高レベルのスペイン料理店とオールスターのワゴンサービスイタリアン

「MASIA」
「MASIA」   写真:お店から

料理の完成度では銀座ベルビア館に1月5日にオープンした「MASIA」も出色です。マテウ・ビジャレットシェフはスペイン・バルセロナ出身で、各国で修業後に大阪「HAJIME」を経て、梅田にあった「maspi」の料理長を務めていました。カタルーニャの特徴である海と山の料理を軸に、日本の食材や技法を巧みに取り入れていて、美しさと驚きが同居した皿を味わえます。

こちらは、「9月の新店アドレス」で紹介した市ヶ谷「Tinc gana」や広尾「グラシア」、永田町「サンパウ」と同様、株式会社グラナダ系列。グラナダ系のスペイン料理に外れなし、と思わず呟いてしまいました。

「ASTERISCO(アステリスコ)」ワゴンサービス
「ASTERISCO(アステリスコ)」ワゴンサービス   写真:お店から

監修・小山薫堂氏、料理プロデュース・奥野義幸氏、開業記念スペシャルカクテルは後閑信吾氏というオールスターで話題を呼んでいるのが、1月16日に東京駅前の「YANMAR TOKYO」2階にオープンした“お米と楽しむイタリアン”「ASTERISCO(アステリスコ)」です。飲茶スタイルのワゴンサービスで料理を提供、しかもアラカルトという部分に激しく惹かれてランチにうかがいましたが、ワゴンはディナーのみでした……。米粉パスタのナポリタンをいただきながら、夜のメニューを拝見したところ、奥野シェフらしい独創性と楽しさを感じられたので、改めて行かねばです。

実力派シェフの四川料理、ホリエモン&ヒカルのエンタメ餃子

「中国菜ARATA」
「中国菜ARATA」   写真:お店から

中華では人形町のビジネスホテルが並ぶ一角に、1月8日「中国菜ARATA」がオープンしました。店主の中園健司さんは2020年に惜しまれつつ閉店した千駄木「天外天」出身で、「老四川飄香」で副料理長という、王道を歩んでいる料理人です。店内はカウンター10席のオープンキッチンとテーブルが1卓で、大人仕様のモダンシンプル。ワインは日本産で揃えています。

ガレットブルトンヌ
「中国菜ARATA」特製牛肉麻婆豆腐   出典:ガレットブルトンヌさん

コースのみですが、3,300円で5品とデザートを堪能できるランチはお得。もし、締めの“特製牛肉麻婆豆腐”を単品で提供したら行列ができそうです。

「近未来餃子H」
「近未来餃子H」   写真:お店から

楽しさでいえば1月6日、渋谷ちとせ会館「渋谷肉横丁」にオープンした「近未来餃子H」でしょう。プロデュースは堀江貴文さんとYouTuberのヒカルさんですから、単なるおいしい餃子屋さんでは済みません。

焼き餃子は一口サイズ6個で450円ですが、ロシアンルーレットのごとく、一つ激辛が潜んでいる「ロシアン担々餃子」や「アップルカスタード餃子」があるかと思えば、ドリンクメニューには65,000円のドンペリや150,000円のアルマン・ド・ブリニャック ゴールドも。メニューを見るだけでも盛り上がれます。もちろん、サワーは550円からあるので、ご安心ください。

昨年8月にもラファエルさんがカレーパン専門店「小麦の禁断症状」を麻布十番にオープンしていますし、人気YouTuberの開店ラッシュが始まるかもしれません。

アラカルトの天ぷら店、「酒井商会」の新店、「ぼんご」系列の「ぼんこ」

和食系では1月16日、西麻布に「天ぷらとワイン しの」がオープンです。

料理長の篠彰喜さんは、山の上ホテル、東京ベイコート倶楽部などで修業後、銀座の和食店で10年ほど料理長を務めてきました。カウンター6席と個室4席で、アラカルト主体といううれしい形態。

木箱に入った魚介や大皿に盛られた野菜を見せてくれるので、そこから好きなものを。迷ったらおすすめ5品ほどをまずいただくのもいいかもしれません。ワインはシャンパーニュやブルゴーニュが充実。グラスでゆっくり味わいながら、軽めに揚げた天ぷらをいただくという贅沢な時間が過ごせます。シルクスイートの焼き芋の天ぷらは、オリジナルの天つゆにつけて、みたらし団子風に食べることを強くおすすめします。

みるみんく
「SHIZEN(シゼン)」眠り〆子猪の薪焼き 檜胡椒   出典:みるみんくさん

未訪ですが1月20日には「酒井商会」「創和堂」が大人気の酒井英彰さんが、酒井商会の上階に「SHIZEN(シゼン)」をオープンしました。薪火と発酵を取り入れた日本料理で、「小室」出身で調布「マルタ」でも修業した國居優さんと近藤元貴さんという、共に27歳の料理人がオープンキッチンで腕を振るいます。新たなチャレンジ、楽しみですね。

健一郎Jr.
「おにぎりぼんこ」   出典:健一郎Jr.さん

また、こちらも未訪ですが、1月26日に新宿三丁目に「おにぎりぼんこ」がグランドオープンです。運営は大塚の大行列店「おにぎりぼんご」の右近由美子社長と、スニーカーセレクトショップ「アトモス(atmos)」創設者の本明秀文さんが共同で設立した会社「こぼんご大塚」。店名は、右近さんに完全に認めてもらえるまでは「ご」の濁点を取った「ぼんこ」だそうです。ただ、予約制テイクアウトのみのプレオープン中にうかがったところ、お昼で予約は完売で買えず。「ぼんご」になる日は早いかもしれません。

※価格は税込。

※「食べログ」に掲載されている情報をもとに、料理名を掲載しています。最新の情報はお店にご確認ください。

※時節柄、営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、お店のSNSやホームページ等で事前にご確認をお願いします。

※外出される際は人混みの多い場所は避け、各自治体の情報をご参照の上、感染症対策を実施し十分にご留意ください。

文:大木淳夫、食べログマガジン編集部