〈これが推し麺!〉

ラーメン、そば、うどん、焼きそば、パスタ、ビーフン、冷麺など、日本人は麺類が大好き! そんな麺類の中から、「これぞ!」というお気に入りの“推し麺”をご紹介。そのこだわりの材料や作り方、深い味わいの秘密に迫る。

今回訪れたのは、食べロググルメ著名人・門上武司さんが教えてくれた大阪・堺にある「グルテンフリーラーメン専門店 RYU-Gu 龍旗信」。もちもちの米粉麺が魅力の「ヴィーガンフレンド塩ラーメン」を紹介する。

教えてくれる人

門上武司

1952年大阪生まれ。関西中のフランス料理店を片っ端から食べ歩くももの足らず、毎年のようにフランスを旅する。39歳で独立し「株式会社ジオード」設立後はフードコラムニストというポジションにとどまらず、編集者、プロデューサー、コーディネーターとマルチに活躍。関西の食雑誌「あまから手帖」編集顧問であり、全日本・食学会副理事長、関西食文化研究会コアメンバー。著書には「食べる仕事 門上武司」「門上武司の僕を呼ぶ料理店」(クリエテ関西)、「京料理、おあがりやす」(廣済堂出版)、「スローフードな宿1・2」(木楽舎)、など。年間外食は1,000食に及ぶ。

米粉麺でのグルテンフリーラーメン

南海電鉄石津川駅から徒歩約5分。車が行き交うロードサイドから「グルテンフリー」「ヴィーガン」の文字が目に飛び込んでくる。いわゆる駐車場ありの飲食店チェーンが並ぶエリアで、目につく店構えだ。ここは、2025年2月にオープンしたばかりの「グルテンフリーラーメン専門店 RYU-Gu 龍旗信」。堺&塩ラーメンで大阪ラーメン界を牽引してきた「龍旗信」の新展開だ。

店はカウンター12席。駐車場も有
「グルテンフリー」の文字が目をひく外観

動物性の食材を一切使用しないヴィーガンラーメンは、14年前ごろから取り組み、パリやイタリアでも店を展開している松原龍司さん。次の課題はグルテンフリーだった。「誰もやっていないからやってみよう」と米粉で中華麺を作ることにチャレンジ。同店横に製麺所を作り、毎日米粉から生麺を作っている。

店主の松原龍司さんは25年前に日本初の塩ラーメン専門店を堺に誕生させた

製麺所での米粉麺作りをご紹介しよう。生地が切れやすいので、機械を使いつつも常に人の手が必要だ。本来なら真っ白に仕上がるが、あくまで中華麺をイメージして、くちなしを使用。今は細麺も開発中とのこと。「いろんなジャンルの料理人さんにご意見をいただきつつ、麺を作っています。いつかは米粉用製麺機を作りたいですね」と松原さんは話す。店では打ち立てを2日以内に提供する。

米粉は熊本製粉のミズホチカラを使用
生地は加水率40%。薄い生地を2つ合わせて複合させる。ローラー式の製麺機を使用
0.6mmの厚さに伸ばす
切り出す。太さは10番の麺
1人前150gにまとめる
 

門上さん

ラーメンの世界でヴィーガンが生まれたということをオーナーの松原さんから聞いて訪問。 これがヴィーガンかと思うほど、コクとうまみを感じました。