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食通が選んだ今月のおいしい料理
新型コロナウイルスの蔓延により、それぞれの行動に制限が生まれ、飲食店も再度苦戦を強いられている状況です。こんなときこそおいしいものを食べて明日への活力に、そして、できることから飲食店を元気にしていきたいですね。
そこで、グルメ情報に精通している方々に、今月いちばんおいしかったお店や料理についてアンケートを実施。「今月の一皿」「2,000円以下のお手軽グルメ」について教えていただきました。
今回は、食べロググルメ著名人の塩沢航さんにお答えいただきます。
教えてくれる人
塩沢 航
小山薫堂事務所「N35」の放送作家。「アナザースカイ」「ZIP!」「有吉くんの正直さんぽ」「ミライ☆モンスター」など担当。師匠譲りの食いしん坊で「パレ・ド・Z」「アイアンシェフ」「お先にどうぞ」など食にまつわるコンテンツも多数手がける。コロナ禍において、YouTubeチャンネル「人気シェフのうちレシピ」をプロデュース。
今月のベストワン
Q. 今月行ったお店の中で〈一番おいしかった食べ物〉を教えてください
A. 「hectopascal」のCetara(チェターラ)(1,500円)です
かつて戸越「ピッツェリア恭子」で腕を振るっていた恭子さんが、横浜・二俣川で再スタートを切った。古材廃材を集め、4年かけて作り上げたという空間も素晴らしいが、運ばれてくる一皿一皿が、その感動を上書きしてゆく。新鮮なブッラータにはアンチョビ、ナッツ、酢漬けのキャベツを合わせ、クッタクタに煮たブロッコリーは、ブルスケッタとともに、余すところなく。窯で焼いたソーセージも、噛みしめるほどに、おいしさが染み渡る。クライマックスのピッツァは4種類をチョイス。どれも優勝レベルだったが、とりわけ印象に残ったのは「チェターラ」。イタリアの魚醤、コラトゥーラでマリネしたレモンとアンチョビのピッツァ。マルゲリータのような見た目の華やかさはないが、シャープな旨味、爽やかな酸味が脳天を突き抜ける。昨年末にオープンしたばかり。今年の台風の目となることは間違いない。