僕のスペシャリテ!!! ザクザク食感にこだわったミルフィーユ

「トリオンフ」630円

約18種類ある洋菓子の中で一番におすすめするのは「トリオンフ」630円。ラムキャラメルのガナッシュとキャラメルのバタークリームを3層のパイ生地でサンドした、僕の大好きなミルフィーユです。表面は砂糖のグラスでコーティングし、その上から粉糖で模様を描いています。

ザクザク感が印象的なパイ生地

このミルフィーユの最大の特徴は、他にはない生地のザクザク感。
通常ミルフィーユは大きい生地をそのまま鉄板にのせて焼き上げますが、同店では鉄板に生地をのせて切り終えた後に焼き上げます。そうすることによって通常よりもきれいに焼き上がるのだとか。その後、鉄板の端に重しを置き、その上に鉄板をのせて180℃のオーブンで20分焼き上げたら完成。重しの上に鉄板をのせることで生地の膨らむ力を抑えることができ、密度がギュッと詰まったザクザク感のある生地に仕上がるそうです。

クラシカルな模様も美しい

そんな手間暇かけて作るパイ生地は、口に入れた瞬間にザクザクとした音があふれるほど。それと同時に、ラムキャラメルガナッシュの濃厚な甘さとキャラメルバタークリームのコク深い味わいが口いっぱいに広がります。キャラメルバタークリームに振りかけたシナモンとコーヒーの風味が良いアクセントになっているので、最後まで食べ飽きることはありません。パイ生地、ラムキャラメルガナッシュ、キャラメルバタークリームの三位一体の味わいは、一度食べると虜になること間違いなしです!

チョコレートにグリオットソースを合わせた、シェフのおすすめ「フォレノワール」

「フォレノワール」660円

「アルカション」での修業時代に初めて作ってお店で販売してもらった、古屋シェフにとって思い入れの深い一品。
チョコレートのビスキュイ、チョコレートのシャンティショコラ、グリオットソース(粒入り)、キルシュの生クリームを、ビター感のある薄いチョコレートで包んでいます。

半分に割ると中からグリオットのソースがとろ~り

見た目とは裏腹に口の中でとろける食感。ほのかに感じるキルシュの香りとグリオットソースの酸味、シャンティショコラのコクなど、一口食べる度にさまざまな味と風味が楽しめます。それぞれのパーツが主張しながらも、口の中で一つにまとまっているのはすごい! チョコレートのほろ苦さとグリオットソースの甘酸っぱさが絶妙に絡み合う「フォレノワール」。チョコレート好きならずともぜひ食べていただきたい逸品です。

パティスリーとブーランジェリーでフランスの日常も提供していければ

ショーケースの上には焼きたてのパンが並ぶ

同店では自家製のパンも販売しています。ライ麦を使った「カンパーニュ」380円や発酵バターたっぷりの「クロワッサン」300円など、どれもおいしそうなものばかり。「フランスではパンとケーキを一緒に販売している店が多くあります。パンを買いに来た人やケーキを買いに来た人が、目的と違うものも一緒に購入してくれたらうれしいですね」と古屋シェフ。

焼き菓子は1個150円~。詰め合わせも可能

テーブルには個包装された焼き菓子が並んでいます。中でも、レモンにチョコレートを合わせた「サブレ シトロン」240円は見逃せない一品。レモンの爽やかな風味とチョコレートの濃厚な甘さが口いっぱいに広がって、幸せ気分に浸れます。レモンの甘酸っぱい味わいは、これから暑くなる季節にもぴったりですね。

店名に恥じないように挑戦を続けていく

優しく朗らかな印象の古屋シェフ

「伝統を大事にしながら、自分らしさ(個性)も出して、何事にも挑戦していきたいと思っています。商品で言えば、サンドイッチやバスクチーズケーキを商品化したいですね。また地方にケーキを送りたいというお客様が多いので、配送できるケーキを展開していきたいです。プレゼント用のケーキも、もう少し渡しやすいものを考え、とにかく『アルタナティブ』らしい商品を作るのが一番。スタッフとコミュニケーションを取りながら、“うれしい”と“楽しい”を大事に、これからもおいしいお菓子を作ってきたいです」。最後にそう話してくれた古屋シェフ。

フランスの伝統を守りながらも、個性あふれるフランス菓子が並ぶ「アルタナティブ」。今後も注目していきたいお店です。

※価格はすべて税込

文:はなとも、食べログマガジン編集部 撮影:ジェイムス・オザワ