いよいよハンバーガーが登場！
お待たせしました、ここからがいよいよバーガーです。12店あるリゴレットのうち、ハンバーガーがあるのは六本木だけ。全5品あります。最もシンプルなのが「リゴレット・バーガー」。中身はチーズバーガーです。2014年、18年、19年の六本木グルメバーガーグランプリ《レギュラーメニュー部門》受賞作。
パティはUSブラックアンガスに国産牛の内ももと牛脂を合わせた自家挽き130g。かぶりついた瞬間に肉汁がほとばしる焼き加減。そして強烈な印象はバンズ表面を覆う「ケシの実」のつぶつぶ感。チェダーチーズがとろけ、グリルドオニオンのちょうどいい甘味が加わり、塩コショウの加減も絶妙によくて、非常によくバランスのとれたバーガーです。シンプルにして細やか。世の一般的なグルメバーガーとは違う、リゴレット独自のバーガー世界をここに感じます。
その独自の個性を支えるのが、ケシの実だらけのバンズです。ここまでケシの実を使ったバンズも少なくて、ハワイアンバーガーショップの「クア・アイナ」を除けば、都内でもおそらく数例ではないでしょうか。
“つぶつぶ”が終始感じられて、食事中ずっとリズムを刻んでいるような食感がとにかく独特。以前は他のパン店に注文していましたが、グループ店である「SHIBUichi BAKERY」がオープンして以降は、同店のバンズを使っています。水の代わりに牛乳で作ったミルクバンズで、表面はドライですが、生地はほどよい水分量。ベーカリーの店頭で売っているのを一度だけ見たことがありますが、見たのはそれきり。滅多に店には並ばないようです。
こちらは2016年の特別限定メニュー部門グランプリに輝いた「BBQベーコンエッグバーガー」。2020年に復活し期間限定販売されましたが、現在は販売されていません。グランプリにふさわしいお祭り騒ぎ的ド派手バーガーで、燻製にした唐辛子を原材料とする「チポトレBBQソース」の先制パンチ的な辛さにまずヤラれた後、中盤はフライドエッグやチーズを中心にマイルドな展開。そして終盤ようやくパティが登場して、ベーコンとともにきっちり締めるという、なかなかドラマティックな一品でした。
こんな感じの限定バーガーが毎夏、六本木グルメバーガーグランプリの開催期間中だけ食べられます。「六本木グルメバーガーグランプリ」は森ビル主催。六本木ヒルズおよび周辺施設のレストランが参加し、「レギュラーメニュー」「特別限定メニュー」各部門の覇を競うイベントです。期間は40日程度。審査はお客さんによる投票制。バーガー以外の飲食店も多数参加。イタリアンの名店や食べログ 百名店選出の店など、錚々たる面々が名を連ねており、そんな中、常に結果を残して来たことからも、リゴレットのバーガーの実力がうかがえます。
そして最後は「バッファローチキンバーガー」。これおいしい！ 1日かけてマリネした鶏もも肉250gに衣を付けてカリッとフライにし、バッファローウィング風のホットソースを絡め、ゴルゴンゾーラ入りのタルタルソースをかけた一品。
ぷりっとジューシーなチキンにホットソースがカラッと利いて、その合間をブルーチーズが埋めるという、普通ならもっとごちゃつきそうなところを、個々の味が順序よく整然と発揮される、そこに技量の高さを感じます。ホットソースには澄ましバターが入っており、辛さの中にまろやかさあり。ということで、百名店には名前の挙がらぬ“隠れた”ハンバーガーの名店であることを、今回ここに私的に認定したく思います。
リゴレットの食べログページの“ジャンル”の項目を見ると、「イタリアン」「スペイン料理」「バー」となっています。つまり、リゴレットはハンバーガーの店ではないワケです。それがハンバーガー 百名店に選ばれぬ理由のひとつと思われますが、でも、上の3つのジャンルのどれもが「リゴレット」ですもんねぇ……。非常に多面的なお店です。すべてが魅力であるゆえに、人により“捉え方”もさまざま。ある人はワインとタパスを楽しみ、ある人は深夜に使い、ある人はピザが好き、ある人はパスタが好物、そしてある人はバーガーを愛す……。今回はそんな幅の広さの中でハンバーガーについて語ってみました。少し間が空いたので、文字数増量の特別編です！
※価格はすべて税込
