラス(100ml)1,100円~。宮城県のクラフトジン「群緑」もおすすめ

関西らしく、会話を大切に

オープンして1年半なのでまだ認知度は高くないと感じているそうだが、日に日にリピーターは増えているとのこと。まずはランチに訪れ、その後夜訪問する方も多々。稲田さんは「関西の割烹の良さであるお客様との会話をいちばん大切にしたいですね。“疲れたから来た”と話してくださるお客様に居心地のよい空気づくりをこれからも心掛けます!」と話してくれた。豊富なメニューと居心地のよさを体感しに、ぜひ一度訪れてみていただきたい。

「メニューにはないご希望も可能なかぎり応じますよ!」と稲田さん
 

門上さん

魚をメインとした料理店での修業が長いので、魚については大将からアドバイスをもらったほうがいいですよ!

教えてくれた人

門上武司

1952年大阪生まれ。関西中のフランス料理店を片っ端から食べ歩くももの足らず、毎年のようにフランスを旅する。39歳で独立し「株式会社ジオード」設立後はフードコラムニストというポジションにとどまらず、編集者、プロデューサー、コーディネーターとマルチに活躍。関西の食雑誌「あまから手帖」編集顧問であり、全日本・食学会副理事長、関西食文化研究会コアメンバー。著書には「食べる仕事 門上武司」「門上武司の僕を呼ぶ料理店」(クリエテ関西)、「京料理、おあがりやす」(廣済堂出版)、「スローフードな宿1・2」(木楽舎)、など。年間外食は1,000食に及ぶ。

食べログマガジンで紹介したお店を動画で配信中!
https://www.instagram.com/tabelog/

※価格は税込です。

文:木佐貫久代
撮影:東谷幸一