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食通が見いだした、今月の新店
新しいお店がどんどん出店し、ますますの盛り上がりを見せる飲食業界。「気になる店が多すぎてどこの店に行ったらいいかわからない!」という人も多いのではないでしょうか。
そこで、グルメ情報に精通している方々に、最近訪れた新店に関するアンケートを実施。特に注目している「今月の新店」について教えていただきました。
今回は、食べロググルメ著名人の柏原光太郎さんにお答えいただきます。
教えてくれる人
柏原光太郎
日本ガストロノミー協会会長。大学卒業後、出版社に勤務し、グルメ本を手がけたことで食の奥深さに目覚める。料理は作ることも食べることも大好きで、一人娘の弁当を毎日作っていたことも。料理好きのための食の発信基地としての役割を担うべく2017年12月社団法人「日本ガストロノミー協会」を設立。
今月のベストワン
Q. 直近で行った新店の中で、特におすすめしたいお店を教えてください
A. 「箱崎町すみと」です
横浜の寿司店「なか條」で長く修業された黒川清人さんが独立された店。水天宮前駅から5分ほど。ビルの地下1階に潜む。広々としたカウンターが心地よい。「やま幸」の一番いいまぐろを引く寿司屋として有名な「なか條」に長くいただけあってまぐろはすばらしいが、それ以上に仕事をしたネタがいい。中條の前にいた銀座「新太郎」の修業で、そうした江戸前の仕事をしっかりと覚えたのだろう。
Q. 「箱崎町すみと」でおすすめしたいメニューを教えてください
A. 小肌(27,500円のおまかせに含まれる)です
彼が「小肌です」と出してきたものは、どちらかというと小肌が成長した「このしろ」に近い魚だった。彼も「小肌と言わないとなかなか分かってもらえないのですが、私は小肌より少し脂が乗っているこのしろの方が好きで、あえてこちらを握っているのです」と解説してくれたが、たしかに〆た酢の具合と脂の乗りのバランスがすごくよく、彼がこの大きさを好む理由がよくわかった。周囲におもねることなく、うまいものを出そうという彼の哲学を評価してくれる客がもっとつくと、彼の寿司は輝くと思う。