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〈広島の麺料理〉
今年創業45年を迎えた広島発の老舗うどん店「讃岐屋」。こちらの創業とともに誕生した、もはや代名詞とも言える名物メニューが「スタミナうどん」。そのおいしさの秘密を紹介!
教えてくれたのは

生まれも育ちも広島の生粋の広島県民。広島のタウン情報誌「TJ Hiroshima」編集部を経て、編集者・ライターとして活動。作り手をリスペクトしつつ、その思いを少しでも読者に伝えるべく「シンプルに分かりやすく、目に浮かぶような文章」を心掛け情報を発信する。疲れている時に、讃岐屋のスタミナうどんが食べたくなる派。
豊富なメニュー数で人気。広島で45年愛され続けている味


讃岐屋の創業は1977年。牛田本店から始まり、今回取材に訪れた光町店は1986年にオープンした2号店。その後、どんどん人気が広がり、現在は広島市内を中心に15店舗を展開している。グランドメニューはうどんだけでも29種類も揃い、ラーメンや丼ものまで、目移りしてしまうラインアップだ。
創業以来、約1000万食以上も販売した大人気商品
一度食べたらやみつき! ニンニク入りの「スタミナうどん」

もともとこの「スタミナうどん」は、2代目社長の長田拓さんの祖父が営んでいた食堂でまかないとして出されていたもの。それを「讃岐屋」を創業した長田さんの父が、開店を機に改良を加え、正式メニューにしたのだそう。一度食べたら忘れられないニンニク入りの味わいは、今や広島の故郷の味として定着している。

麺は通常の約1.5倍。ニンニクの旨味が溶け出したとろみのある出汁と、豚肉などの具材がよく合う一杯だ。地元に根強いリピーターがいるのはもちろん、広島を離れてからも帰広する度食べに訪れるファンも多い。「これを食べたら元気になるんよ」と、風邪を引いたら必ずこれを食べるという声も!
最後までアツアツ、絶妙なとろみがポイント

スタミナうどんの出汁は、注文が入ってから1杯ずつ小鍋で調理。「水溶き片栗粉は薄くても濃くてもダメ。ちょうど良い加減を見極めながら作っています」と店長の河野健太さん。食材の味を活かし、コシのある麺ともよく絡むように、全体のバランスを見ながらほどよいとろみを付けている。
創業以来変わらない、こだわりの素材や製法
国産小麦粉100%の無添加自家製麺

無添加で作る安全・安心な自家製うどんは、質と鮮度にこだわり厳選した国産小麦粉を100%使用。国産の小麦粉と塩、水のみを用い、独自の製麺技法で毎朝製麺している。さらに、麺の保管方法はもちろん、釜湯の温度やゆで時間もしっかり管理し、最もおいしい状態のうどんを提供することを心がけている。
素材を活かし手間をかけて作る出汁

素材の良さを活かし、手間暇かけて作るつゆにも自信あり。つゆの味と風味の要となる一番出汁は、北海道枝幸の海で採れる天然の利尻昆布100%と、数種類の削り節を使い、毎朝社長自らが取っている。そこへ大分県の老舗醤油蔵に特注する醤油や、創業時から変わらない製法でゆっくり熟成させたかえしを合わせ、風味豊かで贅沢な味を生み出している。