教えてくれる人

はなとも
日本スイーツ協会認定のスイーツコンシェルジュ。スイーツ専門のライターとしてさまざまなweb媒体で記事を連載中。著書「スイーツ男子はなともの I love パンケーキ」(KADOKAWA)、はなとも監修パンケーキミックス粉、その他、監修商品やコラボメニューなど多数。前職はお花屋さんという異例の経歴を持つ。

「Patisserie Boulangerie Les Alternatives」のミルフィーユ

都心から少し離れた小金井市の住宅街に佇む「Patisserie Boulangerie Les Alternatives(アルタナティブ)」。伝統のフランス菓子に独自のエッセンスを加味したスイーツは、味も食感も独創的でとても魅力的です。中でもミルフィーユは、他にはない生地の食感が楽しめると大人気。今回は、足を延ばしても食べる価値のある絶品ミルフィーユをご紹介します。

今、東京で注目を集めているパティスリー

外観

「アルタナティブ」は、中央線・東小金井駅から徒歩5分。小金井市から府中市まで続く、都道247号沿いにあります。
小金井市は、都心へのアクセスの良さと再開発による生活利便性の高さが特徴的な地域。「店を出すなら都心から少し離れた暮らしやすい街。そして人が多く集まる街」と決めていたことから、ファミリー層が多い東小金井にお店をオープンすることにしたのだそう。

シンプルな看板

店名の「アルタナティブ」とは、音楽のジャンル“オルタナティブ(Alternative)”のフランス語読みに由来。Alternativeは「もうひとつの選択、代わりとなる、代替手段」という意味で、産業ロックやポピュラー音楽とは一線を画す、アンダーグランドの精神を持つロックのジャンルのことをいいます。「オルタナティブというジャンルでフランス菓子を表現すれば、それが個性になるのでは」という思いから、店名を「アルタナティブ」と名付けたのだそうです。

オーナーパティシエ・古屋健太郎氏

古屋シェフは「辻調グループ フランス校」を卒業後、東京・保谷のパティスリー「アルカション」に勤務。その後、パティシエの腕をさらに磨くため、自由が丘のパティスリー「パリセヴェイユ」で研鑽を積みます。「パリセヴェイユ」勤務時は、シェフの金子美明氏の計らいにより、3カ月おきにフランスのパティスリー「オー・シャン・デュ・コック」へ行き来し、技術と感性を学びました。退職後は「アルカション」時代の先輩の新規オープンを手伝い、そして1年ほどの準備期間を経て2022年に同店をオープンしました。

店内

アンティーク調の家具やフランスで集めたというプレートが並ぶ店内は、フランスの菓子店を思わせる上品でクラシカルな雰囲気。こぢんまりとした居心地の良い空間は、まるで大人の秘密基地のようです。

ショーケース

ショーケースにはフランスの伝統菓子「モンブラン」をはじめ、「タルト」や「サヴァラン」など個性豊かなスイーツがズラリと並んでいます。季節にもよりますが、約18種類のケーキを用意しているそうです。

スタイリッシュなデザインのケーキが目をひく

古屋シェフ曰く、お菓子は食べ終わった瞬間にすべての着地点が同じところにいくのがベストで、それが心地よさに繋がるのだとか。余韻は残さず、すっと消えるように。一口目のインパクトを大事に、そして舌に当たる順番を考えながら商品を作り上げているそうです。

今回はそんな同店こだわりスイーツの中から、僕がおすすめしたいとっておきの2品をご紹介します。