インド料理の概念を覆すモダンインディアンキュイジーヌが11/16にオープン!

先週11月16日、南アジアから新しい風をもたらすインド料理店が日本初上陸した。今までのインド料理の概念を覆すモダンインディアンキュイジーヌレストラン「スパイスラボトーキョー」。

場所は、東京・銀座6丁目に同日オープンとなった商業施設「GICROS GINZA GEMS(ジクロス ギンザ ジェムズ)」の10F。ここで、新感覚のスパイス使いによる、“カレー”一辺倒な従来のイメージとは異なるモダンインド料理の数々と出合える。

弱冠34歳の総料理長テジャス・ソヴァニ氏が“スパイスの魔法”で挑む

総料理長のテジャス・ソヴァニ氏

料理を手がけるのは、弱冠34歳ながらインドのラグジュアリーホテル「The Oberoi」や「AMAN」で副料理長を務め、コペンハーゲンの伝説的なレストラン「noma」でも修行経験のあるテジャス・ソヴァニ氏。スパイスを自在に活かし、独創的かつエレガントな料理を生み出すことから“スパイスマスター”の異名を持つ。日本でのインド料理への固定概念を覆したい、と意気込む新進気鋭のシェフによる“スパイスの魔法”とはどんなものか、期待は膨らむばかり。

レストラン「スパイスラボトーキョー」の革新的な味わい

スパイスラボトーキョーの特徴は、多様な文化を持つインドを一皿ずつ表現した8皿10品からなる「インチャンティング スパイス」というコーススタイル。皿ごとにイメージしたテーマを順に口にしていくことで、“スパイスの魔法”の旅が始まるのだ。

【テンプル/寺院】

コースの始りは、【テンプル/寺院】と題し、成功や幸運を祈願し「天上に捧げる食事」をイメージした一皿。3色のチャツネ(ペースト状のソース)は、それぞれ甘味と酸味、そしてスパイスのほどよい辛味を持ち、レンズ豆を香ばしく揚げた軽い食感のスナックのあとに繊細で多面的な香りを口の中に広げてくれる。

【ストリート/街路】

【ストリート/街路】をテーマにした一皿は、サービスされたときから驚きを覚える。なんと、クッション(?)の上に盛られて提供。実は陶器で作られており、こういったサプライズも斬新だ。料理は、多くの人口と地域を抱えるインドの様々なストリートフードからインスピレーションを得た5種。スモールポーションで、多彩な味を楽しめる。

テーブルの前で盛り付けのプレゼンテーションをする【ヴィレッジ/農村】がテーマの一皿は、インド古来の調理法で太い竹筒から蒸し焼きにしたチキンが目の前でサーブされる。

【ヴィレッジ/農村】

チキンからは上品な香りがたち、インドのトリュフとも喩えられる「カシミールモリーユ茸」やバラの香りが新感覚な「カリフラワーとローズペダルの葛豆腐」などが添えられ、色も味も豊かに表現。

【ロイヤル/王族】

【ロイヤル/王族】というテーマの名からも期待が高まるのは、インドの王族たちの宴で出された料理をイメージしてスパイスラボトーキョー>スタイルにした「タンドリーラムロイン」。花やハチミツを思わせるアロマなスパイス使いでラム肉特有の香りを引き立てる。

「ビリヤニ」

“王様の従者”のようにビリヤニとクルチャ(インドのパンの一種)も贅沢に添えられる。キュウリを使ったヨーグルトソースでさっぱりした酸味を楽しんだり、まろやかな小豆のカレーをつけたりと、変化に富んだ味わい。

【フェスティバル/祭り】

デザートのスイーツも当然テーマがある。【フェスティバル/祭り】と名付けられた皿には、色も味わいも異なる4色のソースが敷かれた上に、フェンネルを使ったクランブルクッキー。縦にスプーンをなぞり、ソースをミックスして食べるのが作法のようで、色ごとのベリーの酸味やバニラの香りが、クッキーのザクザクっとした食感と相まって絶品。

食文化がクロスする街でかかる“スパイスの魔法”

目にも鮮やかで多彩な料理を味わえる“モダンインディアンキュイジーヌ”。スパイスラボトーキョーは、ベジタリアンコースも用意され、ランチには5品3,300円~のコースでリーズナブルに楽しめるなど、幅広い客層に対応している。

フレンチやイタリアン、中華は様々な潮流を取り入れた独創的な発展を遂げるなか、近年はよりローカルな方向への進化が目立っていた、日本でのインド料理。革新的なスパイスラボトーキョーの登場で風向きがどう変わっていくのか目が離せない。

 

料理と飲み物のダブルのアプローチにより「インドの今=Real India now」を体験できる“スパイスの魔法”に、銀座という様々な食文化が交差するエリアでいち早くかかってみてはいかがだろう。

 

 

取材・文:舘野頼正
写真:食べログマガジン編集部