幡ヶ谷の人気デリ2号店が代々木公園に登場

店舗外観。軒先に下がった観葉植物が目印

コロナ禍で外食が控えられるようになった日々、多くの飲食店がテイクアウトを始めた。デパ地下などの総菜とは一線を画すクオリティのテイクアウトにすっかりはまってしまったという人も多いだろう。そんな期待に応える総菜と弁当のテイクアウト専門店が代々木公園にオープンした。「街のお総菜とお弁当屋さん IRU(イル)代々木公園店」だ。

カップに入っているのは食べやすい量の前菜類。メインはボリュームがしっかりある

「IRU」は、中野の人気ビストロ「ネオビストロMURA(ムラ)」が池尻大橋に作った総菜と弁当の専門店「BET(ベット)」の姉妹店。「お店で食べる料理の楽しさを自宅でも」のコンセプトで生まれた「BET」は、有名レストランで活躍してきたシェフが作る本格的でセンスの良い総菜でたちまち人気店に。特にシェフが試行錯誤しながら完成させたプリンは絶品のおいしさで、多数のメディアにも取り上げられて話題を集めた。

日常に寄り添う存在を目指した「IRU」。弁当のメニューも充実している

同店がより身近な存在になればと作った姉妹店が「IRU」。幡ヶ谷に1号店がオープンすると「BET」のファンや地元のファミリーなどでにぎわい、早くも代々木公園に2号店の誕生となった。

小田急線「代々木八幡」駅や千代田線「代々木公園」駅に程近い場所にある店は、大きな看板は無いが、ガラスケースに並べられた彩り豊かな総菜が目印。周辺の住民だけでなく、通勤の行き帰りに総菜を求める人などで昼から晩までにぎわっている。

手間暇かけて丁寧に作る本格ビストロ総菜の数々

「持ち帰って食べていただいても、お店と変わらないおいしさを楽しんでもらえることを目指しています。そのために素材や調理も店と同じようにすることを心掛けています」と店長の中山恭兵さん。

店内では鴨肉のローストのための仕込みの真っ最中。これは一晩寝かせて、明日のメニューとなる

総菜や弁当はすべて店奥のキッチンでその日の朝に手作り。キッチンにはスチームコンベクションオーブンや真空調理器など本格的な機材が備えられている。同店を運営する会社はビストロの他、本格的なフレンチレストランも経営。その縁もあり、使う食材もレストランと変わらないクオリティのものばかり。この素材や調理のこだわりもおいしさの秘訣だ。

メニューは常時20種類ほど。目の前に並ぶカラフルな総菜を見ていると、どれにしようかとワクワクしてくる。

どの総菜や弁当も彩りなども考えられている。見た目もおしゃれだ

「IRU」の魅力は、メニューのバリエーションの豊富さにもある。「マサバのポワレ」や「豚肩ロースのトマト煮込み」、「砂肝のコンフィ」など家で作るにはちょっと難しそうな本格的ビストロ総菜から、から揚げや豚の生姜焼きといった万人に愛される“おかず”、「サバライス」といったユニークなものまでがラインアップ。子どもも楽しめるようにとナポリタンやオムライスなども用意され、家族で囲む日常の食卓からお一人様のご褒美ディナー、ハレの日のパーティーまでさまざまなシーンで活躍できるメニューがそろっている。

やみつき間違いなし! 肉の旨みがご飯にしみる若鶏のロースト23穀米詰め

「キッシュデリ」1,296円

一番人気メニューの「キッシュデリ」。厚みのあるキッシュを中心に、自慢の総菜が5品ほど盛り合わされている。訪れた日の総菜は「キャロットラペ」「かぼちゃのマーブルサラダ」「キアヌのデトックスサラダ」「ラザニア」「豚のリエット」など。ボリューム満点でランチならこれ1品でお腹いっぱいになりそう。ワインにもぴったりな総菜がそろっており、家飲みを盛り上げてくれること間違いなしだ。

ふわふわのキッシュは厚みがあり食べ応えも十分

枝豆が入ったタマネギとベーコンのキッシュはフワッフワの食感がたまらない。総菜は人参の甘さ、かぼちゃのホクホク感など野菜の旨みがしっかり感じられるまろやかな味付けが心地よい。

「若鶏のロースト23穀米詰め 香草パン粉味」1,296円 

「キッシュデリ」と人気を二分する「若鶏のロースト23穀米詰め 香草パン粉味」。鶏モモの皮と肉の間に23穀米を詰め、マスタードを塗り、香草パン粉をのせてオーブンでじっくり焼いている。鶏はマリネ液に一晩漬け込んで下味を染みこませ、余分な水分を抜き、旨みを凝縮させるといった手間暇かけた一品だ。

23穀米は白米よりモチモチした食感が楽しく、ジューシーな鶏肉との相性もぴったり

カリカリの香ばしいパン粉と、プリプリな鶏肉、肉の旨みが染み込んだモチモチした米の食感のコントラストが抜群。ふっくらジューシーな鶏肉と、旨みがたっぷり染み込んだ米を一口で頬張れば、顔がほころぶおいしさだ。

「鴨のロースト」1,814円

食卓の晴れやかなメインになりそうなメニューも充実。「鴨のロースト」は、鶏肉と同じく一晩マリネ液に漬け込み、下味を付けた鴨をオーブンで焼いている。ソースはローストしたガーリックを使ったパンチのあるソース。ソースは季節などによって味わいを変えており、リピーターも飽きないように工夫している。

鴨肉は柔らかく、コクのあるソースとの相性が抜群。じっくりと噛みしめると肉の旨みが口の中いっぱいにあふれてくる。良質な鴨肉を使っている証だ。こんな本格的なフレンチ総菜が食べたかったとしみじみ思わせてくれるメニューだ。

肉厚でジューシーな鯖の旨みがたまらない「のり弁当」

「のり弁当」972円

常連として店を訪れる人たちの要望として生まれた弁当。「のり弁当」「から揚げ弁当」「油淋鶏弁当」と弁当人気ランキングの上位に入りそうな定番メニューがそろっている。

ご紹介するのは「のり弁当」。「塩昆布とキャベツの和え物」「ひじき」「ちくわの磯辺揚げ」などがご飯の上に彩りよく並んでいる。ご飯の量は200gあり、ボリュームはしっかりある。

青森の漁業組合から直接仕入れているという新鮮なマサバを使用

メインは鯖の塩焼き。シェフの出身地だという青森から取り寄せたマサバを使用。一晩塩をして身を引き締めたサバを食べやすいように骨を抜いてから、オーブンで焼いている。

脂がのった肉厚のサバは旨みたっぷりで、臭みもなく食べやすい。ほんのりした塩気がご飯にもぴったり合い、箸が進んで止まらなくなる。