定食王が今日も行く!Vol.38
美味い、安い!メガ盛り上等!ブルドックの「わらじメンチ」
路地裏のきたなシュラン三つ星
大井町一、うまい!やすい!
最初に訪れた時は、「本当にこんなところに店があるの?」という疑問と不安とともに訪れたことを覚えている。JR京浜東北線、大井町から徒歩5分ほどの狭い路地に「キッチン ブルドック」はある。
「大井一うまい・やすい」の看板が飛び出しているので、見逃すことはない。入り口には行列ができていることもしばしば。表のショーケースにある食品サンプルは、かなり年季が入っており、もはや何なのか判別できないものさえある。
それもそのはず創業は1949年、70年近く続く洋食の老舗だ。店内には某テレビ番組で「汚いけど美味しいお店」として三つ星を獲得し、その表彰状が飾られている。お店にはお座敷の2階席があるが、外から見てもその歴史がうかがえる。とにかく年季から滲み出る店内の雰囲気、味わいが深いのだ!
わらじよりデカい!? カリッ、じゅわ!
巨大すぎるメンチカツ
ランチメニューは8種類。終日メニューのトップを飾るのが、ブルドック名物「メンチカツ」だ。
「熱いですよ!」ではなく「重いですよ!」と言って提供されるメンチカツは、通常の4倍はあろうかというサイズ。自分の目線からは後ろにある千切りキャベツが見えない。
300gはあるだろうか。俵形のミートパティを揚げる前に平らに整えているようだ。
サクッ、カリッとしたやや厚めの衣。玉ねぎと人参の甘みたっぷりだが、肉肉しさが前面に出てくる。たっぷりかかったトマケチャップベースのソースが濃厚過ぎず食欲をどんどんそそる。たっぷりのキャベツと一緒にぺろりと食べてしまうのだから不思議だ。
オムライスのケチャップ文字
5重のハンバーグに胸躍る!?
最近では“とろふわ”食感のオムライスばかりが取り沙汰されるが、昔ながらのケチャップライスに固めの卵で包んだ、この味が食べたくてここを訪れることもしばしば。なんといっても楽しみなのが、名物店主鈴木さんによる、ケチャップ文字! ある程度パターンはあるのだが、毎回何が出てくるかわからない! 今回はなぜかの「AKB48」。相対性理論の「e=mc2」や季節の言葉などが刻まれてくる。
マイルドなケチャップライスはしっとり。ゴロゴロと大きめな鶏肉と玉ねぎで食べ応えたっぷり。ケチャップだけでなく、野菜を煮詰めたようなソースも飽きずに食べられる秘密だ。
出典:呑助さん
そしてメガ盛りマニアにおなじみの5段重ねのハンバーグ。これをお母さんがテーブルに運ぶ姿は、最初に見た時衝撃を受けた。
この過剰なまでのメガ盛りにこそ、この店の真髄が表れている。安くて、うまい。腹一杯になる。そしていつもそこにある。そんな心も幸せでいっぱいにしてくれる存在なのが、ブルドックが愛され続ける理由なのだ。