ネパールの日常食を食べやすくオリジナルにアレンジ
スパイスカレーと言えば、コリアンダー、クミン、ターメリックなど基本のスパイスを、その店ならではのさじ加減で使用し、個性を競うというイメージがある。ところが同店では15種類のスパイスを独自にブレンドした「ミックススパイス」で調理するのが基本。
その一方で、時に欧風カレーやネパールカレーなども提供し「スパイスカレー」という呼称にこだわらない自由なスタイルが人気の秘密なのかもしれない。それを印象づけるメニューが「ネパールカレーまぜまぜごはん」だ。
その名の通り、とろろが中心に入ったライスと副菜が並ぶ丼の横にあるポークカレーをドバッとかけ、副菜と共に思い切りごちゃ混ぜにして味わうスタイルだ。「ネパールで日常的に食べられている『ダルバート』と呼ばれる定食を、もっと手軽に楽しめるようアレンジしました」と栄秀さん。
ポークカレーはあっさりした辛さながら豚肉の旨みが加わり、親しみやすい味わい。これにスパイスが利いた副菜が加わることで、また新たな味と食感へと変化していく。
カレー細胞(松 宏彰)さん
スパイスが入ったとろろ、アチャール(スパイス漬物)、青菜の炒め物、スパイス高菜など複雑な味わいと異なる食感が次から次へと現れて、食べて楽しくなる一品です。
遊び心溢れるテイクアウトメニューにも注目!
コロナ禍によって苦戦を強いられるなか、密かに人気を獲得しつつあるのが「スパイスわっぱめし」。ライスの上にドライカレーとスパイス副菜がトッピングされたオリジナル弁当だ。
「ここじゃないと食べられないものを提供したかった」と開発のいきさつを語る栄秀さん。ドライカレーは紀州南高梅、ミックスナッツ、瀬戸内レモンの3種類の味わいに加え、季節に応じた限定メニューも登場する。不定期に登場するのでSNSなどでこまめにチェックしておきたい。
カレー細胞(松 宏彰)さん
見た目は完全に和風のわっぱめしなのですが、食べるとしっかりスパイスが利いているのですよね〜。カレーとそうでないものの境界線を攻めるこの一品は、大ブレイク間違いなし!
スパイスカレーの激戦区である大阪にありながら、カレーキュレーターをも唸らす名店「スパイスカレー43」。ワクワク感を高揚させるポップな店構えと予想を良い意味で裏切るメニューの数々。さらに平野ご夫妻の飾らない人柄と絶妙に肩の力を抜いた姿勢は、カレーの味わいにも良い作用をしているようだ。