食通が選んだ今月のおいしい料理

新型コロナウイルスの流行により苦戦を強いられていた飲食店は、少しずつ元の活気を取り戻し始めています。私たちも我慢の連続から少し解放され、おいしいものを食べて明日への活力に、そして、飲食店をより盛り上げていきたいですね。

そこで、グルメ情報に精通している方々に、今月いちばんおいしかったお店や料理についてアンケートを実施。「今月の一皿」「2,000円以下のお手軽グルメ」について教えていただきました。

今回は、食べロググルメ著名人の田中知之さんにお答えいただきます。

教えてくれる人

田中 知之
1966年7月6日生まれ。京都市出身。DJ/音楽プロデュースのソロ・プロジェクトFPM=Fantastic Plastic Machine(ファンタスティック・プラスチック・マシーン)として国内外で活躍。97年秋発売のアルバム「The Fantastic Plastic Machine」でデビュー以来、独自の音楽スタイルがワールドワイドに支持され、8枚のオリジナルアルバムのリリースの他、アーティストのプロデュースにもたずさわり、リミキサーとして現在まで100を超える楽曲を手掛けている。世界三大広告賞でそれぞれグランプリを受賞したダンスミュージック時計ブログパーツ「UNIQLOCK」、「UNIQLO CALENDAR」の楽曲制作も手掛けるなど多方面で活躍している。グルメとしても知られており、全国各地を網羅する情報量を持つ。

今月のベストワン

Q. 今月行ったお店の中で〈一番おいしかった食べ物〉を教えてください

A. 「鮨m」のOMAKASEコース&ペアリングです

コハダ
コハダ   写真:お店から
ペアリングはノンアルコールも
ペアリングはノンアルコールも   写真:お店から

実は何の前情報も持たず、食通でワイン通の後輩に連れて行かれるままにお邪魔したのだけれど、とても素敵な食体験だった。お洒落過ぎる店名や立地や佇まいに気後れしてしまうのかな?なんて心配は無用だった。まず、特筆すべきなのが、握りの合間に供される料理がいわゆる刺身や酒のアテではなく、フレンチ〜イノベーティブなお皿の数々なのだ。もはや、寿司屋と謳っているのが不思議なくらいの本格的な素材やパフォーマンスとボリューム。この店にはお寿司の握り手とは別で料理専門のシェフがいらっしゃるのがユニークなのだが、今はなき銀座の4点超えの名店「ティエリー・マルクス」にいらっしゃった松澤さんだった。なるほど。そして何より舌を巻いたのが、元「NARISAWA」の木村ソムリエによるワインと日本酒のペアリング。相当攻めたマリアージュのアイデアも含めて何度も膝を打った。瀟洒なカウンター内にソムリエ専用テーブルがデーンとあるのもカッコいい。もちろん店名に鮨が付くだけあって、正統派江戸前の握りはとても美しく旨い。今ならまだ予約も比較的取りやすいのもうれしい。

2,000円以下のお手頃グルメ

Q. 今月食べた中でおすすめしたい、2,000円以下のグルメを教えてください

A. 「えみちゃん」のお好み焼き(600円)、そばめし(650円)、モダン焼(550円)です

From 神戸・芦屋・西宮
お好み焼き(すじ焼き)   出典:From 神戸・芦屋・西宮さん

神戸の下町、生田川の市営住宅の1階にあるお好み焼きの名店。私が通い始めて四半世紀以上、たまに神戸に行ったときは立ち寄ってはいたのだが、このところ休みも多かったりで、このまま閉店もあるかな……と心配していた。しかし、なんと内装がちょっと綺麗になってリニューアルオープン。やったー。柔らかく軽くジューシーなのが特徴なお好み焼きのトッピングは豚とカスに。こちらの名物であるそばめしのトッピングにはタコとカス、今回初めて注文して今まで頼まなかったことを後悔したモダン焼きのトッピングには豚とイカをチョイス。それぞれ卓上にあるコチュジャンをたっぷりかけるのがポイント。見てくれはお世辞にも良くないかもですが、私が日本一好きなお好み焼き屋さん不動の一位であることを今回も確認しました。3人で3品、瓶ビールを1本で、支払いは1人千円でお釣りがきましたw。実はかの焼肉の名店「よろにく」のバンさんを「よろにく」開業寸前にお連れして、彼が大絶賛していらしたのは、今では良い思い出。

※価格は税抜き。

※アンケート内容と「食べログ」に掲載されている情報をもとに、料理名・金額を掲載しています。最新の情報はお店にご確認ください。

※時節柄、営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、お店のSNSやホームページ等で事前にご確認をお願いします。

※外出される際は人混みの多い場所は避け、各自治体の情報をご参照の上、感染症対策を実施し十分にご留意ください。

文:田中知之・食べログマガジン編集部