【カレーおじさん \(^o^)/の今週のカレーとスパイス#162】「セイロンカリー 東大阪店」

2013年に大阪・大正区でスタートして人気となり、南船場に移転してさらに知名度を上げた大阪を代表するスリランカ料理店のひとつ「セイロンカリー」が、2024年3月23日、東大阪市稲田新町にて「セイロンカリー 東大阪店」を2号店としてスタートさせました。

駅からは少し距離はあるものの、食後の腹ごなしにはちょうどいい距離

徳庵駅から徒歩15分、長田駅からは徒歩20分と、徒歩では少々行きにくい場所にあるのですが、わざわざ行く価値のある名店です。

1階のカウンター

店内はカウンター席とテーブル席。程よくスリランカを感じさせつつ温かみある雰囲気。さらには2階にも客席があり、広い空間は貸切やパーティーなども対応可能とのことで、さまざまなニーズに対応してくれる店舗となっています。

2階は貸切OK

名物の「アンブラ」を、メインはポークカレー、ご飯はバスマティライスを選択(1,400円)してオーダー。

「アンブラ」

僕が食べに行った日はセイロンカリーのグランシェフであるランジさんが自ら厨房で腕を振るっていたので安心感がありました。

副菜たっぷりのプレート

ワンプレートの副菜は、上の写真左手前の緑色のものが大和まなのサンボル(和え物)、そこから時計回りにポルサンボーラ(ココナッツのふりかけ的な料理)、パパダン(豆粉のせんべい)、三度豆テルダーラ(炒め物)、レンコンのキラタ(辛くないココナッツカレー)、パリップ(レンズ豆のカレー)という構成。それぞれ単品で食べると引き算の味付けで素材の味を活かした滋味深いおいしさなのですが、混ぜて食べていくとおいしさの相乗効果が生まれます。

ポークカレー

ポークカレーのスリランカ料理らしくスモーキーでスパイシーな味わいは、豚肉の甘みとうまみがスパイスや副菜と絶妙にマッチして、食べすすめるごとにテンションが上がっていくような絶品です。

副菜、カレー、ご飯を混ぜて味の変化を楽しめるのがスリランカカレーの醍醐味!

大阪のスリランカ料理は東京に比べて味にパンチがあってインパクトも強いテイストのお店が多く、それが魅力でもあるのですが、ランジシェフの作る料理は強すぎず程よい絶妙な着地点であり、食べていて疲れず、日常的に食べても飽きない料理だと感じます。

「ビーフロティ」

1皿で大満足だったのですが、もっと食べたいという気持ちになるのがランジさんの料理。「ビーフロティ」600円もいただきました。注文が入ってから作るできたてのロティはもっちりした食感の中に香ばしさもあり、牛肉とじゃがいもをシンプルにスパイスで味つけしたものが包まれ、満足度をさらに高めてくれました。

サイドメニューも充実

ワンプレートのみならずサイドメニューも充実しており、ビーフロティのように1ピースから頼めるものもあるのは、おひとり様食いしん坊にはとてもうれしいことです。

「セイロンティー」

食後に「セイロンティー」(通常450円、ランチタイムはサービス価格100円)で締めくくり。こちらはキリテーと呼ばれるスリランカのミルクティーで、世界的に紅茶の産地としても名高いスリランカならではの上品な味わい。おいしい料理で高まったテンションを優しく落ち着けてくれました。

2号店をスタートすることになった経緯を聞いてみると、ランジさんの希望なのだそうです。ランジさんはドイツ、オランダ、韓国、中国のエキスポでのスーシェフの経験もある凄腕シェフ。実は数年前から大阪市内で物件を探していたのだそうですが良い物件が無く、さらに地域を広げて探したところ東大阪市のこの地が見つかり、ここでスタートさせたとのこと。だからこそランジさんも気合いを入れて厨房に立っていたというわけです。

大阪は言わずと知れたスパイスカレーの聖地ですが、大阪スパイスカレーはスリランカ料理に大きな影響を受けているとも言われています。ランジさんは大阪スパイスカレーの名店シェフのみならず、全国的に各地の人気店のシェフたちにも影響を与え、リスペクトされる存在。そんなレジェンドシェフの絶品料理。冒頭でもお伝えしましたが、あえて重ねて言いましょう。

わざわざ食べに行く価値のある名店です!

※価格はすべて税込

撮影:カレーおじさん

文:カレーおじさん、食べログマガジン編集部