〈2021 食通が惚れた店〉

新型コロナウイルスの流行により、飲食店にとって引き続き大変な一年となった2021年。油断のできない状況は続きますが、各店が工夫を凝らし、おいしいものを届けようと努力しています。

そこで、グルメ情報を熟知した有識者にアンケートを実施。「最も印象に残った店」「2,000円以下のお手軽グルメ」「おすすめのお取り寄せ」をうかがいました。

今回は、食べロググルメ著名人の塩沢航さんにお答えいただきます。

教えてくれる人

塩沢 航
小山薫堂事務所「N35」の放送作家。「オモウマい店」「アナザースカイ」「有吉く
んの正直さんぽ」「ミライ☆モンスター」などを担当。師匠譲りの食いしん坊で「パ
レ・ド・Z」「リモートシェフ」など食にまつわるコンテンツも多数手がける。コロ
ナ禍において、YouTubeチャンネル「人気シェフのうちレシピ」をプロデュース。

2021年のベストレストラン

Q. 2021年、最も印象に残った飲食店を教えてください

A. 「ドンブラボー」です

「清湯カッペリーニ」 撮影:塩沢航

謙虚に、貪欲に、研究を重ね、訪れる度に凄みを増している東京・国領の奇跡。どんどん雑味をそぎ落とし、たどり着いた一つのゴールが、夏に出していた「清湯カッペリーニ」。具なし、だしのみでシンプルだが、とてつもなく味わい深い。来夏、また、食べられますように。

アンダー2,000円のお手軽グルメ

Q. 2021年に食べた〈2,000円以内の感動の味〉を教えてください

A. 「かつ丼多勝」の「ロースかつ丼」(1,100円)です

「ロースかつ丼」 撮影:塩沢航

かつ丼を食べていて「透明感」という言葉が思い浮かんだのははじめて。砂糖やみりんに頼らず、塩気とだしを立たせ、甘みを脂身と米に委ねるというありそうでなかったアプローチ。食べ慣れた料理であるだけに衝撃を受けました。

2021年のお取り寄せ

Q. 2021年に出会った、人におすすめしたいお取り寄せを教えてください

A. ELEZOの「『ELEZO』スペシャルセレクション」と「特製ポトフ」です

「ELEZO」スペシャルセレクション(7,900円、送料別) 写真:文春マルシェ

命ある状態から皿の上まで、すべてを司る食肉料理人集団「ELEZO」。その生き様を体現するシャルキュトリは彼らのウェブサイトでも買えるが、「文春マルシェ」が別注をかけた「スペシャルセレクション」がまた素晴らしい。彼らの代表作、ブーダン・ノワール(血のソーセージ)に、パイナップル、バナナ、ココナッツなどトロピカルフルーツを加え、冷製テリーヌに仕立てた「ブーダン・エキゾチック」に、蝦夷鹿のサラミ、放牧豚のロースハムを組み合わせたスペシャルセット。ジビエにネガティブなイメージを抱かれている方にこそ、味わってほしい。

「特製ポトフ」(3,800円、送料別) 写真:ELEZO

そして「特製ポトフ」もおすすめしたい。ベースとなるスープは、自分たちで仕留めた蝦夷鹿の骨、筋、脛から、じっくり、丁寧に旨味を抽出したコンソメ。大ぶりにカットされた根菜の甘味と食感が句読点を打ち、筋繊維が発達した放牧豚の脛肉と、はちきれんばかりのサルシッチャが、家庭料理であるはずのポトフを、ご馳走へと昇華させている。低需要部位のポテンシャルを最大限に高めたこの一杯は、「血の一滴、骨の一本まで生かし切る」という彼らの信念を体現するもの。かなりのボリュームなので、2人で食べてもお腹いっぱい。十勝の大自然の豊かさ、尊さを、大切な人と分かち合ってほしい。

「『ELEZO』スペシャルセレクション」の購入方法:「文春マルシェ」にて
「特製ポトフ」の購入方法:「ELEZO」オンラインストアにて

※価格は税込です。

※アンケート内容と「食べログ」に掲載されている情報をもとに、料理名・金額等を掲載しています。最新の情報はお店にご確認ください。

※時節柄、営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、お店のSNSやホームページ等で事前にご確認をお願いします。

※外出される際は人混みの多い場所は避け、各自治体の情報をご参照の上、感染症対策を実施し十分にご留意ください。

文: 塩沢航、食べログマガジン編集部