【カレーおじさん\(^o^)/の今月のカレーとスパイス】2024年11月を振り返る

11月は東京のみならず、大阪、福岡、神奈川のお店もご紹介いたしました。ラーメンの世界は毎年続々と新店舗が生まれ、その分閉店するお店も相当数あると言われていますが、カレーの世界はラーメンと比べると安定感があり、一度人気が出ればよほどの事情が無い限りは閉店とはなりにくいという説もあります。その言葉の通りなのか、最近の東京ではカレーの良いお店が増えた分、新たなお店が増えにくいのかと感じる部分もあるのですが、日本全国で見ればまだまだ注目の新店舗は存在します。今後も東京を中心に、全国の新店舗情報をお届けしていきたいと思っております。

というわけで今月は、

1. 大阪スリランカを牽引する代表店が手がける立ち飲み屋

2. 東京の下町で注目の新スリランカ料理店

3. 福岡らしいシンプルでスパイシーなカレーライスのお店2店舗

4. 西日暮里の百名店が移転して南インド料理に特化

5. 横浜でカレーといえばここ!という老舗が川崎に新店舗をオープン

以上5つのトピックス、6店舗のご紹介。普段よりも情報量が多いですが、見逃してはいけないお店ばかりですよ!

【第1週のカレーとスパイス】スリランカ料理の名店「ロッダグループ」が京セラドーム大阪の目の前に立ち飲み店をオープン!「立ち飲みロッダ」

2024年9月18日、京セラドーム大阪の目の前にオープン

大阪スパイスカレーはスリランカ料理の影響を受けた部分が少なからずあると言われています。実際に大阪のスリランカ料理のレベルは他県よりも高いと感じることが多く、だからこそスパイスカレーに影響を与えていったのでしょう。そんな大阪スリランカ料理を代表するお店のひとつである「ロッダグループ」が、京セラドーム大阪の文字通り目の前に、何と立ち飲みのお店を出しました。その名も「立ち飲みロッダ」。2024年9月18日のオープンです。

ポップなイラストののれんをくぐれば、そこは立ち飲みパラダイス!

外観が少々わかりにくいのですが、のれんには確かに立ち飲みロッダの文字が。店内に入ってみるとネオンの装飾と荷物預かりスペースがあるのが独特。

聞けば元々はロッダグループ関係者が運営する荷物預かり所としてスタートしたのですが、他との差別化をはかろうということとロッダグループのボスが立ち飲みのお店をやりたいと考えていたことがマッチして、この場所で荷物預かり所兼立ち飲み屋をスタートすることになったのだそうです。

店内の様子

メニューはスリランカ料理を居酒屋メニュー的にアレンジしたものと、王道の居酒屋メニューの混在。これを見ただけで楽しく感じます。

「アラックのソーダ割り」

まずはスリランカのココナッツ焼酎とも呼ばれる「アラックのソーダ割り」700円を「ズリのスパイス炒め」400円と合わせて。

「ズリのスパイス炒め」

スモーキーなスパイス使いでしっかりと辛さと香りが立つズリ(砂肝)は、ドライカレーと言っても差し支えない仕上がりですが長ネギがのるのが面白く、そして意外と合うのです。

「カトレット」
サバのうまみとじゃがいものホクホク食感が融合!

「カトレット」400円はスリランカ名物のサバコロッケ。じゃがいものホクッとした食感と鯖のうまみが融合していて、こちらはオーセンティックな仕上がり。

「マカロニサラダ」

居酒屋メニューから「マカロニサラダ」400円も。カニカマとプチトマトものるのが良いです。

「ポークカレー」

アラックをもう一杯追加しつつ、〆に「ポークカレー」600円を頼んだのですが、これがまた面白い。味は確かにスリランカカレーのテイストなのですが、そこに福神漬けとらっきょうがのるのが日本的。

味はスリランカ式、ビジュアルは日本式のカレー

あくまで日本式の立ち飲み屋をスリランカ人のセンスでやっているというのが楽しく、そして正統派のスリランカ料理店には無い独自の個性と魅力があるのです。

現在も荷物預かり所としては昼過ぎから開いており、スリランカおつまみが食べられるのは夕方からだそうですが、今後は2階席も開放してより様々なニーズに応えていきたいとのことでした。

手荷物預かり所としては昼過ぎから

ドーム前から九条駅にかけてのエリアは非常にカレーレベルが高く、人気店が集まる激戦区の一つですが、そこではしごカレーの1軒目としても良さそう。

カレーが目当てじゃなくとも、野球やコンサートの際の荷物預かり所として利用しつつ、終わった後の打ち上げをここでしたらさぞかし楽しいことでしょう。

このようなお店がもっと増えていくと良いなと個人的に感じます。大阪に行く際にはまた立ち寄りたいお店でした。

【第2週のカレーとスパイス】ご飯たっぷりが現地流! つい通いたくなるお花茶屋の本格派スリランカ料理店「スリニッポン セイロンティーハウス&カフェ」

京成線お花茶屋駅近くに注目のスリランカ料理店がオープンしました。その名も「スリニッポン セイロンティーハウス&カフェ」。スリランカの「スリ」とはシンハラ語で「光り輝く」という意味ですが、つまりは「光り輝く日本」という店名です。

お花茶屋駅近くにある「スリニッポン セイロンティーハウス&カフェ」

こちらを取り仕切るのは、非常に人懐っこい性格のスリランカ人お母さんナディカさん。早稲田大学院を卒業した経歴の持ち主で、日本語も堪能です。

店内の様子

お店の情報がなかなか見当たらず定休日の表記もなかったのですが、電話で問い合わせてみると「今はほとんど休まずお店やってます!」と元気に対応してくれました。

店内では紅茶なども販売

辿り着いてみるとリゾート感ある雰囲気。紅茶の販売や、アーユルヴェーダの講座も受け付けている様子。

メニューはスリランカカレーのプレート一本勝負

メニューは「スリランカカレー デザート&ティー」1,500円(税込)のみ。内容は基本的に日替わりで様々な料理がのったスリランカ式ワンプレートと、デザートとセイロンティーがつくセットです。

「スリランカカレー デザート&ティー」のスリランカカレー

この日はチキンカレー、濃厚なパリップ(スリランカの豆カレー)、かぼちゃカレー、インゲンのカレー、ポルサンボル(スリランカのココナッツふりかけ)、ターメリックで色付けたバスマティライスに目玉焼きものるのがこちらの特徴と言えましょう。

ご飯たっぷりがスリランカ流!

ご飯は少なめで頼んだのですが「スリランカは少なめでもこれくらいあります」と笑顔のナディカさん。確かに平均的なお店の普通盛りよりは多く大盛りよりは少ないくらいのしっかりとした量でしたが、それぞれの料理がおいしく、混ぜ合わせて食べていくと結果的にちょうど良いくらいの量だと感じました。

野菜もたっぷり摂れるがうれしい

特にスモーキーなチキンカレーとかなり濃厚でドライに近いテクスチャのパリップの組み合わせが良く、目玉焼きとの相性も申し分ないものでした。

そしてデザート&ティー。こちらがさらに素晴らしい。デザートはスポンジケーキの上にアイスクリーム、そしてクルンバがのったオリジナル。

セットのオリジナルデザートとティー

クルンバとは身が固まる前の若いココナッツなのですが、これを日本で食べられる場所は珍しく、大変貴重。身も柔らかく、甘みも穏やかでケーキやアイスのおいしさを引き上げる存在となっていました。

取材日は暑かったのですが、ナディカさんは「今日は暑いからお茶はアイスが良いですよね?」と。出てきたのは蜂蜜レモンティー。これがまたおいしくて、そしてクルンバのせケーキとの相性も良くて、カレーだけでも十分満足だったのですが、その満足度をさらに高めてくれました。

お土産にお茶のプレゼントも

お店に来るお客さんに積極的に話しかけるナディカさん。グイグイ来るので最初は戸惑う人も多いのですが、食べ終わってお店を出る頃にはほとんどの方がナディカさんのファンになるだろうと思えるような素敵な方でした。

まさにスリランカと日本の架け橋的存在。お土産にお茶もいただいて、これを家で飲みながら、またいつかナディカさんに会いに行きたいと思うのでした。